世界をめぐる、銀白の翼
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第五章 Over World
私の、最高の友達
ドドドォッッ!!!
「ぐゥッ!!」
「う・・・・グ!!」
「ぎぁっ!!」
蒔風の援護に向かった青龍、白虎、麒麟の三人。
しかし、ワルプルギスの触手の威力は凄まじく、即座に弾き飛ばされ地面に叩きつけられてしまう。
だが、そう簡単にやられる彼等でもない。
再び立ち上がり、獣神体となって空へと向かう。
蒔風がその麒麟に跨り、「風林火山」を両手に握って突っ込んでいった。
向かってくる触手を弾き飛ばしていき、前進して行くものの、麒麟の足が狙われてしまい、横転するように転がってしまう。
その麒麟から飛び降り、今度は青龍の背に飛び乗った。
うねるように飛び、触手を躱していく青龍の背を駆け昇り、その頭に到達した瞬間に蒔風は白虎に向かって飛び上がった。
直後、青龍は尾を触手につかまれて、引き戻された。
そして猛烈な勢いでブン回されたのち、そのままの勢いで地面に叩きつけられて血を吐き出した。
一方蒔風は、白虎の前脚に足をかける。
白虎の方は縦回転してワルプルギスに向かっており、その回転の力をそのまま蒔風にぶち当てるように腕を振るったのだ。
弾丸のように飛び出していく蒔風。
足元では白虎が触手に弾かれて落ちるが、いまはこの一撃に集中する――――
「オぉォォォオオオオオオ!!!!」
風林火山が、縦一本に繋がっていく。
柄は消え、巨大な野太刀のような形になったそれを、蒔風は居合のように振り上げた。
「鎌鼬、斬演武・・・・一――――閃!!!」
バキィッッ!!!
が、それが振るわれたと同時に蒔風が地面に叩きつけられた。
ボゴォ!とコンクリートを砕いて落下した蒔風は、地面に倒れながら薄目でそれを見る。
バガガガガガガガガガンッッ!!!
連続して殴打される触手。
もはやそこに蒔風がいようといまいと関係のない連打だ。
「主!!」
「おおぉォォォォォォオオオオオオ!!」
「青龍・・・・雷旺砲・・・・!!!」
「麒麟土惺竜!!」
「白虎混闇陣!!」
滅多打ちにされる主の姿を見て、三獣がそれぞれの宿す力を放つ。
重力場が圧し掛かり、相当物量の土石が襲い掛かり、膨大な雷が焼き爆ぜさせようと襲い掛かっていくのだ。。
が、そのすべてが触手に弾かれてしまう。
渦巻きかプロペラか
そんな動きをして回される触手に重力場は掻き混ぜられて、逆に白虎が大地に叩き伏せられる。
向かって行く土惺竜は鞭の一発で粉々に砕かれてしまう。
最後に雷旺砲を無数の職種の先で転がし、一つのエネルギー球体にして三体のもとに投げ飛ばしてきた。
「う、グぁああッッ!!?」
爆発に巻き込まれ、吹き飛んでいく三体の使役獣。
その体は大地に伏せ、ぐったりと意識を失った。
「舜君!!」
「ダメですなのはさん!!今行っても何もできません!!」
離れたビルの上では、今にも飛び出そうとするなのはを、翼刀が押さえつけていた。
城戸やセイバーたちは、横になった唯子と一緒にヴァルクヴェインの治癒結界の中にいる。
「今じゃ近づくのだって無理ですって!!」
「でも舜君はインキュベーダーとの戦いで疲れてたのに――――!!」
だから蒔風は、なのはをワルプルギスの夜の攻撃に加えなかった。
