転生とらぶる
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ガンダムW
1736話
次々に敵が撃破されていくのを見ながら、周囲を一瞥する。
アハトが取った戦略は、決して悪いものではなかった。
……まぁ、原作でも色々と小細工をしたりしていたし、決して無能という訳ではないんだろう。
だが、原作ではゼクスやガンダムのパイロット、そしてこの歴史では俺を含めたシャドウミラー。
明らかに、相手が悪かったとしか言えないだろう。
俺達以外の……それこそ、普通の敵を相手にするのであれば、この戦術はかなり有効だった筈だ。
もっとも、それはあくまでも俺達がD-120コロニーを攻撃しないというのを前提にしてのものなのだが。
もし俺達が本当に追い詰められて、その上でD-120コロニーを破壊してでも敵を倒す事を優先した場合、アハトの戦術は崩れる。
向こうもその辺りは考えていたのだろうが……
「結局、俺達を甘く見たのが原因だな!」
振るわれるビームサーベルが、トーラスの胴体を上下二つに分断する。
続けて、肩に装備しているマシンキャノンを使って少し離れた位置からこちらにトーラスカノンを発射しようとしていたトーラスを撃破する。
その2機を最後に、俺の周囲にいる敵の姿は完全に消えた。
「こちらアクセルだ。周囲にいる敵は全滅させた。お前達はどうだ?」
『こちら綾子。周囲にいたMDは全滅。ただ……指揮を執っていたMSが降伏してきたんだけど、どうする?』
『あー……こちらデュオ。俺の方も同様に降伏を申し出ている奴がいる』
『ふん、こちらも同様にだ』
「……全員か?」
呟き、周囲を見回す。
そこにあるのは、トーラスの残骸だけだ。
こうして見る限り、こちらに降伏を申し出ている機体はいない。
……あれ? 何で俺のところだけ?
そう考えるも、すぐに理由ははっきりとする。
そもそもの話、降伏を申し出るという事は生きていなければならない。
つまり、降伏を申し出るよりも前に撃墜されてしまえば、それは当然死んでしまうだろう。
ましてや、ここは宇宙なのだから。
それを示す証拠として、俺のステータスにある撃墜数が3上がっている。
この撃墜数は、MDのような無人機を撃破しても上がらない。
あくまでも、相手の命を奪って始めて数値が上昇する。
つまり、ここにいた有人機は、俺がMDと戦っている時に巻き添えになって死んでしまったと、そういう事なのだろう。
「ま、降伏するって言うなら連れて行った方がいい……んじゃないか? どう思う?」
ピースミリオンのブリッジに通信を繋げ、その艦長をしている凛に尋ねる。
凛はピースミリオンの艦長であると同寺に、シャドウミラーの事務職でもある。
つまり、連合軍との交渉を一手に任されている訳だ。
そんな凛だけに、捕らえたトレーズ派の兵士は格好の交渉材料の1つだろう。
ましてや、捕らえた兵士はただの兵士ではない。MSパイロットだ。
言うまでもなく、MSパイロットというのは軍の中でも特別な存在となる。
一人前になるまで育てるのに掛かったコストは、かなりのものの筈だ。
最近はMDが増えてきたので、相対的に価値は下がっているのだが……これがトレーズ派となれば、話は違ってくる。
基本的にMDを好まないトレーズだけに、MSパイロットを運用する。
……まぁ、こうしてアハトやレディ・アンのようにMDを使ったりする奴もいるのだが。
ともあれ、そんな訳でトレーズ派にとって……そしてトレーズ派と戦っている連合軍にとって、MSパイロットの価値は高い。
凛にとっては、これ以上ない程の交渉材料となる。
降伏してきたパイロット達は、アハトが連れてきたトレーズ派の兵士もいるだろうが、D-120コロニーに所属していた者もいるだろう。
そういう奴にとっては、これからの人生、色々な面で最悪と呼ぶに相応しい事になるだろうが……まぁ、それは自業自得というべきものだろう。
そもそも、連合軍を裏切らなければこのような事にはならなかったのだから。
自分でその選択肢を選んだ以上、後悔してもそれは当然の事だった。
『そうね。取りあえず連れてきて貰える? ああ、当然武装解除はした上でね。下手にピースミリオンの中で自爆されたりしたらたまったもんじゃないし』
凛も交渉材料としてはきちんと判断してるのか、そう告げてくる。
