恋姫、普通に考えた強キャラ
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いちわー
蔓延る賊、力を持たず腐った頂点。
戦乱の匂いがし始めた世の状勢。
「ふぅ、ようやく、もうすぐ、次の村ですか」
「ええ、そうですね。今回は本当に、大変でしたねー」
「ハハハ、確かに確かに、まさか道を間違えるとは思いもよらなかったですなーー」
「何を他人事みたいに言ってるんです?間違えた張本人が」
「ハハハハハ」
「笑って誤魔化してやがる」
危険な世を三人(+1(?))の可憐な少女は旅をしていた。
旅の目的は三人ともに違うが、彼女等の目的は常人が聞けば、地平の彼方と思えるほどに遠い。
槍をもった露出の多い白い服の少女は武芸で天下に名を馳せる事を目指し、頭に人形を乗せた少女と眼鏡を掛けた少女は、知を持って世の為に何かを成したいと考えるている。
その望みは類い希ない運か能力が無くば愚物の願いとなるが、運は判らないが過大でなく其々三人ともに歴史に名を残す程の資質はもっていた。
少女達は道を間違い岩ばかりの辺鄙な場所に来ていた。
「む」
「どうしたんですか星ちゃん」
「あれは……」
三人が何かを見て顔をしかめる。まるで汚物を見付けたような反応。
三人が見つけたのは巨漢な男。
見るからに人相が悪い男が三人の様に道にでも迷わないと来ないだろう場所を歩いている。怪しいの一言だろう。
それだけなら良いが…。
「……少女を背負っていますね」
背中には少女。
辺鄙な場所で人相が悪い男が背負う少女など先ずもって、誘拐された少女としか思えないだろう。
「…………」
眼鏡をかけた知的クールといった彼女は真面目な顔。
(ああ恐らくこの後には男によってあの少女の花が散らされるのでしょう。体格差を考えればどんか光景になりますか)
真面目な顔をして鼻に込み上げるなにかに耐える眼鏡。
「うーん前の村で聞いた人拐いでしょうか?
けど場所は違いますし、場所を移動したか、それとも別口の誘拐犯でしょうか。……星ちゃんどうします」
眠たげな目で頭に人形を乗せた金髪の少女は、この一行の中で唯一武力をもった相手に問い掛ける。眼鏡の少女はなにも言わない。二人は判断を委ねる。
槍を持った過激な服装の少女は三人の中で唯一の武力を持った戦力。
もし助けると言い戦いを挑み負ければ、槍の少女だけでなく残された二人もどうなるかは想像するまでもない。なのに二人ともに気負いはない。
二人ともに過激な服装の少女の強さに全幅の信頼を寄せてる事がわかる。
選択を任された槍をもった少女、趙子龍は不敵に笑う。
一見すれば判るが趙子龍の白い服は肌の露出が激しい。賊が蔓延するこの御時世に負ければ女は死ぬまで犯される事はよくある事、趙子龍の男を挑発する衣装は猛獣の群れに肉を出してる様なモノだ。
服装から見るに趙子龍には襲われても負けないという強さへの自信が溢れていた。
事実、趙子龍は数十の賊を一人で打ち倒した事が実際何度もある。まだ発展途上であるが神槍とまで呼ばれる才能があった。既に実戦での無類の実績もあり若さゆえの自信の過剰でもない。
三人ともに巨漢程度なら一対一で趙子龍が負けることは絶対に無いと考える。筋肉の量では圧倒的に負ける趙子龍の方が強いと考えるのに何の疑問もない。
何故ならこの世では男である事も筋肉の多さもだが強さとしてあまり重要視されない。そもそも強者は女性だと言う認識が広まっている。それは一重に女性が気と言う力を使えるからだ。
気の有無は完全武装と素手程の差がある。だから武人の女が男には負ける事が無いと考えるは仕方がない事なのかもしれない。
「まぁ、何にしてもあの様な輩を見たからには見逃すわけにはいかないですな。ちょっと行ってくるとしますよ。風達は少し待っていてくれ」
趙子龍は気軽に決めた事に二人は頷き簡単に岩の影に隠れる。頭が見えている。直ぐに終わると考えていてるのか隠れ方が雑だ。
趙子龍が苦笑する。
「ふ、なら期待通り直ぐに終わらせるとしますかな」
趙子龍は槍を構えながら巨漢の男に背後から近寄る。足の音を消しているのに速い。そのまま男の間合いに入り槍を握る。狙いは少女を巻き込まない頭部。
(一撃で殺る。不意打ちで殺るのは性には合わないですが、少女を盾にされると困りますからな)
槍が構えられる。
(はっ!!)
無言の槍の一閃!
趙子龍の風を切る槍が男の頭に向かう。
男の背後からの不意打ち。
槍を突く瞬間にも男は気づいてる様には見えなかった。
ヒュ!!