唯子と翼刀をすぐに守れるようにさせていたのだ。
「身体が疲れてるのは舜君もだったのに・・・・・!!」
「今は・・・信じるしかないっす・・・・」
目の前の光景は、圧倒的なものだった。
今までの浮遊する地面や、襲いくるビルなどと言った空間的な崩壊ではなく、圧倒的で、直接的な暴力が蹂躙する。
それは崩壊と言うよりも「破滅」と言った方が、しっくりくる光景だった。
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ガラッ・・・・・
「が・・・っつぅ・・・・」
身体に乗る瓦礫を除けながら、蒔風が剣を杖代わりにして立ちあがる。
どうやら左脚は折れているようだ。
右腕も外れているのか、ぶらりと方からぶら下がっている。
「まだ・・・まだっ!!」
だが蒔風の身体は今、魔法少女の物と同じだ。
いくら損傷しようとも、ソウルジェムに魔力を回せば回復できる。
彼の翼力は、魔力に変換すればかなりの量になる。
まだそこは尽きないし、ソウルジェムをもとに魔力を作っているわけではないので、濁ることもない。
しかし、そうはいっても相手が圧倒的すぎる。
青龍たちは剣に戻ってしまっているし、この状況ではほかの使役獣たちも――――
「これないか・・・・」
先ほど玄武のために開けた穴は、すでにワルプルギスの攻撃で倒壊してきたビルが落ちて崩落している。
もう一度開けるには、時間がなさすぎる。
彼等では、来れないだろう。
だが、それでも蒔風は笑う。
身体に着いた血を拭い、ワルプルギスの夜を見据えて叫ぶ。
「これから先の人生の、全ての幸運や幸せをつぎ込むほどの奇蹟。それを願った彼女たちには、確かに絶望や不幸しか待っていないのかもしれない」
遠くから何かが飛来する。
それは、剣の状態となった天馬だ。
セイバーのストライクエアで射出されたそれは、まるで狙撃のように、精密に、蒔風の一点目指して、触手の網を潜り抜けていく。
「だけど・・・・翼刀お前、ホントにいいこと言ったよ」
バシィ!
飛来してきたそれを、掴む。
地面に円を描くように回し、その剣を構えた。
ジャカッ!!
「人の希望に終わりなんてない。願いはこの一瞬にだって生まれているんだ」
集う。
天馬の輝きの元、十五天帝が集結する。
「もし、人の願いと希望が、その程度で尽きるなんてことがあるんなら・・・・俺の翼はとうの昔に、その輝きを終わらせている!!!」
バサァッ!!!
銀白の翼、開翼
十五天帝の全てを手元に
「希望をかなえた後、それを使い果たした後には、絶望しか残らない・・・・そんなことは、ない」
十五天帝、全開
「一つの夢をかなえたら、次の希望が生まれるんだよ!!」
ゴ―――ンッッ!!!
銀白の眩い閃光が、ワルプルギスの夜に真正面から激突した。
無数の触手を一本に束ね、その一撃に真正面から迎え撃つワルプルギス。
だが、この一撃に乗っているのは
「貰うぜ・・・・「今まで」という奇蹟を越える・・・・これから先の、未来ってやつをな!!」
ジュォウッッ!!
その一撃に触手は焼け散り、周囲にはバラバラと炭になった塊が落ちていく。
が、蒔風はまだ終わっていない。
その一撃の後、一気にワルプルギスの真下にもぐりこみ、今一度一撃を叩き込む―――――!!!
「ソラウス・キング――――フィフティーンッッ!!!!」
ゴ、バゥッ!!
