恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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374部分:第三十話 典韋、曹操に試されるのことその六
第三十話 典韋、曹操に試されるのことその六
「そんなお姉さんが大好きなんだね」
「う、うむ」
馬岱の言葉に頬を赤らめさせる。
「姉妹だからな」
「そうですよね。姉妹っていいですよね」
孔明もここで笑顔になる。
「私もお姉ちゃんがいますから」
「揚州の諸葛勤さんね」
黄忠が言う。
「また会えるといいわね」
「はい、その時を楽しみにしています」
そんな話を聞いてだった。神楽はふと呟いた。
「そうね。姉さんだって」
だがこの言葉は誰にも聞こえなかった。何はともあれその次の日だった。
曹操はだ。昨日会った人材とまた会っていた。彼等は。
一人は覆面をした忍者、一人は頭に頭巾のある上半身裸の男だ。
三人目は顎鬚を生やした赤いスーツに白いズボンの端整な男、最後の一人は太って家鴨を連れた青年だ。その四人であった。
「如月影二に不破刃」
曹操は彼等の名前を呼んでいく。
「それにカーマン=コールに王覚山ね」
「それに私達もよ」
「遅れてすまん」
紫と白のアラビアの服に曲がった刀を持った美女、それとやたらと大きな禍々しさを感じさせる男、その二人も来たのであった、
「シンクレアよ」
「ワイラーだ」
「ええ、覚えてるわ」
曹操は悠然と笑って二人にも言葉を返した。
「ちゃんとね。安心して」
「そう、それならね」
「いい」
「それでだけれど」
ここであらためて言う曹操だった。
「貴方達もどうかしら」
「どうかとは」
影二が曹操の言葉に応える。
「何かあるのか」
「これから私が料理を作るのだけれど」
「料理をか」
「貴方達も食べるかしら」
こう言うのであった。
「それはどうかしら」
「いや、拙者はいい」
影二が最初に断った。
「貴殿の料理となるとかなり豪奢なものだな」
「腕によりをかけて作るわよ」
「拙者はそうしたものは食べぬ」
「じゃあ何を食べるの?」
「保存のきくもの、腐りにくいものがいい」
これが彼の言葉だった。
「だから馳走や美食といったものは合わぬ」
「貴方、凄い人生を歩んできたみたいね」
曹操にもそのことはわかった。
「まあいいわ。食べたくないのならそれはいいわ」
「済まぬ」
「謝らなくてもいいわ。無理強いはしないから」
だからいいというのである。
「けれど他の人はどうかしら」
「よかったらな」
「是非」
「御相伴に」
「御願いします」
「わかったわ。それじゃあ今回は量も奮発してね」
曹操は目を細めさせて言うのだった。
「腕によりをかけるわよ」
こうしてだった。曹操は料理を作ることにした。そしてその宴席ではだ。曹操側の家臣達と客将達が横一列に並んでいる。客将達の数がかなり多い。
そしてもう一方には劉備達がいる。こちらは九人だ。
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