転生とらぶる
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ガンダムW
1747話
準備で色々と忙しい時間が流れ……やがて、約束の期日がやってくる。
この時代の戦争としては、色々な意味で型破りというか、本来なら有り得ない、正面から軍勢同士がぶつかるという戦い。
トレーズにとってはこれ以上ない程に望んだ戦いではあるが、それを連合軍側が受けたのも当然理由がある。
そう、小細工なしで正面からぶつかりあえば、間違いなく自分達が勝てると、そう踏んだからだろう。
その最大の理由が俺達シャドウミラーであり、それ以外にも中東連合からこちらに援軍としてやってきたサンドロックとヘビーアームズ、マグアナック隊といった戦力だ。
寧ろ自分達が不利な状況にも関わらず、正面から戦おうというのがトレーズらしいというか……自殺願望でもあるんじゃないか?
そ思ってしまうのは、俺だけではないだろう。
ウイングゼロのコックピットで待機していると、不意にオープンチャンネルでノベンタが映し出される。
『諸君、私は戦いを望まない。だが……この戦いを終える事で、地球圏にある戦いの多くがなくなる筈だ。だからこそ、諸君の力を貸して欲しい。そして、戦乱が終わりそうになっていたにも関わらず、再度戦いを、巻き起こしたトレーズ・クシュリナーダを倒し、真の平和を勝ち取って欲しい』
トレーズと比べると、どうしてもカリスマ性という一点では劣るノベンタの演説。
だが、長年連合軍という組織を率いた事による重みというのが、その言葉にはあった。
トレーズのような華やかさは存在しないが、その代わりに腹の底まで響く重低音のような……そんな演説。
それを聞いた者達は、それぞれ自分が何の為にここにいるのかを納得してしまうだろう。
それだけの力が、ノベンタの演説には含まれていた。
『出撃せよ!』
そしてノベンタの指示と共に、全機が出撃する。
周辺にあるのは、荒野。
自然豊かという訳でもなく……こういうのを何て表現するんだったか。
ペンペン草も生えてない、とか?
……てっきりトレーズ派は海岸付近を戦場に選ぶと思っていた。
何故なら、トレーズ派にはOZが開発したパイシーズとキャンサーという新型水中用MSがあるのだから。
それを考えれば、海岸線での戦いを希望してもおかしくはなかった筈だ。
だが、結果として戦場になったのは海岸線から遠い場所にあるこの荒れ地。
勿論荒れ地だからといって、トレーズ達が圧倒的に不利という訳ではない。
映像モニタで見る限り、向こうはエアリーズやトーラス以外にもリーオーをかなりの数投入してるのだから。
そして何より驚いたのは、トレーズも出陣していた事だろう。
いや、それ自体は驚くべき事ではない。
驚いたのは、トレーズが乗っていたのがトールギスⅡだった為だ。
いやまぁ、ゼクスがエピオンに乗っている以上、トレーズが乗るべき機体としてトールギスⅡというのは妥当なんだろうけど。
原作でウイングガンダム辺りを入手していれば、まだ何とかなったんだろうが……MDによるルクセンブルク基地攻撃がなかった以上、ヒイロがそちらに向かう事は当然ない訳で……まさかトレーズがリーオーとかにも乗る訳にもいかないのだろう。
特別な機体という事であれば、エピオンがあるが……こちらはまさにトレーズ派のエース専用機だ。
そう考えれば、当然エースであるゼクスが乗るのが当然だろう。
結局残るのは、自然とトールギスⅡになってしまうのだろう。
トレーズ派が有しているMSで、エピオンの次に高性能なMS。
原作通りではあるんだが……トレーズ派を率いるトレーズが乗る機体が、まさかゼクスのお下がりとはな。
実はあの機体に乗ってるのがトレーズではなく、トレーズの身代わりという可能性は……ないか。
そもそも、トレーズはMSの操縦技術に関しても一流だ。
それは、原作でMDを……それもビルゴの改修機、ビルゴⅡを相手に次々と倒していったのを見れば明らかだろう。
MDというのは、一定以下の技量のパイロットに関しては無双出来るだけの能力を持つ。
そのMDを相手に、トレーズは次々と撃破していったのだ。
間違いなくMSパイロットとしても一流と表現してもいいだろう。
……色々な意味で才能に溢れているよな。
もしトレーズが魔法を習ったりしたら、それこそすぐに自分の物に出来たりするんじゃないだろうか。
魔術の方は……魔術回路の方は生まれつきである以上、さすがにトレーズでもどうにもならないか?