にしても……自爆か。
だよな。向こうにとって、そういう手段は普通に有り得る。
正面から戦っても俺達に勝てない以上、そうなれば向こうが出来るのは搦め手となる。
で、降伏した結果、ピースミリオンの内部で自爆というのは……まぁ、普通に考えて、かなり有効な手段なのは間違いないよな。
シャドウミラーの本拠地である以上、それが破壊されればこれからのシャドウミラーの活動には多大な被害が出るのだから。
「だ、そうだ。MSに自爆機能とかは、あっても不思議じゃないしな」
実際、ガンダムには自爆機能がついている。
ウイングゼロにも、一応自爆機能はついていた。
……まぁ、ウイングゼロが自爆するような事になるとは、到底思えないんだが。
それにウイングゼロの場合、パイロットが俺なので自爆してもパイロットは普通に生き残る事が出来るんだよな。
とにかく、念の為にMSから下ろしてピースミリオンに運ぶように指示を出すと、全員がそれに従って行動に移す。
うん、こうなると俺が敵を全滅させたのは良かったかもしれないな。
単純に面倒臭い事をしなくても良かったというだけだが。
「それで、凛。D-120コロニーの方はどうなっている?」
『ああ、それね。アハトだったかしら。向こうの司令官は既に脱出して、向こうに捕らえられていた連合軍の軍人がD-120コロニーを取り戻したそうよ』
「あー……なるほど、うん」
向こうにとっても、連合軍の人員全てをトレーズ派に出来た訳ではない。
そうなると、裏切る可能性がある戦力を使うのも難しい以上、捕らえておくというのが最善の方法か。
後腐れがないようにとなれば、それこそトレーズ派にならない奴は全員殺してしまえば手っ取り早いんだが……幾らトレーズ派に内応していたからといって、連合軍の兵士も少し前まで自分達と一緒に行動していた相手を殺すような真似は出来ないだろう。
まぁ、アハト辺りなら纏めて殺しそうな性格をしているが……もし実際に殺していた場合、トレーズ派の兵士達はアハトを疑惑の目で見る事になる筈だ。
それを避けたかったのか?
どのみち、俺達にとっては運が良かったと言えるけど。
ただ、中にはアハトに協力していたのが、アハトが負けそうになっているのを見て慌てて裏切った……という者もいるのは間違いない。
「その辺りは連合軍の方にしっかりと確認する必要があるだろうな」
『うん? 何が?』
「いや、何でもない。それよりアハトが脱出したって話だったが、その追撃はどうなっているんだ?」
有能か無能かで言えば、アハトは有能なのは間違いない。
勿論ゼクスやノインに並ぶ程……って訳じゃなく、あくまでもある程度だけの有能さと呼ぶべきだろうが。
『残念だけど、追撃は完全とは言えないわね。現在D-120コロニーの中ではまだトレーズ派が抵抗している場所もあるらしいから、まずはそっちをどうにかするべく行動してると聞いてるわ』
「……なるほど」
まぁ、ここが地球ならまだしも、宇宙だ。そしてコロニーの中だ。
そうである以上、下手に爆発……自爆テロでもされようものなら、コロニー全体に被害が及ぶ可能性もある。
勿論コロニーは元々その辺りを重視した作りになっているし、ましてやこのD-120コロニーは連合宇宙軍の本拠地だ。
戦闘やテロがあった場合でも、そう簡単にどうにかなる作りをしている訳がない。
そうでもなければ、コロニーを連合宇宙軍の本拠地とするような真似は出来ないだろう。
それこそ、月基地辺りを本拠地にすればいい。
もっとも、月基地からでは各種コロニーに向かうのに時間が掛かるという事で、このD-120コロニーが連合宇宙軍の本拠地として作られた訳だが。
『で、連合軍の方から、コロニーの中に入るまで護衛をして欲しいそうよ』
「分かった」
まぁ、アハトにあっさりと占領されてしまったコロニーだ。トレーズに内応していた隠れトレーズ派の兵士もそれなりにいた。
そう思えば、念には念を入れてもおかしくはない、か。
にしても、今まで散々トレーズ派やらOZに内通している人物やらの摘発はやってきた筈なんだが、よく生き残っていたな。
そんな疑問を抱くも、よく考えればトレーズ派……以前のトレーズ派は、あくまでも自称トレーズ派であって、名前に使われていたトレーズは特に関与していなかった組織だ。
