ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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課外授業のデイウォーカー
決着後のフィールド×リゼヴィムと黙示録の皇獣
暗黒フィールドが解けた最下層の祭儀場、クーデターに荷担した上役の吸血鬼達とマリウスが闇に葬られた。戦いが終わったかのように部屋を覆う暗黒は次第に晴れていくと同時に、破壊神と暗黒龍は静かにヴァレリーを見ていた。アザゼルとシャルロットも視線に気付き、マリウスが消滅してアスモデウスに抱き寄せられてたヴァレリーの元へ行く。
「・・・・どうにも、引っかかる事がある」
「私もです、抜き取られたにしては静かすぎるので」
小型魔法陣を展開し彼女の様子を調査し始めると、先程から引っ掛かってた術式結果。抜き出したにしては状態として想定内な俺とバロール、やがて調査し終えると手を止めていた。
「・・・・なるほど、俺とシャルロットの疑問は解消できそうだ」
「どういう事?」
リアスが問う。アザゼルはヴァレリーを指さした。
「この娘の聖杯は元から亜種のようで、本来だと一つしか持てない聖杯がまだ存在している。と言う事はだ、この娘の体にはまだ聖杯が残ってる状態」
「私も可笑しいとは思いましたが、神滅具の抜き出し術式なのに余りにも静か過ぎて不気味に思いましたから。アザゼルや一真に我々の研究では神滅具抜き出しには派手だと聞いてますから」
『・・・・・・・ッ!』
リアスが問うとアザゼルはヴァレリーを指差しながら説明し、シャルロットも発言した事により皆が驚いてたがCB兼黒神の面々だけは相変わらずポーカーフェイスと言った感じだ。
「俺達が余り驚かないのは当然の結果であり、この子が持つ聖杯が亜種だと言う事も既に知っていた事なのですよ」
「アスモデウスの情報網や我らCBも知っていて、グレモリー達のみ知らされてないのも当然かと。ま、朱乃や白音も知っていたが箝口令によって知らないフリをしてた。破壊神と暗黒龍になった一真とギャスパーも知っていて暴れ回ったのも半分演技が入ってたしな」
「神滅具は通常一つだが、その娘には二つでワンセットと言うカウントされる亜種。調査するのはアザゼルに任せるが、その娘は死んでいないし昏睡状態か仮死状態なので取り出された聖杯を戻せば生き返るかもしれん」
『おおっ』
朱乃と白音以外のグレモリー眷属は安堵の息を漏らし、ヴァレリーも死んでない事も知った事。破壊神となった俺としては二度となりたくないが、久々に暴れ回ったのは何時振りだろうか。今世の神滅具所有者も訳分からんが通常神器所有者も訳分からずな方向へ行く事も、一真も創造神黒鐡のはずが神滅具所有者とされている。赤龍帝と白龍皇との因縁やら宿命と言う鎖も無くなった。
『一真が破壊神となった姿は二度と見れない光景だろう』
「そうだろうな。一真が破壊神となればこの世界は終わってしまうが、アルビオンも肉体持てたのも一真が創造神だからなのかもしれん」
『私もドライグの力を使えるのも一真のお陰だ。アーシア嬢もあんなに喜ぶ姿は良い光景だな』
「もしアーシアに向かって来るなら消滅も覚悟したが、それもなくて良かったと俺も思いたい」
ヴァーリとアルビオンにヒト化のファーブニルが話してた通り、アーシアも喜びの涙を流していた。聖杯を戻す術式を始めるが、精神汚染が酷かったのも三つでワンセットだからなのか?この事は俺しか知らんけど、何れ二つでワンセットだと思っていても目を覚める事はない。破壊神黒鐡と暗黒龍は静かに復活作業を見守る。
「・・・・貴方はギャスパー?それともバロールの方かしら?」
《俺はギャスパーであり、もう一人の人格とでも言おうか。この少年が母体にいた時に宿ったのは、先程も言ったようにバロールの断片化された意識の一部と言おうか。黒鐡の旦那は神だが、俺は魔神であって神性が抜けた状態さ》