意外とトレーズなら実は魔術回路がしっかりとありました、とか。普通にありそうで怖いが。
そんな事を考えている間にも、トレーズ派、連合軍、双方のMS部隊は進んでいく。
『アクセル代表、出撃をお願いします!』
サリィからの通信だが、さすがにこの状況では緊張しているのだろう。
顔が強張っているのが分かる。
……まぁ、正面切っての大決戦だと考えれば、その辺りは不思議でも何でもないんだろうが。
ともあれ、出撃命令が出た以上、雇われている傭兵団としては出撃しない訳にはいかない。
「分かった、アクセル・アルマー、ウイングゼロ、出るぞ」
その言葉と共に、ウイングゼロは地面を蹴って空を飛ぶ。
空を飛べるウイングゼロだけに、こういう時は便利だよな。
……デスサイズヘルカスタムとアルトロンガンダムは、普通に地上を移動してるし。
綾子のトールギスは空を飛んでウイングゼロを追ってきている。
既に作戦は知らせてあるので、特に通信をする必要はない。
もっとも、作戦と言っても特に何か難しい行動をする訳ではない。
俺がゼクスを、綾子がノインを抑えるので、五飛達はトレーズ派のMSと戦うだけだ。
ただ、一応連合軍でピンチになっている場所があったら積極的に介入するようには言ってある。
MDだけではなくMSも結構出ているので、パイロットの損失を出来る限り避けたい為だ。
その辺りはいざとなればカトルが指示を出すだろうから、特に心配はしていないが。
ともあれ、天使の如き翼を持つ……ある意味俺とは正反対のウイングゼロを駆りながら、戦場に向かう。
空を飛ぶMSとしてエアリーズやトーラスといった機体があるが、とてもではないがウイングゼロに追いつく事は出来ない。
スーパーバーニアを改良されているトールギスですら、ジリジリと引き離されているのだから、ウイングゼロの速度がどれ程のものなのかが分かるだろう。
そうして戦場の最前線にやってきた俺を出迎えたのは、黒い竜と呼ぶべき機体だった。
空を飛んで真っ直ぐこっちに向かって来たその機体は、次の瞬間にはMSに変形する。
エピオン……トレーズの開発したMSで、このW世界のガンダムの中でもウイングゼロに負けないだけの性能を持つ機体だ。
いや、エピオンが近接戦闘特化であるのを考えれば、その点ではウイングゼロに勝っているだろう。
……もっとも、エピオン最大の特徴にしてメインウェポンのヒートロッドは中距離武装にも匹敵するだけの性能を有しているのだが。
「久しぶりだな、ゼクス。知ってはいたが、どうやら無事にエピオンを入手出来たらしいな」
『アクセル・アルマー……よもや、異世界の存在だとはな。道理で名前を聞いたこともなかった筈だ』
へぇ。俺が魔法を使えるというのは見せたが、別にトレーズに対して異世界の存在であるというのは教えた覚えがないんだがな。
となると、どこから情報を入手したのか……まぁ、トレーズ派がどこまで浸透しているのかというのは、それこそもう考えるまでもない。
恐らくその情報を知る者の中にトレーズのシンパがいたのだろう。
もしくは、それを知っている者の近くに……か?
