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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0087話『清霜のお誘いチャレンジ』

 
前書き
更新します。 

 



わたし、清霜はお姉様たちを司令官がやっている畑仕事に誘おうと思っているの。
だけどまずはじめにやりそうな朝霜姉さんに話を振ってみたんだけど、

「えー……なんか嫌だなぁ」
「どうして……? 朝霜姉さん?」
「だってなんか大変そうじゃん? ……まぁ、たまには付き合ってもいいけどさ」
「そっかー……残念」

それで朝霜姉さんの勧誘は諦めて次に行くことにした。
次のターゲットはずばり長波姉さんに高波姉さん。
あの二人はだいたいいつも一緒にいるから探す手間が省けるんだよね。
それで探すこと十分くらい。
いろいろな人に行き先を聞きながら探しているとようやく二人が廊下を歩いているのを発見した。
清霜、突撃します!

「長波姉さんに高波姉さん! ちょっといい!?」

二人を呼び止めて駆け寄る。
まず長波姉さんが口を開いた。

「おー。清霜どしたー? あたし達になんか用か……?」
「長波姉様はともかくわたしにもなにかご用かも……?」
「うん。ねぇねぇねぇ! 二人とも畑仕事って興味あるかな!?」
「いきなりだな。まぁ、無くはない、かな……? 提督が最近になって料理にも手を出し始めたんでならチャーハンを作ってよって注文してるんだ。
だからチャーハンの具のネギとか作ってみたいかな……?」
「ネギかぁー……そういえば司令官の今後作る予定の野菜リストにネギもあったと思うの」

わたしがそう言うと長波姉さんは目を光らせて、

「へぇー……? 提督も本気で畑仕事にのめり込んできたか」
「よかったですね。長波姉様」
「だとすると清霜の言い回しだと提督がやっている畑仕事の勧誘に来たんだな?」
「うん、そう! それでどうかな……? 長波姉さん?」

わたしがそう言って長波姉さんに懇願するように手を合わせてお願いしたんだけど。

「うっ……清霜のお願いアピールか。無自覚でやってくるからあんまり耐性がないんだよな」
「高波もです。清霜の純粋な眼差しはさすがに堪えるかもです。どうしましょう、長波姉様……?」
「んー……そうだなぁ。まぁやってみるのもありかもしんないな。意外と楽しそうだし」
「本当!? 長波姉さん!」

それでわたしは喜ぶんだけど、

「だけど条件付きで頼みたいな。どうせ提督には無理に誘わなくてもいいとか言われてんだろ……?」

さすが長波姉さん……。司令官の事をよくわかってらっしゃる。
それでわたしは素直に頷くことにした。
そしたら、

「やっぱりなぁ。提督は優しいからあたし達の時間も優先対象にしてくれるんだよな。
ま、そんなわけだから清霜。今度いつ畑仕事をするか日付をあとで教えてくれよ。それで都合がよかったら参加してあげるから。高波もそれでいいよな?」
「長波姉様がそう言うのでしたら高波も異論はないかもです」
「うん! それでもいいよ。無理強いはよくないって司令官も言っていたもんね。だから参加したかったらいつでも来てね!」
「わかったよ」
「はいかも」
「それじゃ他の姉様達にも話をしてくるわね!」

それでわたしはまた他の姉さん達を探しに行く。
背後で長波姉さんと高波姉さんが微笑ましい笑みを浮かべていたけど、気にしなくてもいいよね。
そして次に発見したのは藤波姉さんと沖波姉さんだった。

「藤波姉さんに沖波姉さん! ちょっといいかな!?」
「ん? どした? 清ちん?」
「どうしました? 清霜さん」
「うん」

それで長波姉さん達に話した内容を二人に伝えてみた。
朝霜姉さんみたいに断られる可能性も一応考えておかないとね。
藤波姉さんと沖波姉さんは重労働は苦手な方だし。
それで少し考え込んでいる二人。
少しして、

