Re:童話姫たちの殺し合いゲーム
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序章<ツギハギ>
ジリリリ カチッ
朝がきたことを告げる目覚まし時計が鳴る
時計を止め
着替えて朝食を食べ
学校へと向かう
おはよー おはようございます
校門では沢山の生徒たちが行き交う
靴を履き替え教室へ向かう
午前授業を受け 昼飯を食べ 午後の授業を受け
教室を掃除し
でさぁ~昨日母ちゃんが~
友と雑談しながら下校する
いつも通りの日常 いつもこなすルーチンワーク
今日だっていつも通り 玄関のドアを開ければ親が出迎える
はずだった――
「…………」
「~~~~♪」
グサッ グシャ ブシャァ
臭い
鉛のような 鉄のような 嫌悪感がする臭い
血
真っ赤な 真っ黒な
血
壁 床
全てが赤い
「………」
床に転がる肉片
男 と 女 の
死体
父 と 母 の
死体
「おっかえり~お兄ちゃん♪」
ブシャァァ
母だった物
肉から剣のような長い刃物を抜くと大量の血しぶきが吹きあがった
真っ赤に染まった頭巾を被った少女は無邪気に笑う
全身に返り血を浴びた赤い頭巾の少女は無邪気に笑う
「ネェ……お兄ちゃん……アソボウ?」
赤い頭巾の少女は無邪気に笑い
持っていた剣を振り上げ
スパンッと振り下ろした
焼けるような痛み
燃えるような痛み
「アハハハハ♪」
少女の狂った笑い声
これが俺の持つ最期の記憶/記録―
「お兄……」
「ん」
「お兄ちゃ」
「んん」
「お兄ちゃーんってば!!」
「はっ!」
「あっやっと起きた~♪」
どうやら俺は眠っていたらしい…。赤い頭巾を被った少女が嬉しそうに笑っている。
ここは何処だ…? 甘ったるい吐き気を催す臭い…。
「だ、大丈夫ですか…? "ツギハギ”さん」
杖を持った少年がおどおどと話しかける。
ツギハギ……それが俺の……名前?
「お兄ちゃーん、もしかして寝ぼけてるぅ~?」
「ああ……そうかもな。まだ頭がぼんやりとしてハッキリしない…」
「えぇ!? それは困りました…」
「どうしてだ?」
「だってここは敵領地の入口ですよ? いつ敵に見つかり襲われるか……」
あわわわと少年は小さく丸まって震えている。
敵領地? 敵って誰だ?
『居たぞあそこだ!』
「アハッ"ピノキオ”がそんなこと言うからオジさんたちが来たよ♪」
下を見るとプレートアーマーの男達が数人こちら指さしなにか叫んでいる。
下…俺は今高い建物の上にいるのか。
「うぅぅ……どうしましょう」
ガタガタ震えるピノキオ。
「イーチ、ニー、サーン……イッパイだぁ♪」
敵が沢山やって来て嬉しそうな赤い頭巾の少女。
「ネェ……オジさんたち」
少女の金色の瞳が紅く光る。
「ボクと一緒にアソボウ?」
無邪気な子供のように少女は笑うと建物から一直線に飛び下り
『うわぎゃぁぁぁぁぁ!!』
『ひぃぃぃぃ!!』
あるものは頭を殴られ、頭が吹っ飛び首から血の噴水噴き出し
あるものは骨を砕かれ、人形のように弄ばれ
あるものは腹を突き抜かれ、臓器を全てエグリ出され
あるものは
『や……やめ…』
命乞いも虚しく
「えいっ♪」
『アアアアアアア!!』
生きたまま四肢をもぎ取られ、頭から真っ二つに切り裂かれた。
「アハハハッ♪」
プレートアーマー達の返り血を浴び、真っ赤に染まった赤い頭巾を被る少女は無邪気な子供の様に笑っている。
「ねぇもうお終い? もっとアソボウよ! アハッ♪」
彼女にとってこれは遊び。殺しではない。
遊んでいる過程で、遊び相手が死んでしまった。……ただそれだけの事。
「……うっぷ」
口を押さえ物陰に行くピノキオ。
人形のくせになにを吐き出すと言うのだろう。…綿でも出すのか。
人形…?
ああ……そうだ、だんだん思い出してきたぞ…。
「オエェェェェ」
物陰で吐いているのはピノキオ。"アイツ”が魂を与えた人形。
「もっと! もっと長くアソボウよー!」
『ぎぎゃあああ!!』
プレートアーマー達を虐殺して楽しんでいる
血まみれの赤い頭巾を被った少女
あの少女の名は
"赤ずきん”
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