恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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559部分:第四十四話 怪物達、北にも出るのことその六
第四十四話 怪物達、北にも出るのことその六
「この連中も宜しくな」
「あんた何も思わないのか?」
「その連中を見て何も思わないのか?」
「んっ?何をだ?」
華陀だけが気付いていない。
「いい連中だぞ。空も飛べるしな」
「いや、空を飛べること自体がな」
「そもそも人間じゃないだろ」
二人の突っ込みは正論だ。しかしであった。
華陀はわかっていなかった。そしてわかっていないまま話を続けるのだった。
「それでなんだが」
「ああ、それで何で青州に来たんだ?」
「悪事を働きに来たんじゃないのはわかったけれどな」
「袁紹殿に会いたい」
こう言う華陀だった。
「それでだ」
「ああ、あの人にか」
「それで来たってことか」
「そうだ。それとだ」
華陀の言葉が続く。
「仲間も見つけた」
「仲間!?」
「仲間っていうと?」
「この人よね」
「そうよね」
出て来たのはビロードのある赤いやたらと派手な着物を着てメイクをした男だった。その男が何者かというとであった。
「天草四郎時貞さん」
「いらっしゃい」
「気付いたらこの世界にいたが」
その男天草が貂蝉と卑弥呼の言葉に応えて言う。
「ここは日本ではないな」
「そうよ、貴方が本来いる世界とは別の世界よ」
「その世界の漢なのよ」
「漢というと」
天草はその国名を聞いただけでわかった。
「古に来たのだな」
「そうよ」
「これでわかってくれたわね」
「うむ、わかった」
その通りだと頷いてみせる天草だった。
「そういうことか。私は故あってこの世界のこの国に来たのか」
「おい、やけに素直だな」
「簡単に話を受け入れたな」
「この世のあらゆるものを見てきた故」
灰人と夜血の突っ込みにもこう返す。
「受け入れられるようになった」
「それでか」
「そのせいでかよ」
「そうだ。それでだが」
天草はあらためて華陀達を見てだ。そうして言うのだった。
「私を必要としてくれているか」
「ああ、是非来てくれ」
こう返す華陀だった。
「俺達と一緒にこの世界を救おう」
「わかった。それではな」
「宜しくな」
「さあ、これでまた頼もしい仲間が増えたわよ」
「しかも凛々しいね」
貂蝉と卑弥呼も言う。
「有り難いわ」
「本当にね」
「それで袁紹殿だが」
華陀はいきなり話を元に戻してきた。
「いいか?」
「あんたはいいさ」
「そう、あんたはな」
灰色と夜血は華陀はいいとしたのだった。だが、だった。
「そっちの連中はな」
「問題外だろ」
その顔をそれぞれ思いきり顰めさせてだ。怪物達を見て言うのだった。
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