ともあれ、その辺りはもう予想済みではある。
「正直なところ、この世界にやってくるとは思わなかったけどな」
『……なら、私はアクセルがこの世界にやって来た事を感謝しなくては。……行くぞ!』
その言葉と共に、エピオンは一気にこちらとの間合いを詰めてくる。
手にしているのは、エピオンの動力炉のエネルギーを直接流し込んでいる、ビームサーベル。……いや、エピオンの場合はビームソードだったか。
ともあれ、近接戦闘に特化してるだけあってビームソードの一撃を迂闊に受ける事は出来ない。
勿論その一撃を食らったからといって、ウイングゼロが一撃で破壊される訳ではない。
だが、それでも向こうの方が有利である以上、こちらが不利になるのは間違いない。
それを避ける為に必要なのは……防ぐでも受けるでもなく、回避する。
ウイングバインダーを使って機体の進行方向を強引に変える。
普通の人間であれば、まず耐える事が不可能なだけのGが襲いかかるが、俺の場合は寧ろ慣れた感触だ。……いや、ニーズヘッグに比べれば物足りないとすら言える。
それだけのGを感じながら急速に反転したウイングゼロのすぐ側を、エピオンの振るったビームソードが通りすぎていく。
その一撃の隙を突き、シールドを大きく振るう。
ガンダニュウム合金製のシールドだけに、打撃武器としても一級品の威力を持つ武器だ。
だが、エピオンはその攻撃を身を屈めることで回避し、次の瞬間には再びビームソードを振るう。
胴体を上下真っ二つにするかのような、横薙ぎの一撃。
その一撃を回避しようとするも、ウイングゼロが俺の反応に応えきれない。
「ちっ!」
咄嗟に回避を諦め、右手のビームサーベルを使ってエピオンのビームソードを受け止め……そのまま受け流す。
真っ正面から力で強引に受け止めるような真似をすれば、ウイングゼロの方が不利だろう。
だが、受け止めるのではなく受け流すという方法であれば、パワー負けする事はない。
攻撃を受け流した動きのまま、両肩のマシンキャノンを放つ。
普通のMSであれば……いや、ガンダニュウム合金製のMSであっても破壊は可能な威力を持つのだが……原作のビルゴとエピオンでは、同じガンダニュウム合金ではあっても精度とかそういうのは色々と違うのだろう。
エピオンの装甲に傷を付ける事には成功したものの、それは小破にすらなっていない。
そうしてエピオンが身体を動かしたのを見た瞬間、俺は口を開く。
「加速」
精神コマンドの加速を使い、一瞬前にいた場所から後退する。
すると次の瞬間にはウイングゼロの目の前をヒートロッドが通りすぎていくのが分かった。
ゼクスにしても、今の一撃は必勝……というつもりではなかったのだろう。
それでもあっさりと回避されたのは予想外だったらしく、動きが一瞬鈍る。
それを見て、加速で間合いを取った事もあり……左手で握っていたツインバスターライフルの砲口をそちらに向ける。
瞬時に危険を察して回避するエピオンだったが、俺はそれに構わずトリガーを引く。
放たれる、巨大なビーム。
だが、そのビームは既にエピオンのいない空間を通り……その先端にいた、リーオーを10機近く纏めて消滅させた。
防ぐことすら不可能な、絶対的な威力を持った一撃。
エピオンに当たればよかったのだが、それでもリーオーを纏めて撃破したというのは、こっちにとっても有利な事なのは間違いなかった。
それが向こうにも分かったのだろう。エピオンは怒りを露わにするかのように、再びヒートロッドを振るう。
ヒートロッドというのは、文字通り熱を使った鞭だ。
……そういう意味では、SEED世界のグフイグナイテッドと同じような武器ではあるのだが……その威力は、グフイグナイテッドの物とは比べものにならない。
だが、同時に鞭だけあって使いこなすのが非常に難しい武器でもある。
その扱いにくい武器を難なく扱える辺り、ゼクスの操縦技術の高さを物語っている。
ゼクスはこのW世界でも屈指の能力を持つパイロットなのだから、それも当然なのかもしれないが。
ともあれ、こっちに向かって飛んでくるヒートロッドを、ビームサーベルで弾く。
どうやらビームサーベルで普通に防ぐことは可能らしい。
その事に安堵しながら、次に俺が放ったのは両肩のマシンキャノン……だけではなく、シールドの先端に内蔵されているウイングバルカン。
まさに弾丸の雨霰といった状況の中、それでもエピオンは次の行動に移る。
ヒートロッドを振るって、それと盾としたのだ。
それこそ新体操のリボンのように。
……何となくネギま世界の佐々木を思い出したが、そう言えば元気だろうか。
そんな事を思っている間にも、次々に放たれる弾丸はヒートロッドによって弾かれていく。
だが、そうして動いているという事は、エピオンも迂闊に次の行動には出られないという事。
ならばと、その隙を突いて動こうとした瞬間……
『アクセル代表、未知の勢力がこの戦場に接近してきます! 数は……1万機オーバー!?』
唐突に聞こえてきたサリィの悲鳴のような言葉に、俺は一旦攻撃を止めてエピオンから距離を取る。
そうしてこの戦場に現れたという未知の勢力を確認しようと、この戦場に乱入してきた機体を映像モニタに映す。
それは、まるでカブト虫のような甲虫型とでも言うべき機体であり、空を飛んでいる。
その機体を俺は知っていた。
そう、それは……
「メギロート?」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1415
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1385
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