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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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543部分:第四十三話 劉備、妹達を得るのことその四


第四十三話 劉備、妹達を得るのことその四

「マルコさん、ホンフゥさん、柳生さんは裏門です」
「うむ!」
「やるっちゃよ!」
「では我々もだな」
「蒲公英ちゃんは遊撃、雛里ちゃんは今から劉備さんと一緒に」
「泉のところね」
「そこに向かって」
 二人はそこなのだった。
「そして堤を」
「わかったわ」
 鳳統がその言葉に頷く。
「けれど私達だけじゃ」
「ええ。神楽さん、月さん」
 孔明はここで二人の名前を呼んだ。
「御二人を御願いします」
「わかったわ」
「それでは」
「最後にミナさんも櫓に御願いします」
「ええ」
 孔明は既にびしょ濡れだった。しかしそれには構わなかった。
 それは他の者達もだった。最早雨はどうでもよかった。
 そのうえでだ。それぞれ配置についてだった。戦いに向かうのだった。
 賊達は来た。二百人を超えていた。その先頭にはがっしりとした身体で白と黒の法衣の如き服を着た短い黒髪の男がいたのだった。
 賊達がその彼に対して言っていた。
「臥龍兄貴」
「今からですね」
「あの村を」
「おお、そうだ」
 臥龍は威勢のいい声で彼等の言葉に応えた。
「占領して俺達の村にするぞ」
「それで村人はどうします?」
「連中は」
「手荒な真似はするんじゃねえぞ」 
 ここでこう言う彼だった。
「絶対にな」
「それはですかい」
「村を俺達のものにするだけで」
「村人はですか」
「手荒なことはですか」
「そうよ、そうしたことはするな」
 それはくれぐれもなのだった。
「わかったな。それはな」
「まあ俺達も食えればいいですしね」
「人を殺したことはないですし」
「手荒な真似もちょっと」
 そうした意味ではだ。この者達は根っからの悪人ではなかった。
 そしてそれが臥龍も同じなのだった。とんでもなく歯が出てやけに痩せて小柄の禿げた男が横にいるが彼にも言うのであった。
「おい」
「へい兄貴」
「わかってんだろうな」
 こうその彼に声をかけるのだった。
「くれぐれもだぞ」
「悪いことはするなってんですね」
「村を手に入れたら毎日畑仕事だ」
 つまり真っ当に働くというのである。
「それはいいな」
「へい、わかってやすよ」
 子分も彼の言葉に頷く。
「それは」
「ったくよ、何でこんな世界にいきなり来たんだ」
 臥龍はここで首を捻りながらぼやいた。
「とりあえずこの連中の頭にはなったがな」
「それでも食うのって大変ですね」
「元の世界じゃそんな心配しなくてよかったんだがな」
「全くですよ」
「食うのはどうとでもなったからな」
 お世辞にも奇麗なことはしていなくてもそれでもなのだった。彼等も食べられてはいたのだ。しかしこの世界では、なのであった。
 
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