「!?」
槍が空を切る。
「(避けただと!?)」
動揺する趙子龍、槍は男の横にある。
男は頭を横に向け避けた様だ。
「??……うお」
巨漢の男は横にある槍を見て其から趙子龍を見て驚く。
男の視線。見てるのは胸と太股という露骨な視線。
(いや偶然か……偶然としても女と見たら即座に欲情するような輩に一撃をかわされるとは不覚!)
趙子龍は怒り避けた事を完全に偶然と片付けた。
「なんのつもりですか。アナタは誰です?」
人相の悪い男は意外に丁寧な言葉で話す。
問い掛けに趙子龍は冷徹に言い放つ。
「ふん、貴様の様な輩に名乗るのは不快だが訊ねられたなら名乗ろう。我が名は趙子龍、女を食い物にする輩は我が槍の錆となれ」
「?食い物、なんのことを言ってるんです?」
「後ろのを見て言い逃れが出来ると思うな!」
「?…ん?後ろって、え、違いますよ。後ろの女の子は…」
巨漢の男は誤解だと言わんばかりに首を振る。
他の賊達もしていた見苦しい命乞いかと思い聞くきにもなれない。
「ふ!」
問答無用とばかりに巨漢の男の胴体を凪ぐ。
「いやだから違いますから」
男は後ろに下がり避けた。
「な」
今度は偶然とは言えない。明らかに反応して避けた。
趙子龍は僅かに目を見開き驚いたが、続けざまに前に進み斜めに振る。これも男は避けた。
(く!予想以上に早い!鈍重そうな外見で甘く見すぎたか)
さすがに三度も避けられると巨漢であるのに異様に素早いと認識、少女を気にした手加減した槍では当たらないかと舌打ちし下がる趙子龍
「あー話を聞いてもらえないですか?」
攻撃が止むと巨漢の男はそう呑気に言う。
その言い様、先程の槍の動きで既に趙子龍を脅威に見なしてないと感じられた。
(ふむ、手加減した動きをみて私のことを舐めているな。声を掛けてくるのは傷を付けずに私の身体を弄びたいと思ってか。ならそのゲスな考えを利用できるか)
趙子龍は怒りを抑え巨漢に言う。
「話をきいて貰いたいなら少女を下ろしたらどうだ」
「ん?……」
巨漢の男は少し考えたが少女を地面に下ろす。
頭には枕代わりか荷物。
異様に丁寧だ。
それを見て趙子龍は驚く。
(ほう、盾にする気は無いと言う事か。其だけ強さに自信が有るのか?……面白い。動きからして弱いと言う事はないか。これは予想外に楽しめそうだ)
「これで話を…」
「ふふ」
趙子龍は強敵との闘いだと笑う。
棚からぼた餅と言うべきか。
男は後ずさる。
「おっと、失礼。そちらが武人としての矜持はあるとは予想外でな。不意打ちは詫びよう。此処からは正々堂々と戦おうか」
男が何を言ってるんだと言う感じで見てるが強者との戦いが出来ると思った趙子龍は無視。降ろしたら話を聞くんと違うのかと言う視線も無視。
「……ああそうだ。もしこの趙子龍に勝てばこの身体を如何様にしても良いぞ」
趙子龍はニヤリと笑い言い切る。
因みに最後のは軽口、冗談のつもりだ。
巨漢の男はボーゼンとした様子で趙子龍を見て…鼻から血が漏れた。
(私の身体が魅力的だからと言って鼻血はないだろう)
趙子龍は自分の発言に若干後悔。
嫌悪より折角の強敵との闘いに自分で水を刺したと思えたからだ。
趙子龍は表情鋭く槍を構える。
相手は同意していない。
「あの話を聞いてくれません?」
その発言に趙子龍の戦意は逆に燃えた。
「話は勝負の後で聞く!では行くぞ!」
趙子龍は踏み込み先程とは比べもに成らない速度で踏み込み槍を振る。神槍と呼ばれる本領である速さ。
そして少女の細腕から出された一撃だが数人を一度に凪ぎ払う力強さ。ゴッ!と槍が唸る。
その槍を巨漢の男が避ける。
趙子龍は今度は驚かずに追撃。
「せあ!!」
趙子龍は避けた先に前進し続けざまに振る。
「っ!」
2度三度と槍をよけられ趙子龍は心底から驚いた。
(当たらない!)
今の趙子龍は先程と違って全力だ。
それも必殺の連撃でさえ男は避ける。
(何で当たらない!!)
槍の刃は男に当たったと思えば槍が男の身体をすり抜ける。ただの体捌きで趙子龍の本気の槍から避けていた。
いや避けるだけならあり得ない事じゃない。
しかしーー
(私が避けた動作を見逃してるだと!)
彼女には避ける瞬間の男の動きが見えない。薄皮一枚先で当たると思えた間合いで空を切る槍。
まるで幽霊を相手にしてるかのような悪寒
(いや身体はある!当たるはずだ!)
趙子龍はダッ!と地面が抉れるほどに蹴り男の間合いに深く、深く踏み込み槍を振る。それは相手の反撃は無視した冷静さが欠けた攻撃と言えた。
ヒュ!!
