恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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615部分:第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその一
第四十八話 厳顔、主を見つけるのことその一
第四十八話 厳顔、主を見つけるのこと
劉備達はその厳顔に会うことにした。そこでだった。
「そういえばですね」
「そうだな。紫苑がだったな」
「その厳顔と知り合いだったのだ」
劉備に関羽、張飛が言う。一行は今宿の部屋の中にいる。そこでくつろぎながら話をするのだった。
「それでなんですけれど」
「その厳顔という者」
「どんな奴なんだ?」
「話のわかる人よ」
まずはこう話す黄忠だった。
「豪放磊落な性格でね」
「ふむ。ということはだ」
その話を聞いてだ。黄忠はある者のことを思い出した。それは。
「孫策殿のところの黄蓋殿と似た性格か」
「そうね。性格だけじゃなくて喋り方も似てるわ」
実際にそうだと話す黄忠だった。
「細かいところは違うけれど」
「太守としてだけでなく武人としても立派な方だそうですね」
孔明がこう言ってきた。一行は今は寝巻きになっている。風呂あがりなのか身体が桃色にほてっている。その姿でベッドに座りながら話している。
「智勇兼備の方だとか」
「へえ、そんなに立派な人なのか」
馬超もその話を聞いて言う。
「本当に一度会ってみたいな」
「そうね。少なくとも」
馬岱はその従姉を見ながらくすくすとしている。
「姉様みたいに脳筋の方じゃないみたいだし」
「おい、何だよ脳筋って」
馬超は従妹のその言葉に顔を顰めて言い返す。
「あたしが筋肉馬鹿っていうのかよ」
「その通りではないのか?」
趙雲がくすりと笑ってここで言う。
「貴殿はだ。何かと猪突猛進だからな」
「そういうところ鈴々ちゃんとそっくりだし」
馬岱は趙雲に合わせる。
「まあそれはそれでいいんだけれど」
「悪くないのかよ」
「それでいいのだ?」
「個性だからな」
「それでいいと思うわよ」
趙雲と馬岱は馬超だけでなく張飛にも話す。
「少なくとも貴殿等が理知的だったりするとだ」
「かえって怖いしね」
「何か馬鹿にされてねえか?」
「そんな気がするのだ」
突撃派の二人は顔を見合わせて話す。
「だよな。何かな」
「確かに考えることは苦手にしてもなのだ」
「とにかくですね」
鳳統が話を元に戻してきた。
「明日、その厳顔さんと御会いしましょう」
「そうよね。本当にどんな人かしら」
劉備は素直に期待していた。
「優しい人だったらいいけれど」
「いえ、とても厳しい人です」
その劉備に話すのは魏延だった。彼女は黒い寝巻き姿である。
「それはもうかなり」
「えっ、そうなの!?」
「私が喧嘩をすればです」
魏延は驚く劉備にさらに話す。
「すぐに捕まえてお仕置きです」
「いや、それは普通ではないのか?」
関羽は魏延の話を聞いて述べた。
「確か厳顔殿は貴殿の師だったな」
「その通りだ」
「ならば弟子が悪さをすれば叱るのは当然ではないのか?」
「私もそう思うわ」
神楽も関羽の言葉に頷く。
「それはね」
「しかし喧嘩なぞ」
「いえ、喧嘩は流石に」
月はそのことを指摘する。
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