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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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613部分:第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその十二


第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその十二

「それはね。ただ」
「委員会には入られないんですね」
「その通りよ。悪いけれどね」
「そうなの。じゃあ」
「ええ、私はこのことでは貴女の真名を聞かないから」
 実にしっかりしている荀彧だった。
「だから私もね」
「真名をね」
「お互いにそうしましょう。他に何かがあればね」
「ええ、その時に」
「話して。聞かせてもらうから」
「わかったわ」
 顔良は荀彧のその言葉に微笑んで返した。
「それじゃあ。その時に」
「そうしましょう」
 顔良は駄目だった。二人はそれを話しても笑顔で言い合うのだった。文醜にとっては楽しい、顔良にとっては心地よく終わった会合だった。
 そしてこの時だ。袁術はだ。
 張勲にだ。こう話していた。
「ううむ、さっき会ったあの者じゃが」
「藤堂竜白さんですか?」
「あの者のこと、中々覚えられぬ」
 腕を組んで難しい顔で言う袁術だった。
「目立つ顔なのにのう」
「口髭で黒髪を伸ばしていて」
 張勲はこう彼の容姿について話すのだった。
「それで白い着物に赤の胸当てをしていて黒い袴ですね」
「外見は目立つのにのう」
「それでもですね。実は私も」
「七乃もか」
「はい、今一つ覚えにくいです」
 実際そうだというのであった。
「どうしても」
「何故かはわからぬがのう」
「まあとにかくですね」
「うむ」
「我が陣営にもまた一人人材が加わりましたね」
 それは間違いないというのであった。
「それはよしとしましょう」
「そうじゃな。それでなのじゃが」
「はい、それで」
「とりあえず蜂蜜水をじゃ」
 それが欲しいというのであった。
「それを飲んでから仕事じゃ」
「一杯だけですよ」
「ううむ、一杯だけか」
「飲み過ぎると後でお腹が痛くなりますよ」
 にこりと笑って怖いことを話す張勲だった。
「ですから」
「仕方ないのう。それではじゃ」
「はい、一杯飲まれてから」
「お仕事の再開ですね」
「そうしないと今は駄目じゃな」
 それは確かに話すのだった。
「南部の統治もあるからのう」
「何しろ今までさぼってたから大変ですよ」
 ここでもにこりと笑ってこんなことを言う張勲だった。
「それを埋め合わせる為に今はがんがん働いてもらわないと」
「ううむ、お化けがいたからのう」
「お化けですねえ」
「そうじゃ。あれは真に噂だったのか?」
「あれは噂でした」
 それはなのだった。
「しかしです」
「しかしとは?」
「どうやらお化け自体はいたみたいですよ」
 こんなことを話す彼女だった。
「どうやら」
「何っ、それはまことか」
「はい、辺境の地、場所はよくわかりませんが」 
 それでもだというのだ。
 
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