槍がまた空を切った。
「はは……悪い夢か」
趙子龍は明らかに隙を晒した。
男はなにもしない。
いや、趙子龍に対して一度も攻撃していない。
闘っているつもりの趙子龍が喜べる筈がない。
「ふざけるな!」
趙子龍は怒る。
普段は飄々とした彼女がこれ程の怒りを表すのは珍しい。自信の本気の槍を避けられてる事に怒りを感じないほど遥かに許せない。趙子龍の瞳から涙。
趙子龍の攻撃の最中。
向こうの視線があるのは槍でない。
揺れる乳房や見える下着……身体にしか注がれていない事に泣くほどの怒りを感じていた。
男として視線がむくのは仕方ないが、どんなスケベな男が相手でも余裕が無くなれば性的な視線は消える。つまり趙子龍の本気の攻撃でも向こうは余裕なのだ。
趙子龍は武人として本気で闘っている。なのに男は自分をただの女としてしか見られていない。まるで自分の武が取るに足りないモノだと言われてるようではないか。それは負けて殺されるより、犯されるより耐え難い屈辱。
「そのまま……そのまま避けてばかりいるなら、私は喉を掻き斬る」
本気の声色でそう言い放つ。
「は?」
男が驚いた様に趙子龍を見る。
「行くぞ!」
激昂した趙子龍の全身全霊、渾身だった。
技術も防御もない。ただ速さだけを考えた捨て身の一突き。男の心臓を目掛けて放つ。その一閃は趙子龍の今までの生涯で最高の一撃とも言っていい。
ガッ!!
「ふ……ふふふ、笑いしか出てこないな」
趙子龍は可笑しそうに笑う……泣きながら笑う。
趙子龍の全身全霊を込めた槍が止められていた。
男の片腕、いや指だけで趙子龍の渾身の槍が止められていた。2本の手で槍を持った趙子龍がどんなに力を込めてもピクリとも動かない。
気を持った女性の力は凄まじい。なのに全くそんな力が無意味かと言うような力の差。
空いた方の腕で握られる拳。
ギリリと言う握られる音に趙子龍の全身から冷や汗が吹き出す。槍を手離して全力で逃げろと趙子龍の脳内で警告するのに身体が反応しない。
ゴ!!!!
男の拳が動けない趙子龍に向け放たれる。趙子龍の眼には岩石が迫ってきた様に見えた。
「ヒッ!」
拳は顔の前で寸止めをされる。
もし止めなければ趙子龍の綺麗な顔は無惨な事になっただろう。命は助かるが、ただの少女の様に悲鳴を上げてしまった趙子龍は……ヘタリ込むように座った。
「えーと?勝ちで良いです?」
男は戸惑った様に言う。
「あ……あぁ」
趙子龍は頷いた。
「…は…は……この趙子龍の完膚なきまでの負けか」
負けを認めると趙子龍の身体に熱が走る。
趙子龍は覚えている。約束だと負ければ趙子龍の身体は男の好きにされる。約束をしてなくても無理矢理されるだろう。これから自分より強い男に犯される。
そう思うと趙子龍に沸き上がる……高揚感。
不快な気持ちもあるがそれよりも高揚したモノが沸き上がる。趙子龍は覚悟を決めた。
「約束は約束……私の身体をお好きにどうぞ」
趙子龍は火照った瞳で男を見る。
覚悟を決めた趙子龍と真逆に男が混乱。
まるで勝っても何かする気がなかったかのよう。
「え、……いや、好きにしてもいいですと?」
趙子龍は恥ずかしそうに頷く。
男は趙子龍の肢体を見てゴクリと唾を飲んだ。
「あの別にそう言うのは……」
「さぁ!どうぞ」
趙子龍の促す言葉に震える男の手が胸に延びる。
此処は野外で今は昼間、二人の知り合いも何処かで見ているだろう。趙子龍の身体に駆け巡る屈辱と背徳感の興奮、
男の手が豊満な乳房を掴む。
「あん、う、う」
男は趙子龍の乳房を揉む。
揉まれる趙子龍の身体は火照り受け入れる様に足は開く。
しかし男の手は趙子龍から離れる。
男はとても満足していた。
「は?ちょ、ちょっと待て、此で終わり?」
「え、はい」
胸元の乱れた趙子龍は男が満足してる様子に慌てる。
男は頷く。熱が入った趙子龍は唖然とし……
「……は、ははーん、判りましたぞ。私からしたいと言わせたいのですな。しゅ、羞恥プレイとは鬼畜な」
「なんの話を?」
趙子龍が裾を捲り下着を見せる。
男の鼻から血が出る。
そのまま下着を脱ごうと手を掛け……
「してく……」
「わ、私の"弟"に何をしてるのよ変態!」
最後の一線は少女の声に遮られる。
それは男に誘拐されてたと思った少女の声
「は?弟?」
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