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詩集「Variationen」

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Good-bye



硝子越しに光るライト
寂し気に揺らぐ煙草の
細く広がる模様は
モノクロのステンドグラス

哀しみの色に染まるワイン
乾いた唇の上に
そっとグラスを傾けながら
誰かの帰りを待ち続ける

溜め息を隠す音楽は
無意味な時を彷徨うだけで
想い心にこだまする

いつかきっと思い出す
あの頃の夢の続きを
願うだけでは駄目なのだけど
祈る心持ち続けたい

忘れることなどありえないけど
君は二度と戻らない
暗い夜空に星は瞬き
流れる涙ぬぐい去る

もう戻れない古い記憶(ページ)の
君の手のように
いつまでも…

君に会えて良かったと
そう思える恋だった
いつまでも続く一人の夜に
懐かしいワインをグラスに注ぐ
月はいつも見ているばかりで
青白いライトを照らすだけ
けれど今はあの時のように
淡い月にグラスを翳す


―Good-bye,my friend.―


 
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