恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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6部分:第一話 関羽二人の少女と会うのことその六
第一話 関羽二人の少女と会うのことその六
「穏健に済むならそれでいいよ」
「はい、それでは」
「そうさせてもらいます」
「よし、頼んだよ」
こう話してだった。二人で街を出る。その時にその少女の話も聞いた。
「名前は張飛っていってね」
「張飛か」
「それで字や」
「翼徳っていうんだよ」
字も聞いた。
「これでいいかい?」
「ああ、充分だ」
「それで」
こうして二人は彼女の名前も聞いてだ。そのうえで街を出た。そうしてそのうえで家に出てだ。二人はその張飛がいる山に向かった。
その張飛は今は自分の家でもあるアジトにいた。そこは洞窟を細工したものでありそれなりに快適になっていた。その広間で子供達と共にいた。
「ねえ親分」
「これっていいですよね」
「ゆで卵も」
「それに御芋も」
「あれっ、それでも」
ここでふと男の子の一人が言ってきた。
「何で御芋あるんですかね」
「ジャガイモと薩摩芋なんて」
「何であるんでしょうね」
他の子供達もふと気付いたのだった。
「この時代あったのかな」
「さあ」
「なかったんじゃ」
「細かいことはどうでもいいのだ」
しかし張飛はかなり強引にそれはいいとした。
「とにかく美味しいのだ」
「はい、そうですよね」
「この卵も鶏肉も」
「美味しいですよね」
「そうだ、美味しければそれでいいのだ」
それでいいとする張飛だった。
「それでとにかく皆で食べるのだ」
「はい、じゃあ」
「そうしましょう」
「それで親分」
女の子の一人が言ってきた。
「もうちょっとしたら夜ですから」
「私達それで帰ります」
「また明日」
「あっ、わかったのだ」
帰ると聞いて少しだけ寂しい顔を見せた張飛だった。
「それではまた明日なのだ」
「はい、親分」
「また明日」
食べて少しお喋りをしてから帰る彼等だった。張飛は彼等を見送りお互いに手を振って別れた。張飛は一人になると寂しい顔になり部屋に戻って寝た。
その次の日。関羽とナコルルは張飛にいる山に入った。しかしそれは既に。
「来たな」
「そうね」
「あいつ等、親分をやっつけに来たんだ」
子供達は二人を物陰から見ながらあれこれと話す。
「もう罠は仕掛けたよね」
「うん、落とし穴は作ったから」
「じゃあおいらは木の上に行くから」
「御願いね」
こんなことを話してそのうえでそれぞれ散る。そうしてだった。
関羽とナコルルがある大きな木の方に来る。ここでナコルルが言った。
「関羽さん」
「わかっている」
強い顔で応える関羽だった。
「いるな」
「はい、います」
そしてだった。ここで木の上から石が飛んで来た。二人はそれをそれぞれの得物で防ぐ。
「誰だ!」
「私達のことをわかってですね」
「親分のところになんか行かせるか!」
木の枝のところから子供の声が聞こえてきた。
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