恋姫、普通に考えた強キャラ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
にわー
彼はマリオカートで死んだあとに神様と名乗る人に新しい人生を貰える事になる。転生するのはだいぶ昔の中国みたいな場所と聞いた。
彼の昔の中国と聞いて出てきたイメージは、三国時代と封神演義、ゲームとか漫画の知識しかない。
頭に浮かんだのは力こそ正義なヒャッハーがばっこする世紀末、ご近所の村が賊に襲われて滅びたとか日常会話に普通にありそうと想像。
領主が無能か悪徳だと真面目に働いても飢え死にしてるとか?もし偉い一族に産まれて高い地位になっても、状況次第で一族皆殺しとか有りそう。ガチな弱肉強食が罷り通ってるイメージ。
そんな所に神様と名乗るお人に転生させてくれると聞かされる。神様に希望を聞かれた。
速攻で転生場所の変更を希望、
転生先の変更以外の希望が無いか聞かれたので、彼は少し考えて健康的で強い体が欲しいですと頼む。何にしても肉体が資本な時代と思い。
最大限に配慮します。それとオマケもつけますよ。とOKして貰える。…彼はこの時は普通に願いを叶えてくれると思ってた。
気付くと胎児から開始。
新しい母のお腹の中。
神様が突然妊娠とか新しい母親が不倫疑われそうな事をしてくれやがる。幸い後から聞くと夫婦仲が悪くならなかったそう。疑うとか欠片も無かったそう。
つまり思い当たるふしがあったと言う事だろうか。親のそんな話は知りたくなかっただろう。
彼が再び産まれてからの話、だいぶ飛ばして現在の年齢はピチピチな少年期、病気もなく無事に育つ。本当に立派で健康的な身体も貰えていた。
本人は此処まで立派でなくても良かったと思う。
産まれてから一度も病気とか"怪我"を一切しない健康的な身体。岩にぶつかったら岩が砕けるぐらいに頑丈。走る早さも普通に馬を追い抜く。力は鉄を普通に曲げる。
身の丈は昔の中国風に言うなら
9尺から10尺ぐらい。
※一尺、凡そ23㎝。
重さ…7石ぐらい。
※一石、凡そ26キログラム。
なんというか顔面は北○の拳に出て来そうな濃い顔。
なんというか周りと一人だけ画風が違う。
なんというか悪党面。
家族以外からは無茶孤立。
転生して十年のある日の事、一番構ってくれていた姉が就職活動に出ることに成る。それについてく彼はシスコンか。
姉を背負いととある領を目指してると……彼は痴女に襲われました。
「お、弟?」
趙子龍は唖然とする。
若く見ても30代の大男の事を弟と言った相手は、某地球で言えば小学生でも通じそうな猫耳フードな少女
弟とは年下の意
「そうよ!この子は私の弟よ!
私の目が黒い内は痴女になんて襲わせないわよ!」
拐われたと思っていた少女が賊としか思えない巨漢の男の前に庇うよう立ち憤慨。サイズ差が倍はあるのに自身の弟だと言う。見た目から言えば大分違うが親子と言われた方がまだ説得力が有るだろう。
趙子龍達は少女の事を賊の巨漢に拐われた少女と考えていた。しかし目覚めた少女は巨漢の男を弟と呼んでいる。オマケに痴女と呼ばれた。
痴女は無視するとして、少女の反応からして誘拐や人拐いの類いの関係には見えない。少女の敵意は大男でなく痴女もとい趙子龍に向けられている。
つまり襲撃したのは……
「す、スマナイ!人拐いかと、私の勘違いだった」
本気で殺ろうとした趙子龍は男に頭を下げる。
謝罪を聞いて少女は目をさらに吊り上げた。
少女は弟の大きく暖かな背で寝ていたのに目覚めたのは硬い土の上、不機嫌に目覚めた。目覚めて見たのは弟の前で発情した白い服の痴女。痴女が可愛い弟を誘惑してるのだと考え即怒鳴った。
ただ謝罪からして目の前の白い痴女は何やらそれ以上の事をしてそうだ。
「ねぇ……ちゃんとなにをしたか話してもらえる?
ああ、先に名乗っとく方がいいかしら。私は荀彧、弟は荀粛よ」
「私は……趙子龍という」
「たしか昇り龍とか言われてる人ね?
…そんな人が私の弟に何をしたのかしらね?」
「それは……そのですな…」
話を聞けば弟を荀彧を拐う賊と勘違いして痴女(趙子龍)が襲った。
更に痴女は何を考えたのか自身が負けたら身体を好きにして良いとスケベな提案。此方は大男の懇願する様な目を見られ、さらに趙子龍としても自分から言いたい事でないので隠す。
「へぇー……私の可愛い弟が人拐いに見えて襲ったんだ」
「本当に申し訳ない」
荀彧の不吉な声色の混ざった声に、武人である趙子龍が言い様の無い危険を感じる。そんな事がなくても趙子龍は自分が全面的に悪いので頭を下げた。
荀彧は冷たい目で見下ろしていたが、突然に矛先を変えた。
「…………そう言えば金桂?」
ビクッ!