『コイツはケルト神話の魔神バロールだが、神の力が抜けた状態なのは確かさ。バロールは邪眼の持ち主としては有名な神であり、先程戦ったクロウを操ったと言われている。バロールの邪眼に倣い「停止世界の邪眼」と命名。本来のバロールはルー神に滅ぼされたが、レプリカではなく意識の断片。黒鐡改は元々魔神と呼ばれたが、時が経つと同時に創造神と言う立ち位置。破壊神になる事は二度とないが』
「神器は伝説のドラゴンから、魔物、魔神の力すらも宿らせる事が出来る。と言う事は神器を作った張本人であるシャルロットは凄い存在だと」
「皆さんに言われると照れますが、元々神器は前代創造神鋼様によって構築されたのですから」
アザゼルも納得した顔でシャルロットを見てたし、俺が見ている風景をコイツと一緒に見ながら祐斗とゼノヴィアはまだ震えていた。恐る恐るだがそれについてはしょうがないと思う、破壊神として全てを破壊した姿を見れば誰だってそうなる。だが朱乃とイリナは怖がらずに近付く。
「これがギャスパー君の力、これ程の凶悪なのはエルメとの会談以上ですわね」
「あの時は幻術だと言ってましたが、これが破壊神となった黒鐡様を怒らせるとこうなる訳は知ってたけど怖くなかった」
朱乃とイリナも慣れてしまったのか、自動的にグレモリーとシトリーの面々も見慣れてきた様子。怖がる様子がないのは、負のオーラを向けてないからなのかもしれん。俺とギャスパーはこの姿のままヴァレリーの元へ行く。
《俺らはこの子が死んだとは微塵も思ってない。ま、周辺一帯は死んだと思ってた様子だが俺らはあの忌々しい連中を許す事が出来なかった》
『破壊神にジョブチェンジした訳だが、もう二度とこの力を乱用してはいけないと感じたね。この姿になってしまうと畏怖してしまうし、色々と疲れてしまうがコイツを呼び出せたのも聖杯によってだ。完全覚醒する前からヴァレリーは無意識に使い、バロールの意識断片を聖杯によって作り出したとしか説明できん』
「ギャスパーを生み出したのは幼い頃のヴァレリーだと言うのか・・・・?リアスがギャスパーを転生出来たのも神性を失ったバロールの断片だったからか・・・・ギャスパーが『停止世界の邪眼』を持って生まれたのもバロールの力に引き寄せられた・・・・?模倣した物に本物が宿るもんは冗談のような出来事だが、これで理解した。一ちゃんが闇ギャスパーの存在がバロールだと最初から知ってたのも何となく分かったが、何故先程のクロウ・クルワッハは強く反応しなかったんだ・・・・?」
何かアザゼルが思考の海に潜ってしまったようだ、そして潜り終える時に俺が言った。ここで新たな神滅具誕生の兆しだけど、十四番目の神滅具があっても可笑しくない状況であり神器だ。
『アザゼルの考えを当てようか?ギャスパーのは準神滅具としてカウントしていいのかどうかを、まあ「停止世界の邪眼」は神滅具としてカウントされても可笑しくない神器だろう』
「・・・・新しい神滅具だというの・・・・?」
「全部言われちまったが、詳しくはグリゴリに帰ってからだ」
アザゼルが言うセリフは全部俺が言ってしまったけどな、そんで暗黒龍と化したギャスパーと破壊神となった俺の闇が晴れていく。そろそろ限界が来たようだ、破壊対象が無くなったかもしれん。神器からの名称は直接脳に伝わる仕組みだし、亜種禁手化の場合はほとんど自分で考えた名称にしてしまうのがほとんどだ。
『そろそろ限界のようだから、俺は戻らせてもらうがお前はどうなんだ?バロール』
《そうだな、そろそろ俺も中にいる俺に戻らないといけないしな。この体はギャスパーのもんだ。俺は一真の旦那に呼ばれれば出てくるし》
闇が次第に剥がれて行き、先に俺が元の姿に戻った。そんで座り込んでしまい、アーシアの禁手化である超弩級回復モードにて全回復した。やっぱこれはエリクサーよりもすぐに回復できて便利な禁手。同じく剥がれていったギャスパーは、元の姿となったが最後の一言を告げる。
《オカルト研究部の諸君、俺は全てを闇に染める存在だ。けれど、アンタらには危害を加えないと約束する。もう一人の俺を通して、ずっと見ていくつもりだ。あと一真の旦那とはこの後も話そうな》
そんで、もう一人のギャスパーであるバロールはグレモリー眷属を見渡す。
