生徒会”執行部”と”捜査部” ~舞い散る桜STKとの出会い~
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11、十円と事件
前書き
※河童
川などに住む頭のてっぺんハゲの緑色の生き物。
趣味は子供たちと相撲で勝負をして負けた子供の、尻児玉を抜いてコレクションにすること。
相撲で勝ちやがった子供は川の中に引きずり込んでやるのさっ。
「…げつ」
真っ暗な世界
「…ふう」
で誰かの声がする
「……お」
でも知らない人の声
【お姉ちゃん!!】
「ッ!!?」
「ハルちゃん!」「よかった…気が付いたんだね春」
辺りをきょろきょろ見渡す。あの子を探すために。
「春? どうしたのよ、まだ寝ぼけてるの、ねぇってば」
ぺちと軽く誰かに頭を叩かれた。痛い。でもそのおかげで意識がはっきりしてきた。
さっきから私を呼んでいたのは、小林先輩と茨音さんだったみたい。
ふたりともすごく心配したんだからといいたそうな表情をしている。そんなに心配をかけるほど私…気を失っていたのかな?
「起きたか風月」
「っ」
知らない男の人が近づいて来た、とっさにその人から離れる。男の人はどこか困ったような顔をしている。…誰この人。今プールはは女子部員が占領してるはず…水泳部顧問の先生も女の先生だったはず…。
「怖がらせちゃった…かな?」
知らない男の人は苦笑い。茶髪で遊んでる髪型で目鼻立ちが整った俗に言う、イケメンという類の人。
チャラ男っぽい喋り方とか見た目とかで、春のタイプではない。…むしろ苦手/敵なタイプだ。
「カッパせんせーだからしょうがないぞ~ん」
遠くの方で女子部員たちと楽しそうに写真撮影会をしていたはずの会長がいつの間にやら春の真横に座っていた。
「こーら中原、ちゃんと河野先生って呼びなさい」
「ふぁ~い」
と言った後にボソッと小声で「ちぇ十円ハゲのくせに…」と言っていたが、河野先生には聞こえていないようだったのでこのまま黙っていよう…。
「プールであまりはしゃぎすぎるなよ? 水場は危険なんだから…わかるな?」
「ふぁ~い」「「はーい」」「…れす」
「…はい、は伸ばさない」
「「「…………」」」
河野先生ははぁと小さくため息をついたあと春たちの元を離れ、自主練習に励む蒼先輩の元へ駆け寄る。
泳ぎ終わった、蒼先輩を捕まえで何か話を始めた。河野先生は楽しそうだけど、蒼先輩は嫌そうだ。
…とゆうより河野先生の必死さがキモ怖い。色々理由を付けて逃げようする蒼先輩を何としても逃すまいと話しかけるのをやめない。
「……河野先生って」
「もしかしてハルゥ ニヤニヤ」
口に出してもう言ってしまっているけど会長、物凄いニヤニヤとキモい顔している。
「…それはないれす」
「だよね~ボクのハルゥが十円ハゲのカッパせんせーなんかにホのじな訳ないヨネー」
「はいれす。あの先生は…なんか怖い…れす」
「…え? 怖い? どこが? なんで?」
「茨音さんはなんともないれす?」
「うん…べつに…チャラい先生だなとしか…」
もしかして気のせいだった…と思ったけど、チラリと蒼先輩に視線を向けてみるとまだすったもんだやっている。
一刻も早く河野先生から逃げたい蒼先輩と逃したくない河野先生、…としか見えない。
「そんなに気になるなら明日、みんなで畑さんのところへ行きましょうか~」
「おっイイネ!」
「「…畑さん?」」
春と茨音さんが同時に首を傾げる…が「イッてからのお楽しみん」と言われ「せっかくプールに来たんだしおもいっきり楽しもうよ!」と本来のここへ来た目的を忘れた会長に引きずられプールの中へとダイブ!
