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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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405部分:第三十三話 孫策、山越を討つのことその一


第三十三話 孫策、山越を討つのことその一

             第三十三話  孫策、山越を討つのこと
 孫策は建業を発った。その時にだ。
「じゃあ留守番御願いね」
「はい」
「それでは」 
 張昭と張紘が彼女の言葉に応える。
「留守はお任せ下さい」
「ではこれよりですね」
「ええ、今度こそ山越を討つわ」
 孫策のその顔が強いものになる。
「そして山越を討てばね」
「その功績で朝廷より交州の牧の座も貰えるでしょう」
「ですから」
「ええ、何としてもね。後は」
 孫策は今度は孫尚香を見る。彼女は二張の間にいる。
「小蓮も御願いね」
「はい、無論です」
「小蓮様は我々が御護りします」
「何で私も出陣しないのよ」
 孫尚香はこのことが不満で仕方がないらしく腕を組んでむくれた顔になっている。
「私だって孫家の娘なのに」
「小蓮様、我儘はいけません」
「その通りです」
 早速二人に怒られる。
「留守役は大事なのですよ」
「それにです。御政務もありますし」
「わかってるわよ」
 むくれた顔のまま返す孫尚香だった。
「そんなことは」
「はい、それでしたら」
「早速政務に」
「ええっ、もうなの!?」
 孫尚香は政務と聞いて困った顔になった。
「私政務嫌いなのに」
「ですから孫家の方ならです」
「御政務は必ずしなければなりません」
「うう、何でこうなるのよ」
「ふふふ、大喬と小喬も残しておくから」
 二人も置くというのだった。
「それじゃあね」
「姉様、早く帰って来てね」
 孫尚香は長姉にこうも話した。
「御願いよ」
「わかってるわ。じゃあね」
「蓮華姉様もね」
 孫尚香は孫権に言うことも忘れていなかった。
「絶対によ」
「わかっているわ。それで孫尚香」
「何?」
「貴女も無茶をしたら駄目よ」
 孫権はこう妹に言った。
「いつもみたいにお転婆は慎みなさい」
「うう、姉様までそう言うの」
「遊びたい年頃なのはわかるけれど」
 こうも言う次姉だった。
「それでもよ。出来るだけ静かにしていなさい」
「わかったわよ。じゃあ弓の稽古だけにしておくわ」
「政務も忘れないようにね」
「わかってるわよ」
「まあ蓮華、戒めはこれ位にしてね」
 孫策は孫権に顔を向けて微笑んで述べた。
「行きましょう」
「ええ、姉様」
 孫権は微笑んで姉の言葉に応えた。
「それでは」
「貴女も出陣は久し振りだったわね」
「あの時は母様がおられたけれど」
「懐かしいわね。その時が」
「はい。ですが今はです」
「私達がやるのよ」
 孫策がこう妹に返す。
「だからいざ」
「山越に」
 こう話してであった。孫策は軍を率いて南下する。川を船で下りそうしてだ。一路山越に向かうのだった。
 
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