真下からの砲撃に、ワルプルギスの夜は全身を焦がす。
身体を包む紺のドレスも、身体を形作る歯車も、嗤う口が張りつくその顔面も
触手攻撃が止み、蒔風がその場に膝を落す。
汗が顔面を伝って落ち、横隔膜はその可動域の全てを使って肺に空気を取り込んでいた。
剣を地面に突き立てて耐えようとするが、膝はそのままズルズルと地面に落ちてしまう。
そのまま顔は下を向き、剣さえなければまるで祈るかのような格好になって蒔風が大きくため息をつく。
「チクショウ・・・・・」
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「なんで・・・・・」
まどかは悪夢を見ている気分だった。
いや、悪夢だったほうが、夢である分まだマシかもしれない。
目の前で、銀白の光線がワルプルギスの身体を焼き尽くした。
その一撃の勢いなのか、それとも耐えられなくて戻ったのか、ワルプルギスの身体が元のように逆さに還る。
その一撃は、確実にワルプルギスの夜を一度は終わらせた。
だがその一撃は、一度静めた程度で終わってしまうのだ。
今、ワルプルギスの夜は歯車を射出して広域にわたって攻撃している。
その歯車の嵐の中に、蒔風の身体がいとも簡単に散って行く。
「なんで・・・・倒れないの・・・・・!!」
「ワルプルギスの夜の身体をあそこまで、しかも二度も破壊しつくすなんて本当に驚きだ。でも、その体に秘められたエネルギーはまだまだあるのさ」
ワルプルギスの夜は終わらない。
あれだけの一撃でも、ワルプルギスの夜は再生する。
「本当だったら、あの時点でワルプルギスの夜も退くはずなんだけどね。それを歴代の魔法少女たちは「倒した」って言ってたみたいだけど」
「何故居なくならないのか・・・お前は知ってるみたいな口ぶりだな」
「知っているわけではないけど、推測は立てられるよ。きっとあれは、歪みの結果さ」
「・・・・・なるほどな」
「え・・・どういうこと!?」
キュゥべえの一言に、ショウが容易く納得する。
だがほむらもまどかも、なんのことを言っているのか見当もつかない。
「暁美ほむら。君のやったカケラ紡ぎは、今この現実に過去の結果を張り付けることだ。それは善いことにしろ悪いことにしろ、因果という物を歪めてしまった」
「あれはそれの結果さ。何かを救うなら、その分の埋め合わせがあるモノさ」
その器が、ワルプルギスの夜だった。
いま、蒔風舜は救われた命の代償を支払わされている。
「そんな・・・・なんであの人が・・・!!」
「あいつだから・・・だろうよ。不条理なんてもんを知ってる、あいつだから」
「勝つことは出来ても、倒せない。そしてあれは倒されるまで消えないよ。でもね、君ならあれを倒せるのさ、まどか」
キュゥべえはそれを踏まえ、今一度せまる。
契約をしよう。
そうすれば君の力は完璧なものとなる。
その一撃で、ワルプルギスの夜を倒すと良い。
「どうするんだい?まどか。もしかしたら彼なら、エネルギーを得たボクを倒せるかもしれないしね!!」
今のままじゃ0の可能性も、君の決定で1%でも上がるかもしれない。
そう囁くキュゥべえに、いよいよほむらが銃口を向けて銃身をスライドさせる。
だが
「待ってほむらちゃん!!」
「まどか・・・?」
まどかが叫び、それを止める。
ショウとほむらの間を抜け、キュゥべえの前に、まどかが進んでいく。
「決心してくれたんだね・・・・!!」
「・・・・いいよ、インキュベーダー。私の願いを、叶えてよ」
「ふふふふふふフフフフ!!!」
「なッ・・・だめ!!まどか!!!」
「おい・・・待て!!!」
制止するほむらとショウ。
だが、二人が止めるより早くまどかは「その願い」を口にする。
もう止まらない。止められない。
その願いに、キュゥべえは驚愕する。
「な・・・そんな・・・・その願いは宇宙全体を書き換える物だ!!君は神にでもなるつもりかい!?」
「なんでもいいよ。今のこの状況からみんなを救って、今のあなたの思い通りにさせないのは、これしかないから!!」
「君は・・・・・すべてを戻すつもりなのかい!?」
「さあ、叶えてよインキュベーダー!!!私の願いを!!」
「だめ!!まどかァッッ!!」
「アンクッッ!!」
「チィッ!!」
彼女は宣言する。
それは文字通り――――すべてを救いたいと願う、彼女の偽りのない願いだった。
「過去、現在、そして未来の―――――――全ての魔女を、消し去って」
