恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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574部分:第四十五話 魏延、一目惚れするのことその六
第四十五話 魏延、一目惚れするのことその六
そしてそこに、であった。
「ひえええええええええーーーーーーーーーっ!!」
「んっ、あれは」
「何だ!?」
「鳥!?いや違う」
「人だ!」
あの巨大な太った男が飛んで来てだった。
一行の方に来る。それを見てだ。
「危ない!」
「逃げろ!」
皆一斉にその場から飛び散る。そこに男が落ちたのだ。
土埃があがる。だがそれが消えた時にだ。
男は上半身を地面に突き刺してだ。足だけを出していたのだった。
「こいつまた見たのだ」
「そうね」
ミナが張飛の言葉に頷く。
「あちこちにいるわね」
「一体どういう奴なのだ?」
「この男がいるということは」
黄忠もその男を見て言う。
「後の二人もいるわね」
「あれではないのか?」
関羽が上を指差した。するとそこからだった。
残る二人も飛んで来てだ。墜落するのだった。
一行はそれもかわした。そして再び足が地面から出ることになった。
それを見てだ。月が言う。
「この人達はどうしてここに」
「そうですよね。どうしてでしょうか」
劉備も首を傾げながらだった。
「空から降って来るなんて」
「普通ないですよね」
「だから普通ではないな」
関羽がいぶかしながら述べた。
「これはな」
「そうですよね・・・・・・あっ」
ここで馬岱は足元を見て驚いたような声をあげた。
「しまった!」
「どうした?蒲公英」
「お、お団子が」
泣きそうな声で従姉に話す。
「落としちゃったのよ」
「ああ、そりゃまずったな」
「うう、折角今から食べようと思ったのに」
「残念なことだな。しかし」
趙雲も言う。
「今一番考えるべきことはだ」
「はい、この人達が飛んできたことです」
「それです」
軍師二人もこの考えだった。
「本当に普通はないですから」
「ですから」
「これは何故起こったか」
「それが問題なのですけれど」
「それは簡単なのだ」
ここで言うのは張飛だった。
「この連中は誰かにぶっ飛ばされたのだ」
「ううん、そうですね」
「多分それです」
二人の軍師もこう言うのだった。
「この人達と同じ顔の人達っていつも悪いことしてますから」
「それでまたなんでしょうね」
「それしかないのだ」
また言う張飛だった。
「だから近くにぶっ飛ばした奴がいるのだ」
「じゃあそいつね」
馬岱は張飛の話を最後まで聞いて言った。
「そいつが私のお団子を落としたのね」
「言うのはそれかよ」
馬超が従妹に突っ込みを入れる。
「何か器が小せえな」
「食べ物の恨みは恐ろしいのよ」
こう従姉に言い返す従妹だった。
「だからよ」
「まあそれはそうだけれどな」
馬超もそのことは認めた。
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