恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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375部分:第三十話 典韋、曹操に試されるのことその七
第三十話 典韋、曹操に試されるのことその七
「あっち側多いのだ」
「そうよね。何かはじめて見る人も多いし」
「増え過ぎではないのか?」
張飛と馬岱、趙雲がその客将達を見て言う。
「向こう側の人間ってあんなにいるのだ」
「あの人が覇王丸さんかな」
「ナコルルの言っていたあの御仁か」
「おっ、あんた達ナコルルを知ってるのか」
その覇王丸が自分の席から彼女達に言ってきた。
「へえ、そりゃまた奇遇だね」
「何か凄く豪快そうな人ですね」
孔明がその覇王丸を見て言う。
「剣の腕もかなりですね」
「おっ、わかるか」
「私は武芸の心得はないですけれど」
「それでもわかるか」
「はい、その気配で」
わかるというのである。
「他の皆さんもですね」
「うむ、皆それぞれ一風変わった者達だが」
夏侯惇が微笑んで彼女達に話す。
「いい連中だぞ」
「そうなのか。それはこっちと同じだな」
「そうだ、馬超」
夏侯惇は今度は馬超に対して微笑みを向けた。
「貴殿も元気そうで何よりだ」
「夏侯淵から話は聞いてるぜ」
「よし、それじゃあ後で槍を交えるか?」
「楽しみにしているぞ」
こんな話をする二人であった。そしてだ。
荀彧も言うのだった。
「そういえばこの面々が来てから男とも普通に話すようになったのよね」
「それは物凄い変化ではないかしら」
「そうよね」
曹仁と曹洪がそんな荀彧の言葉を聞いて話す。
「随分変わったわね」
「確かに」
「十兵衛さんはお酒より甘いものが好きなのが残念だけれど」
無類の酒好きである荀彧らしい言葉だった。
「覇王丸はお酒大好きだし。それに」
「それに?」
「さらに?」
「あんな話聞いたらね。どうしても嫌いになれないわよ」
「おしずさんのことですね」
「あれはちょっと凄いです」
郭嘉と程昱が言う。
「そこまで剣の道を求められるとは」
「覇王丸さんは漢ですね」
「そこまで突き進むのなら何処までも突き進めばいいのよ」
荀彧はこんなことも言った。
「全く。おしずさんが可哀想よ」
「しかし覇王丸さんは嫌いじゃないのね」
「大嫌いよ」
許緒にこう返す。
「大嫌いだから。つい話を聞いてやりたくなるのよ」
「こう言って最近他の世界から来た面々と飲んでるからな、こ奴は」
夏侯惇がいささか呆れながら言う。
「人は変われば変わるものだ」
「姉者も覇王丸達とよく飲むな」
「正直嫌いじゃない」
こう言ってであった。
「だからだ。共にいる」
「そうか。実は私もだしな」
「秋蘭もよく飲むな、最近」
「うむ、ズィーガー殿の騎士道は勉強になる」
こんな話をしながら曹操を待つ。その曹操が黒いマントを羽織って来た。
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