生徒会”執行部”と”捜査部” ~舞い散る桜STKとの出会い~
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10、天国への階段
そして放課後
HRが終わり速攻で寮に帰宅しようとした春だったのだが、すぐに茨音さんと稲田さんの二人に両腕をがっちり捕まれ
「さっ行くわよ、春!」
「ど…どこにれす…か…私は…寮へ」
「問答無用!」
「あ~れ~」
無理やり何処かへ連行されたのだった…。
【で】
メガネっ娘ふたりに連れて来られたのはプールの傍にある女子更衣室だった。
更衣室ってプールの水の臭いはしてちょっと臭くて嫌な場所だよね…とか思いつつ
「…なんで更衣室…れす?「ほーら、着替えた着替えたっ!」
ボフッとなにか布的なものが春の顔面に直撃する。なんだろうと思ってソレを顔から取って確かめてみると
「……水着?」
まごうことなきスクールミズギ、通称スクミズだった。学園指定の春が持っているスクミズとは少し違う、水泳選手用の水着っぽい気がする。
…でもなんで水着? なんでプール横の更衣室に連れてこられた?
「春?」
茨音さんはまだ着替えずに悶々と考え込む春を見て心配そうに声をかける。
声をかけて見たがキョトンとした表情をする春を見てもしかして…と思い
「…まさか春、【ぽつり】見てないとか……ないよね?」
「…ナンレスカ、ソレハ」
「「………」」
その後少しの間重たい沈黙が流れたという…。
【で】
あとで茨音さんから聞いたのだが、【ぽつり】というのは【リアル】でいうところの【メールやT●itter】風のSNSらしい。
…リアルってなんぞ? と思ってもスルーするのが大人の優しさ。
両生徒会メンバーたちはその【ぽつり】でやり取りし合っているらしく、今回の【放課後プールへゴー事件】も会長通達で【ぽつり】に書いてあったそうだ。
知らないというのは恥ずかし/恐ろしいものだ。茨音さんにアプリをインストールしてもらい、ついでにやり方も教えてもらって春も【ぽつり】を使えるようにしてもらった。
「ありがとう…れす」
「ううん。こっちこそごめんね、気づかなくて…まさかぽつり知らなかったなんて…」
非リア充である春はSNSなんてものには一切興味がないのです。アレはリア充たちが嗜むものなのです。
【で】
ちょっとした行き違いなんか色々あったような気するけど、気にせず気を取り直して春も服を脱いで水着に着替えます。
茨音さんと稲田さんはもう着替え終わったみたいで、また言い争いを始めています。
そういえば、此処には会長と副会長さんと小林先輩の姿がありません。他の男子部委員は居ないのが当然として。
「あの…会長たちは…?」
茨音さんたちに聞いてみたら
「もう先に着替えて水泳部員の人たちに話聞いてるよー」
と答えてくれたあとまた言い争います。どうして同じメガネっ娘同士仲良く出来ないんでしょう。
「……」
やっぱり春も女の子、自然と目線がいってしまいます。
ふたりとも私よりも大きい…。ぽふぽふと叩いてみても跳ね返る弾力をを感じない…。
「……はぁ」
「…? どうしたの春」
「……グフフ」
「稲田さんキモいわよ?」
「なっキモいとはなんですか……シバさんっ」
「ムカッ、シバさん呼ぶなって~~~「先、行きまふ」
「「え……あっうん」」
ふたりの言い争いはまだまだ続きそうだったので、先にシャワーを浴びにに行くれす。あれは喧嘩するほど仲がいいと解釈でいいんれすかね?
【で】
「つめたっ」
プールのシャワーは冷たすぎるから嫌いだとブツブツ文句を心の中で呟きながら、プールサイドへやって来ると
「イイヨ~、ミンナ最高ダヨ~!」
『キャハハ』『会長~ワタシも撮って撮って~』『えぇ~アタシが先よー!』
「ダイジョウブ! ミンナ撮ってアゲルからケンカはノンノンなのだよ」
『『ハーイ!』』
きゃははうふふと盛り上がってる
「…変態がいるれす」「…変態がいるわ」
追いかけて来た茨音さんと同時に同じ言葉が口から出た。
何故か水着ではなく緑色のジャージを着た会長と水泳部員たち(妖艶の)写真撮影会が行われていた。
見なかったことにしてこのまま回れ右をして寮へ帰ろうとした春たちだったが
「おや風月くんたちも来たのだね」
「…蒼先輩」
今回の依頼人、蒼先輩に呼び止められた。そういえば、蒼先輩は水泳部だと言っていたっけ。
「どうも蒼先輩。謎の視線の調査に来ました捜査部です!」
「ありがとう、でもすまない僕のせいでなにやら面倒な事になったそうじゃないか」
あー…執行部VS捜査部の件れすね…あれは確かに傍迷惑な話れす。
「いえ大丈夫ですよ! いつか執行部をコテンパンのギッタンギッタンにしてやろうと思ってたので!」
「…茨音さん!?」
瞳をランランと輝かせてポニテが左右にブンブンッ勢いよく揺れているれす…あれは犬の尻尾的役割なのれすか…!
「あははっそうか今年は頼もしい一年が入ったものだね」
「はい! どんどん頼っちゃってくださいね、春!」
「…え?」
なぜそこで私にふる…れす? 急すぎるパスは返せません。
「あら…風月さんに…茨音さんだったかしら?」
「あ…副会長さん」
ばい~~ん。…制服という防御壁を失った兵器は水着という布切れ一枚でどう防ぐというのだ、はち切れんといわんばかりだぞアレは…ばい~~ん。
「…すごいね」「…れす」
「…? どうしたのよ…さっきからじっと見て…?」
この無自覚の凶器。世に野放しにしておいていいのでしょうか。
「あら~トモちゃんハルちゃんも来たのね~」
「「!!?」」
副会長さんは仲間を呼んだ。バインバイン。
なんてことだ、仲間を呼ばれてしまった。これでは二対(二人で)一では勝ち目がないぞ!
「い、茨音さん…」「は、ハルゥゥ……」
「…なにやってるのあの子たちは」
「うふふ。くっついて震えてるなんてカワイイんだから~」
さぁ~こっちへいっらしゃ~いと魅惑の誘いに、逃げ場を奪われ
「ふぎゅ」
またしても小林先輩の秘儀【天国への階段】をくらい気絶することになってしまった春と
「や…やめ…ふにゅう」
茨音さんなのであった――
続く
後書き
あんころ姉の魔奥義が今日も炸裂しましたねー笑
アレから逃れられる女子はこの世界には存在せぬ…たぶんw
次回からやっとこさ捜査パートが始まりまっす~☆
蒼氏が感じる謎の視線の正体とは!? そんでもってウラヤマけしからん犯人は誰なのか!?
それは…
自分にもわからんっす笑
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