それに比べると、今のトレーズ派はきちんとしたトレーズ派であって、本物のトレーズが関係している。
やっぱり自称と本物の違いは色々と大きいという事だろう。
「全員参加か?」
『そうね……出来れば何機かはこっちに残して欲しいわ。ヒルデ以外にも』
今回の戦いにも、一応ヒルデは参加していた。
もっとも、ヒルデがやっていたのはいつものようにピースミリオンの護衛だったが。
何機かのMDがピースミリオンに向かったが、ピースミリオンが装備している無数のビーム砲により、MDを撃破する事には成功している。
どっちかと言えば、ヒルデが逃げ回って……いや、この言い方は少し格好悪いな。
囮となってMDをピースミリオンのビーム砲の射程範囲内に誘き寄せて、撃破したというのが正しい。
これがトーラスだったから何とかなった、ビルゴが相手であればピースミリオンのビーム砲はバリアで防がれていただろう。
ピースミリオンのビーム砲は前方に大量に装備されてはいるが、その威力は決して高くはない。
少なくても、ウイングゼロのツインバスターライフルのようにバリア諸共にビルゴを撃破する……といった真似はまず不可能だろう。
そもそもの話、ピースミリオンはどちらかと言えば空母的な能力に特化した艦だ。
HLVのようなMSを数機積み込めるような降下ポッドを普通に収容出来るというのを考えれば、それは明らかだろう。
……純粋に軍艦や移動基地としての能力で考えれば、ピースミリオンと同様の大きさを持つバルジやリーブラとはかなり戦闘力が低いと言える。
だが、それでも生活環境という一点においては、それらを上回る。
それに戦闘力に関しても、シャドウミラーのMSを搭載していると考えればそこまで問題になるような事じゃないし。
「そうだな、なら綾子と……五飛、お前も行くか?」
『当然だ』
俺の言葉に、五飛は即座に頷きを返す。
まぁ、五飛の性格を考えれば、ピースミリオンの護衛とD-120コロニーに向かうノベンタ達の護衛のどちらがいいのかと言えば、後者なのだろう。
それと、もしかしてだがデュオに気を使ったとか?
ヒルデと2人きりにしてやるといった風に。
……実際、ここのところは色々と忙しかったしな。
いや、俺達は財団派との最終決戦の時に地上に降下してからバカンスを楽しんだりしてたけど。
その間も、ヒルデはピースミリオンの護衛として活動していた筈だ。
そう考えれば、デュオとヒルデの2人の時間を……と思っても不思議ではないだろう。
デュオとヒルデはまだキスだけの関係らしいし、この辺で一気に進展して欲しいところだ。
……ああ、でもまだ15歳だと考えれば、少し早いのか?
「そんな訳で、デュオはここでヒルデと一緒に甘い時間を堪能してくれ」
『おい! いきなり何を言ってるんだよ! 何がどうしてそうなった!?』
俺の通信に、デュオは顔を赤くして怒鳴る。
さて、その顔が赤くなっている理由は、怒りか……それとも照れか?
どちらにせよ、こちらとしてはそれなりに面白い事になりそうだから構わないのだが。
「最近ヒルデと一緒の時間を取れなかっただろ? デート……って訳じゃないけど、今くらいはゆっくりするといい。護衛という名目だけど、今の状況でピースミリオンに向かって攻撃をしてくるような奴はいないだろうし」
戦闘力という意味ではバルジやリーブラに数段劣っているピースミリオンだが、レーダーとかのそっち系は決して能力が低い訳ではない。
寧ろステルスを装備している関係上、勝っていると言ってもいいだろう。
だからこそ、秘密裏に近付いてきて自爆攻撃とかをしようと考えても、その前にレーダーで見つかる可能性の方が高い。
だからこそ、護衛という名目ではあっても実際には休憩と同じような意味となる。
……まぁ、本当にいざという時は行動しなければならないので、完全に休憩という意味ではないのだが。
ましてや、いわゆる2時間の『御休憩』でもないのは、言うまでもない。
そう告げると、デュオは再び顔を真っ赤にしながら叫ぶのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1345
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1371
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