そして、願いが履行される。
世界が光に包まれて―――――
そして少女たちはそれに飲まれた。
キィン―――――・・・・・・
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今までの過去から未来までの、全ての魔女を、消し去りたい。
魔法少女が魔女になるその瞬間に、そんな彼女たちを救い出したい。
希望から始まった彼女たちの想いを、絶望でなんか終わらせない。
それは、世界の仕組みに関わる改変だ。
それを為せば、確かに魔法少女たちは救われる形をとるのだろう。
だがその代償に
「鹿目まどか。君は大変なことをしたね」
「どうして?」
「君はその願いを以って、世界の因果に手を出した。新しい因果のもとに、君は存在することになるんだ」
「うん」
「どういうことか、解っているんだね?」
全ての宇宙とでもいえる空間に、まどかは浮いている。
姿はしないが、キュゥべえの声もする。
彼女の目に映っているのは、宇宙の始まりだ。
彼女の願いは魂の行く末を操作するものなのだから、それは大きな改変だ。
「魔法少女限定とはいえ、君は魂の導き手となった」
まどかが、静かに弓を引く。
矢先にはピンクの炎が灯り、それが優しく揺らめいた。
「つまり君自身が因果となってしまう。死ぬこともなく、認知されることもなく、君は永遠に存在し続けることになる」
「そうだね」
「それは、死よりもつらいことだよ?」
「いまさらあなたがそれを言う?」
まどかは笑う。
そして、その矢を放し、全ての宇宙に放っていく。
無数に分かれたそれは、全ての時間軸の魔法少女の元へと飛来した。
ソウルジェムが限界を迎え、絶望を抱き、周囲に呪いを振りまき始めてしまう少女たち。
願ったものとは違う、まったく違う終末。
だけど
「大丈夫――――あなたたちのその願いを、絶望でなんか終わらせないから!!!」
矢は少女たちの元へと到達し、そのソウルジェムをそっと包み込む。
魂の宝石はゆっくりと溶け、彼女たちは安堵に包まれて眠りについていく――――
「宇宙が作り変えられていく・・・・・凄い光景だね」
「あなたの思い通りには、ならないよ」
「こうなってしまうと、ボクの目的も変わるからね。もう別にかまわないさ」
キュゥべえの言葉と共に、物凄い勢いでいくつもの地球が流れて行った。
それを感慨深そうに眺めているまどか。
ふと、何かを感じて振り返ると、そこにはほむらが彼女を見ていた。
だが何か透明な壁があるようで、声はこっちに届かない。
彼女はそれを両手でたたき、まどかの元へと行こうとするが、それは微動だにもしないのだ。
「ほむらちゃん」
壁に近づくまどか。
するとくぐもってはいるが、声が聞こえてきた。
『まどか・・・なんで!!なんで自分を犠牲に・・・』
「ほむらちゃん・・・私、自分を犠牲にしたつもりないよ」
『え・・・』
涙ながらに叫ぶほむらに、まどかはにっこりと笑って答えるまどか。
背後では地球が流れて行き、その中にはほむらの繰り返した時空もある。
「私、今はっきり解ったんだ。ほむらちゃんがどれだけ頑張ったのか」
『まどか・・・・だめ・・・いかないで!!』
ほむらは手を伸ばす。
だが、どうしても壁は破れなくて。
『まどか!!こっちに来て!!今なら間に合うから!!』
「ダメだよ。こっちには誰かがいないといけないんだ。そしてそれは、この願いを叶えた私なんだ」
『そんな・・・せっかくみんな助かったのに!!!』
「うん・・・みんなには謝っといて・・・・ほむらちゃん!!」
『自分で言って!!まどか・・・まどか!!』
「じゃあね・・・・私の、最高の友達―――――」
世界の改変。
時間操作魔法を使うほむらは、その空間に干渉して「眺めることだけ」は出来ていた。
だが、それだけだ。
彼女はそのすべてを見届けて、親友と別れなければならない。
まどかは空を見る。
そこには、最後に残った魔女がいた。
まどかは願いをかなえたのだ。
それは即ち、彼女の魔女の存在もあるということ。
だが
「皆が絶望で終わらないなら、私だって絶望することなんて、ないんだ!!」
弓を引き、星々の空に座す「救済の魔女」を狙い澄ます。
そして、その一撃が魔女を貫き
宇宙は改変された。
壁を挟んで手と手を合わせ、まどかがほむらに別れを告げる。
『じゃあねほむらちゃん・・・今まで全部・・・ありがとう!!!』
「まどかーーーー!!!」
ゴォゥッッ!!!