バシャァァン。
諷焔学園のプールは屋内に設置されていて、夏は水それ以外の季節は温水と年中いつでも泳げる設計。
春の季節に水着でプールというのは少し抵抗があった春だったが、入ってみると意外と…
「気持ちい…かも」
「でもだからってオチッコ漏らしたらダメダーメよん」
「そんな事小学生じゃないんだからするわけないじゃないですかー。ねぇー春」
「…れす」
「うふふ~みんな仲良しさんね」
主にはしゃぎまくる会長促され渋々、いろんな遊びに参加させられてばかりだったけど…。
「こおゆうのも…たまにはいい…かも?」
「ほーら風月さんっイキますよ! 稲葉アタック!」「え?」
「ふぎゅ」
「春ーーーぅ!!!」
「「「あははっ」」」
顔面クリーンヒットしたビーチボールはすごく痛いれすが…。
【で】
次の昼休憩。春たち捜査部の面々は新聞部室で、一人の女子生徒と対面中。
「なるほど河野先生ですか。中々いいチョイスですね」
「え? そう? えへへ~」
「なんでお前が嬉しそうなんだよ」
会長たちが話している相手は、深緑色の髪のオカッパヘアで黒い死んだ魚の様な瞳の新聞部 部長 畑蘭子先輩。二年生で会長たちのクラスメイトらしい。
新聞部だけに情報命で凄腕の情報屋さんらしい。知りたい情報があればまず畑先輩に会えと言われるくらいすごい人らしい。
「見てくださいこれを」
「ん~?」
ポチポチと畑先輩がパソコンを操作し画面に映し出されているのは、【諷焔学園”裏”掲示板】というタイトルのホラーテイストな感じのサイトだった。
「うちの学園にもこんなのあるんですね」
「はぁ…これって悪口とか書くサイトだろ? 悪口を書く暇があるなら直接本人に言えばいいだろが」
さすが古賀先輩男らしくてカッコイイ。…でも世の中みんながみんな古賀先輩のように強くないのれすよ。
「結構色々書かれているんですよ」
と言いながら畑先輩が掲示板のログを下していく。
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〇月×日
愛の戦士:ヤバイ! 俺会長の落とし物拾っちゃったww
ホープ:まじ?
時雨:すげぇwwいいなーww
愛の戦士:お届けに行って! 会長の愛を俺のものに!!w
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〇月▽日
愛の戦士:※この書き込みは消去されました。
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◇月■日
ホープ:そういやさぁ
時雨:なに?
ホープ:愛の戦士最近来ないな
時雨:そうだなー
甘樂:クラスメイトだけど、学校にも来てない
ホープ:マジ?
時雨:※この書き込みは消去されました。
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その他にも会長に関わった人たちが次々と掲示板書から消えて、学校にも来なくなったという書き込みが続いていって…さらにログを下げて行くと
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+月-日
甘樂:ねぇ知ってる?
夢:なにを?
甘樂:一年くらい前に起こったお嬢様学校での事件
ベガ:ああ~あの虐められてた奴がナイフ振り回した件?
甘樂:そそw私実はその犯人の元クラスメイトでぇ
芳:まじまじ?w なにおもろそうな話w
夢:ケズイのが通りまーすw
ベガ:wwwで?
甘樂:ソイツは今……
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「駄目!」
「「「っ!!?」」」「おっとPCが」
HN甘樂氏のコメントを見ようと畑先輩がログを下げた瞬間、今まであげたことのない大きい悲鳴に近い声をあげて春は無理やりパソコンの電源を落としてしまった。
「…ぁ」
「…春?」「ごめんなさい!」
必死に何度も畑先輩に頭を下げる春。畑先輩は「壊れてないし気にしてないのでべつに良いですよ」と軽く言いながら電源を入れパソコンを立ち上げる。
春を心配そうに見つめる茨音さんと少し不審な眼差しの古賀先輩、何も気にしてなさそうな会長と
「フフフ」
どんな時でも状況でも笑顔を絶やさない小林先輩。…でも今日はその笑顔が凄く心に刺さって痛い。
続く
後書き
今回はチャラ男系イケメン先生河野先生と凄腕の情報屋畑先輩の初登場回☆
二人の事は次回深く掘り下げるとして!
裏掲示板! 一年前お嬢様学校で起きた事件! 春動揺!
ギャグモノのはずなのにちょっちシリアスな展開でドキドキw
会長に関わった人は謎の失踪を遂げる……というのも気になりますね。
色々フラグを立てるだけ立てて放置回なのでした~♪
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