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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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458部分:第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその四


第三十七話 呂布、張飛から貰うのことその四

「スカートが短いのは好きだけれど」
「いつもこれが気になるな」
「そうね。私はスカートの丈が長いけれど」
 黄忠はそれで助かっていた。
「気をつけないとね」
「呂布さんのスカートも短いけれどね」
 馬岱はスカートを見ていて話す。
「それでも見えないのかしら」
「それが困ってるです」
 陳宮はその困った顔で話す。
「恋殿は無防備なのでしょっちゅう見えてしまうです」
「それは大変なことなのだ」
 張飛もこのことには同情した。
「洒落にならないのだ」
「ところで」
 ここで趙雲が言ってきた。
「何故貴殿等がいるのだ?」
「そのことなのですか」
「そうだ、どうしてなのだ?」
 このことを陳宮に問うた。
「何故ここにいるのだ?」
「使者」
 呂布が答えてきた。
「それで来た。朝廷の使者として」
「朝廷?ああ、そうだな」
 関羽はすぐにわかった。
「貴殿は朝廷の官位も授かっていたな」
「うん」
 呂布は関羽の言葉にすぐに頷いた。
「だから」
「それでだったな。朝廷の使者もできるな」
「呂布は凄いのです」
 陳宮がその呂布の傍でまるで己のことのように誇らしげに語る。
「僅かな兵で一万の賊を征伐したのです」
「僅かって」
「どれだけで?」
「五百です。ねねも一緒だったのです」
 つまり二十倍の敵を倒したのだというのだ。
「その強さ、まさに鬼神だったのです」
「流石だな」
 関羽も唸る話だった。
「呂布、さらに腕をあげたな」
「悪い奴は許さない」
 その呂布がぽつりと呟く。
「けれど」
「けれど?」
「悔い改めたらいい」
 呂布はこうも言うのだった。
「その時はそれで」
「いいのだ?」
「そう、いい」
 また言った。
「だから確かにやっつけたけれど」
「恋殿はその賊達を赦したのです」
 また陳宮が誇らしげに話す。
「ねねは呂布殿のお優しさにも感動したのです」
「呂布はいい奴なのだ」
 張飛も笑顔でこう言った。
「このチビとは全く違うのだ」
「ねねはチビではないのです!」
「チビなのだ。どっからどう見てもチビなのだ!」
「まだ若いだけなのです。チビではないのです!」
「じゃあ子供なのだ!」
「御前に言われたくないのです!」
「ねね、落ち着く」
 その陳宮を呂布が嗜める。
「怒っても何にもならない」
「恋殿、しかし」
「お茶飲む」
 陳宮が言い返してもだった。まだ言う。
 
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