まどかの背後から、ピンクの炎が燃え上がった。
それは空を照らし、青空を描き出す。
未来に続く空。希望の日差し。
炎は鳥のような姿を取り、それは不死鳥のように強く燃え上がり
改変を終えた世界は、一切の関係を断った。
もう、ここに干渉する者は誰もいない。
だが、その一瞬前
トンッと
まどかの足は、誰かに押されたかのように前に一歩踏み出されていた。
「え?」
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気付くと、ほむらはさっきと同じ場所にいた。
街は崩壊している。
ただ、ワルプルギスの夜だけがすっぽりといなくなっている。
崩壊しているのは、ほむらが最後にワルプルギスの夜がいたと確認している場所から、半径200メートルの範囲。
今まで侵攻してきた場所の、すべての街は元に戻っていた。
そこで、気づく。
自分は誰かに抱き着いている。
相手の腰に、しゃがみこんで
同時に、背後で声が聞こえてきた。
「ギリギリだったな、オイ」
「お前はいきなり過ぎんだよ、映司!」
「まあまあ、うまくいったんだからよかったじゃん」
チャラチャラと手でメダルをいじりながらアンクが映司に文句を言う。
遠くでは、蒔風がなのはに起こされていた。
「なるほど・・・・結局・・・全部あの子に持ってかれたってことか」
「もう!!無茶しちゃだめだよぅ!!」
その様子をセイバーと城戸が見て、まったくだと言いながら笑っている。
ほむらは、抱き着いている相手の向こうにマミやさやか、杏子の姿を見る。
さやかと杏子はニヤニヤ笑っており、マミは涙を溜めて泣いてしまっていた。
「やるねぇ」
「何やってんだい」
「よ・・・よかったわねぇ・・・暁美さん!!」
見上げる
自分が抱き着いている相手の顔を見る
そこには、彼女の親友の姿があって―――――
「にしても、あそこでセルメダル投げる機転はすごいな」
「本当に間に合ってよかった・・・・・」
あの瞬間
ワルプルギスの暴風の中から獅子が飛び出し、映司たちはビルの屋上をはっきりと見た。
「アンク!!」
「指図すんな!!!」
映司が叫び、アンクが投げる。
ピィン、とメダルの弾ける音がして、それは一直線に彼女の額へと飛んで行ったのだ。
そこに飛び込んだメダルは、彼女の願いに呼応して、ヤミーとなって実体化する。
その結果
鹿目まどかは、この世界に存在し続けることが可能となったのだ。
「まどかぁ!!」
「ほむらちゃん・・・・?あれ?うわぁっ!!」
呆気にとられてしまうまどか。
ほむらは感極まってしまい、まどかに抱き着いたまま飛び込んでしまう。
うひゃあ!?と素っ頓狂な声を上げて、まどかはそのまま倒れ込んでしまった。
それを見てさやかも飛び込み、悪乗りした杏子も圧し掛かる。
「ちょ、やめ・・・・え、なんで!?」
「いーじゃんいーじゃん!!みんなでこうやっていれるんだし!!」
「そうよ・・・本当によかったわ、鹿目さん!!」
「あんた、大した奴だよホント」
もみくちゃにされるまどか。
さやかと杏子が下り、地面に座り込んでまどかとほむらが見詰め合う。
まだ頭は混乱しているが、とりあえず、言うことはこの一言だろう。
「まどか・・・・お帰り!!」
「うん・・・・・ただいまっ!!」
世界をめぐる、銀白の翼
第五章
Over World
構成原作
「DOG DAYS」
「仮面ライダーオーズ」
「魔法少女リリカルなのは Vivid」
「魔法少女まどか☆マギカ」
二次執筆・構想
武闘鬼人
登場人物
「DOG DAYS」編
蒔風ショウ
シンク・イズミ
ミルヒオーレ・F・ビスコッティ
エクレール・マルティノッジ