先程から自分は木だと言いたげに一言も喋らなかった大男は姉の声に震える。姉が微笑んだ目を向けると見た目から判るほどにガタガタと震えた。
「ねぇ?襲われたのよね?
ならなんでこの痴女は倒してないの?襲われておいて胸が大きい相手だからって手を抜いたわね?」
胸と言う単語に羨、怨根が込められていたのは気のせいだろうか。荀彧の胸は某蜂蜜好きな幼女と比べるぐらいだと言おうか。
「そ、その手強くてです」
大男は嘘をつこうとした、が、世の習いかアッサリ弟の嘘はお姉ちゃんにバレる。
「金桂なら簡単に気絶ぐらいさせれるわよね?
庇うなんてやっぱり胸が大きいから?」
簡単に気絶。
「むぅぅ」
趙子龍に流れ弾。
武人のプライド的な部分にグサッとくる。
事実、手も足も出なかったのでなにも言えない。
「む、胸の大きさなんて関係なく……」
「正座」
見苦しく大男が言い訳しようとするも姉の言葉に即座に地面に座る。この大男、主人公なのにマトモに喋れてない。正座へ移行する動作は趙子龍にも見えない無駄に超人染みた動作だった。
「さて、お説教よ」
外見は世紀末な大男。
しかし年齢的な実態はショタ。
体操服で半パンを履いてるようなショタ、ショタはお姉ちゃんから怒られると戦いた。
説教に怒鳴り散らす……なんて言う事はなかった。
桂花は優しいお姉さんなので説教は静かに始まる。
「先ず誤解で襲われたのは金桂が悪いことじゃ無いわよ。ワルいのは全面的にただ見ただけの情報で襲ってきた其所の痴女よ。だからね金桂は遠慮せずに倒せば良かったのよ。
武器を持って襲ってきた痴女を相手に容赦なんてしたらダメよ?金桂が強いのは知ってるけど万一の事だって有るんだからね。
まぁ、胸がデカイから、だけじゃなくて金桂が優しいから傷付けずに誤解を解こうとしたのは解るわ。
私と女の子には優しくするって約束もしてたしね。
けどね、自分で誤解が解けなかったなら私が居るんだし起こしなさい」
荀彧は良いお姉ちゃんなのか、怒鳴ったりせずに子供に聞かせる様にしっかりとしたお説教をした。
なんと言うのだろう……見てる分に精神的に来るものがとてもある説教だ。
「……金桂は寝てる私を起こしたく無かったんでしょう。けどね。大切な弟が襲われてる時に寝てるとか嫌だから今度は起こしなさいよ」
最後に大男に優しく微笑み撫でる。
誰だこれ、
幻聴が何処からか聞こえた。
「ふぅ、待たせたわね」
「い、いえ」
説教後には姉の椅子と化した大男。
荀彧に声を掛けられる趙子龍は借りてきた猫の様に大人しい。自分を打ち負かした相手を椅子にしてる少女に気後れしてる様だ。
「さて、次は貴女への説教ね」
「は?私にもですか」
「まさか聞きたくないなんて事は無いわよね?」
「き、聞かせていただきます」
趙子龍はさっきの甘々な説教を想定し後悔した。
「人を救うつもりぇ無実の相手を襲うなんて、たしか武人には観察眼が必要とか聞いた事が有るわね。人を見る目がない武人ってどうなのかしらね」
「ヌグゥァ」
始まるお説教、出だしからキツかった。
先程の説教が心配から出たお小言だとすれば、趙子龍にされたのは精神をへし折る罵倒。
「高名な武人だそうだけど良くもまぁ私の弟みたいな無手の相手に一方的に襲えたわね。」
「あ、もしかして途中から弟が悪くないとか気づいてたんじゃない?その反応、少しは気づいてて無視したんだ。……無視した理由もどうせ戦いたかったとかでしょ。あ、その反応はまた当たり?うわぁ最低ね。欲望のままに行動するなんて武人じゃなくて賊と同類じゃない。」
ネチネチした罵倒が延々と続く。それはもうネチネチと続いた。
「そ、それぐらいでもう良いんじゃ」
大男からレフェリーストップが掛かった。
「そうかしら……言いたいことの半分しか言ってないけど、金桂に免じて此ぐらいで許してあげるわ」
(アレで半分!??)
灰色になってる趙子龍の様子を見て戦く弟。
とりあえず終わった気配を感じてか同行者二人がきた。放置された趙子龍に近づく二人。
「………………」
「星ちゃんが……死んでやがるのです」
「ああ、星、貴女の冒険は此までですか」
「いや誰よアンタら」
ページ上へ戻る