「……ごめん、清ちん。参加したいのは山々なんだけどちょっと沖ちんと色々と今している事があるから……だからゴメン」
「ごめんね清霜さん」

そう言って藤波姉さんと沖波姉さんは手を合わせて謝ってきました。
だけどやっぱり無理強いはいけないなと思って、

「ううん。いいよ。無理強いはよくないからね」
「ホントゴメン。この埋め合わせは今度なにかするからさ」
「ごめんね……」

それで二人はわたしに謝るとそのままそそくさとどこかへと言ってしまいました。
うーん……残念だけど。だけど二人がなにをしているのか少し興味を持った感じかな……?
さて、気を取り直して次は夕雲姉さんに巻雲姉さん、風雲姉さんを勧誘してみよう。
だけどわたし的にはこの三人は誘う前から断られるのはなんとなくわかっているんだよね。
夕雲姉さんと巻雲姉さんはお料理クラブに入っているから来られなそうだし。
………ちなみに夕雲姉さんが作る専門で巻雲姉さんは食べる専門だという。
そして風雲姉さんはなにやら秋雲さんの手伝いをしているとかで手が離せなそうだし。
ドウジンシ……? とかいう絵本を作っているとかなんとか……。
まぁ聞くだけ聞いてみようかな?
それでまずは夕雲姉さんと巻雲姉さんの部屋へと言ってみた。
そして二人はちょうど部屋にいたらしく、

「清霜さん……? 夕雲と巻雲さんになにかご用……?」
「うん。ダメもとで聞きたいんだけど二人って畑仕事って興味ない……?」
「ああ。提督がやっている事ね。興味あるわぁ。あ、清霜さん、先日はお料理クラブに野菜のお裾分けをしてくれてありがとね。助かっちゃったわ」
「ううん、大丈夫だよ。司令官も夕雲姉さんとかに感謝されるのに味を占めたらしくてこれからも精力的に畑仕事をやっていくって話だよ」
「そう……。提督にはそのうち御礼をしないといけないわね」
「司令官様も律儀ですからねー。あ、巻雲は袖が汚れるんでパスかな~?」

巻雲姉さんが夕雲姉さんの膝枕の体勢でそう答えていた。
起きていたんだね……。眠っていると思ったよ。

「清霜さん」
「はい」
「残念なんだけど提督にはお料理クラブの方を優先したいと伝えてほしいのだけど、いいかしら……?」
「うん。大丈夫よ。任せて!」

それで夕雲姉さん達の部屋を後にして多分風雲姉さんは秋雲さんの部屋にいると思うんで一回扉をノックして、

「秋雲さーん。風雲姉さんはいるー?」
『いるよー……』

中からどこかどんよりとした秋雲さんの声が聞こえてきました。

「今、話は大丈夫……?」
『ごめん……今風雲は手伝いで修羅場も相まってダウンしてるから後にしてもらってもいいかな……? あたしも期限までに仕上げないといけないんだよ』

そんな、疲れ切った声で今は話は出来なさそうだと感じたわたしは、

「そっか……。頑張ってね?」
『おうー……』

そんなやり取りをして部屋を後にした。
でも風雲姉さんがダウンするとかすごいことしているんだね。
さすがに誘うのは酷かな……?
これであらかた誘い終わったけど後一人残っているんだよね。
それでいるだろう場所へと向かってみた。
お花の手入れをしている場所があるんだけど早霜姉さんは大体いつもそこで花のお世話をしているんだよね。

「早霜姉さん。ちょっといいかな……?」
「清霜さん……? どうしたの……?」
「お花の手入れのお邪魔をしちゃってごめんね」
「大丈夫よ……それでなにか用があるんでしょ? 言ってみて……」
「うん」

それで早霜姉さんにも同じ内容を伝えてみた。
きっと断られちゃうんだろうなと思っていたんだけど、

「いいわよ……」
「へ? いいの?」
「……ええ。お花の手入れもあるから少し時間を取っちゃうかもしれないけど参加させてもらうわ。私も司令官の作るお野菜は楽しみだから手伝ってみたかったのよ……」
「そっかぁ……。よかった! それじゃ今度畑仕事をするときは誘うね!」
「ええ、待っているわ……」

早霜姉さんは独特の喋りをしながらも参加してくれることになった。
うん、何名かは参加できそうで良かったよ。
司令官に伝えてこないといけないわね!
それで司令官に内容を伝えると、

「よくやった」

と言われて頭を撫でてもらった。
それがとても嬉しかったのを記憶にとどめました。


 
 

 
後書き
着々と参加者は増えていきますね。
これからの畑描写が賑やかになりそうです。



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