ブリオッシュ・ダルキアン
ユキカゼ・パネトーネ
レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ
ティアナ・ランスター
海東大樹/仮面ライダーディエンド
火野映司/仮面ライダーオーズ
五代雄介/仮面ライダークウガ
「Vivid」編
高町ヴィヴィオ
アインハルト・ストラトス
リオ・ウェズリー
コロナ・ティミル
ミウラ・リナルディ
鉄翼刀
綺堂唯子
蒔風舜
蒔風ショウ
高町なのは
フェイト・T・ハラオウン
八神はやて
ヴィータ
シグナム
シャマル
ザフィーラ
「まどか☆マギカ」編
鉄翼刀
綺堂唯子
鹿目まどか
暁美ほむら
巴マミ
美樹さやか
佐倉杏子
火野映司/仮面ライダーオーズ
アンク
キュゥべえ
高町なのは
古手梨花
古手羽入
セイバー/アルトリア・ペンドラゴン
城戸真司/仮面ライダー
蒔風ショウ
蒔風舜
偉大なる原作者様
「DOG DAYS」都築麻紀 様
「仮面ライダーオーズ」故 石ノ森章太郎 様
東映 様
「魔法少女リリカルなのは Vivid」都築麻紀 様
藤真拓哉 様
「魔法少女まどか☆マギカ」Magica Quartet 様
過去、これまで感想・お気に入り登録をしてくださった方々にも感謝を
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「なあ・・・・」
「いいから。このままにしといてやろう」
夜は明け、雲が晴れる。
太陽が昇り、街を照らす。
その屋上では、少女たちが肩を寄せ合って眠っている。
少し横では、眠る唯子の頭を膝枕に置いて、壁に寄りかかって眠る翼刀も。
その光景を、彼らは優しそうに見る。
朝日が眩しい。
嵐は去った。
あとは、晴れ晴れとした空だけが広がっている。
穏やかに、時間は過ぎて行っていた。
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鹿目まどかは帰還する。
アンクの投げ込んだセルメダルは、彼女の巨大な願いを元に成長し「フェニックスヤミー」へと覚醒。
いくら鳥類系と言えども、それは幻獣である以上はアンクのメダルでなるはずのないヤミーであるが、その理由はわからない。
それは彼女の願いを叶え、因果の中に残ったそれは、彼女の代わりに願いを叶え続けるのだろう――――
まどかは消える。しかし、ここにいる。
また、魔法少女の契約をなし、同時にその大きな願いは彼女を魔女とさせるだけのものだ。
だがやはり、こうしてまどかは魔女化していない。
その矛盾の結果か、ワルプルギスの夜との闘いの影響は、この一帯のみに残っていた。
魔女のことを知っているのは、ここにいるメンバーのみである。
インキュベーダーは宇宙へと帰還した。
もうこの星に用はないのか、戦いが終わった後にあっさりと去って行ってしまった。
今現在に存在する魔法少女たちは、世界中にいる。
キュゥべえが帰還する前に、「EARTH」はそのリストととも言える物を出すように要求した。
それを元に、「EARTH」は全魔法少女たちに呼びかけた。
「EARTH」の目下の仕事としては、そんな彼女たちを元に戻すこと。
おそらく、すぐにでも彼女たちは自らの身体を取り戻せることになるだろう。
そんな組織の局長は、そんな未来を想像しながら
「さて・・・・一か月後には、フロニャルドで戦興行かァ・・・・」
「疲れた声出すなよ・・・」
そんな、一息ついてため息気味に漏らすのだった。
to be Next World
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