| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

550部分:第四十三話 劉備、妹達を得るのことその十一


第四十三話 劉備、妹達を得るのことその十一

「あの二人は手前勝手な正義の名の下に悪人を片っ端から捕まえて」
「そうしてですか」
「それから相手が死ぬまで強制労働と修業漬けっちゃよ」
「地獄やないか、それって」
「そうっちゃ、地獄っちゃよ」
 李典にもその通りだと返す。
「そんなのおいでもせんっちゃよ」
「そんでこの連中は今からその地獄送りや」
 張遼も言う。
「キムもジョンも強いうえに頑固やさかいなあ」
「最悪じゃねえのか?それって」
「私もそう思うの」
 馬超と于禁も言う。
「まあ悪事働いたら仕方ないけれどな」
「当然の報いなの」
「それじゃあうちはこの連中擁州に送るわ」
 張遼はここでは真面目な顔である。
「ほなな。関羽もあんじょうな」
「うむ、それではな」
「しかし。あれやな」
 張遼は帰る時に劉備を見た。そうして言うのだった。
「そこのあんた」
「私ですか?」
「あんたが水を流させたんやってな」
 言うのはこのことだった。
「やるやん」
「そうですか?」
「ああ。あんたのほほんってした感じやけど」
 それは否定できなかった。誰でもだ。
「それでも頑張ったな。よおやったわ」
「有り難うございます」
「うち月と仲良うやってるけれど」
 彼女も董卓のところに馴染んでいた。しかしそれを踏まえて話すのだった。
「それでも。あんたも好きになったで」
「えっ、私をですか」
「そや、だから頑張りや」
 満面の笑顔で劉備に話す。
「これからな」
「はい、それじゃあ」
 劉備はにこやかに笑って張遼に返す。
「私これからも」
「また会おうな。劉備ちゃん」
 最後に名前を告げて別れるのだった。こうして臥龍達強制収容所に送られ楽進達も村に向かうことになった。その時だった。
 張飛がだ。楽進達と別れるその分かれ道で寂しげに呟くのだった。
「それにしてもなのだ」
「どないしたんや?」
「劉備殿の剣は残念だったのだ」
 彼女が言うのはこのことだった。
「村は助かったけれど剣は」
「そやな。ああなったらな」
 李典がここで話すのだった。
「もう南蛮に行ってそこの水に漬けるしかないな」
「南蛮の?」
「水に?」
「そや、南蛮には五つの泉があってな」
 李典は劉備達に対して話す。
「そこに全部漬けたら。あらゆる武具が元に戻るんやで」
「それは凄いわね」
 黄忠もそれを聞いて言う。
「それで何でも元に戻るなんて」
「そやからそこ行ったらどや?」
 李典は右手の人差し指を上にやって話す。
「そないしたら剣かてな」
「そうだな。ここはな」
 関羽がその話を聞いて頷いた。
「是非そうするとしよう」
「そないしたらええわ。旅は続くけれどな」
「それは構わないわ」
 神楽がそれはいいとした。
「旅が続くのはね」
「そうなの」
「劉備さんの剣が元に戻ることを考えればね」
 こう于禁に対しても話す。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