恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
404部分:第三十二話 孔明、妹を得るのことその十三
第三十二話 孔明、妹を得るのことその十三
二人の背中を流す。他の面々も出て来た。
「愛紗も身体を洗うのだ?」
「うむ、そうだな」
関羽は張飛に対して微笑んで返す。
「鈴々、背中を流すぞ」
「鈴々は愛紗の前を洗うのだ」
「いや、それはいい」
関羽は顔を赤らめさせてそれで張飛の申し出を断った。
「前は自分で洗う」
「そうなのだ」
「では私はだ」
趙雲は妖しい笑みを浮かべて馬超に後ろから囁いてきた。
「私自身の身体を使って翠の身体を洗うとするか」
「おい、それやったら完全にまずいだろ」
馬超は顔を真っ赤にさせて言い返す。
「だから御前何で最近あたしにばっかり来るんだ!?」
「気のせいだ」
「気のせいじゃないだろ」
「じゃあ私が洗おうか?」
馬岱は趙雲の援護に出て来た。
「お姉様の身体」
「いいよ、自分で洗うからさ」
「そうなんだ」
「では私は蒲公英の身体を洗うとするか」
趙雲の矛先は馬岱に向かった。
「そうするか」
「御願いします、星さん」
「あら、何か妖しい感じね」
黄忠は自分の身体は自分で洗っている。
「皆何か」
「そうね。どうにもね」
「おかしな感じね」
神楽とミナも話す。二人はまだ湯舟の中にいる。
「それでもね」
「今はこれでいいわね」
「はわわ、これでいいんですか?」
「物凄い状況なんですけれど」
孔明と鳳統は今の状況に赤面することしきりだった。
「それにしても皆さん」
「物凄く奇麗です」
全員髪を解きその上で身体を洗っている。それがとても奇麗だった。
そしてだった。二人はそれぞれ顔を見合わせてだ。こう話すのだった。
「凄過ぎよね」
「本当に」
何時しか意気投合していた。そしてこの日は二人で同じベッドで休んだ。その次の日だった。
「私もですか」
「ええ、卒業よ」
先生が笑顔で鳳統に話す。
「だからね」
「だからですか」
「ええ。劉備さんと一緒に旅をしなさい」
そうしろというのである。
「それにね」
「それにですか」
「そうよ。仕官しなさい」
それもなのだった。
「いいわね、それで」
「仕官ですか」
鳳統にとってはまだ先のことだった。しかしである。
今先生に言われてだ。それを確かなものに感じたのだ。
そしてだ。左隣にいる孔明に顔を向けてだ。先生に話した。
「じゃあ朱里ちゃんとずっと」
「そうよ、ずっと一緒よ」
先生は微笑んで答えた。
「ずっとね」
「わかりました。それじゃあ」
「雛里ちゃん、これからも宜しくね」
孔明は笑顔で鳳統に対して応えた。
「頑張ろうね」
「うん、雛里ちゃん」
「あら、二人共」
ここで先生が笑顔で言った。
「もう真名で呼び合うようになったのね」
「あっ、そういえば」
「そうだな」
劉備と関羽もここで気付いた。
「仲良くなったのね」
「よかったな」
「あっ、確かに」
「そういえば」
二人は言ってから気付いた。
「じゃあ私達これからも」
「ずっと一緒ね」
二人で笑顔で言い合ってだ。にこりと微笑む。鳳統もまた屋敷を出ることになった。そうしてそのうえで彼女も運命の中に入るのであった。
第三十二話 完
2010・9・16
ページ上へ戻る