《リアス部長、朱乃さん、小猫ちゃん、祐斗先輩、アーシア先輩、ゼノヴィア先輩、イリナ先輩、レイヴェル先輩、ロスヴァイセさん、アザゼル先生。俺の大事な仲間だから》
主にグレモリー眷属に伝え終わると闇は完全に消失後、何時もの雰囲気を持つギャスパーはその場に崩れ落ちて気絶してた。ま、バロールが表に出ると相当エネルギー消費されるのだから。アーシアの超弩級回復によって回復されたが、しばらく寝かせた方がよさそうだと判断した俺。ギャスパーを抱き寄せたリアスの目元には涙が浮かぶ。
「・・・・分かっているわ。貴方が誰だろうと構わない、貴方は私の眷属だもの。ねぇ、ギャスパー・・・・」
感動的な光景を見て互いに頷き合ってるが、俺もアグニ達の元へ行き今回のバトルデータを送信した。と言っても破壊神激情態モードとなった俺だから結構疲れたし、創造神から破壊神にシフトチェンジした事自体がヤバいと思った。
まあ創造神と言う立ち位置であっても創造から破壊・再生も出来るから。あの姿は二度と勘弁、シャルロットとアザゼルはヴァレリーの蘇生術式が完了したみたいで聖杯もヴァレリーの中に戻って行く。
「これで、目を覚ますはずだが・・・・」
「目を覚まさないようですね、心拍数もありますし息もありますが意識だけがありません。どういう事なのでしょうか?」
その現象に首を捻るアザゼルとシャルロットだったが、そこへ第三者の声が響き渡る。
「あー、もしかしたら、これも戻さないと一度失われた意識は戻らないかもねぇ」
「何で、テメエがここにいんだよ。リゼヴィム」
その者の登場に俺はため息しながら言うが、俺らの前に現れたルシファーのバカ息子でありヴァーリの祖父に当たる人物。相変わらずふざけた口調と手元には聖杯らしき杯が一つ宙に浮かぶ。
「そう、ヴァレリーちゃんが持つ亜種の聖杯は全部で三個だ。三個でワンセットっつー規格外の亜種神滅具なのよん。既に一つ、俺達が先に抜け出していてねぇ。マリウス君は聖杯が複数ある事さえ気付かない愚かな者だったって事かなぁ。自称聖杯研究者だ何て聞いて呆れるぜ!」
聖杯が三個でワンセットなのは最初から知ってたが、この情報は俺しか知らない。なのでアスモデウスも驚いた顔をしてたしけどね。ゲラゲラと笑うリゼヴィムだけど、改めてだがヴァーリに挨拶する。
「やあ♪この間振りだけど、リゼヴィムおじいちゃんだよー?じゃあここから愉快なお遊戯タイムになりまーす。良い子の皆はおじさんの話に注目してね☆ぐほぉぉぉぉ」
とりあえず殴った俺だが、ダメージとしては余り効いてないリゼヴィム。一瞬殴った後に聖杯回収しようと思ったが、今後出てくる邪龍ゲットして手懐けるようにしたいので敢えて回収しないで殴っただけとなった。
ただ口調にイラついただけであり、聖杯を傍に浮かすリゼヴィム付近にリリスも居る。俺の隣にヴァーリが居て、嫌悪感と怒気を放ちながらだけど手出し無用だと言ってある。隣で強く手を握るルシファーと握り返すヴァーリ。
「うひゃひゃひゃひゃっ!黒鐵のおっちゃんは相変わらずだねぇ♪俺を見るたんびに殴ってくるのは、おっちゃんにとって挨拶だと思っているのかなぁ?あときゃわいい孫に俺のママンがそんな眼で見るのは嬉しくて堪らないよ」
ルシファーとヴァーリはある事でとても怒っていたから、リアスが代わりに答えてアザゼルは険しい表情で語る。
「アザゼル、何があったの?」
「・・・・あの野郎は自分の息子、つまりヴァーリの父親に『ヴァーリを迫害しろ』と命じたんだよ。それでルシファーとヴァーリは非常に怒っているのさ、実の息子が孫の父親にそう命じさせたからな」
「そうよ、全くどうやったらこんなバカな子に育ったのかしら?」
「従姉さんは悪くないよ。悪いのは俺の父親もそうだったし、一番悪いのはこのバカだ」
まあそれは事実な事だな、それにルシファーが悪いのではなく最初からコイツはバカモノへと変貌してしまってるから。それと別外史から来たリリスが持つ別外史の記憶を引き継いだリゼヴィムだと、創造神データバンクにそう記載されている。実の母親と孫にあたる者らから聞いたリゼヴィムは口を尖らせる。
「聞き捨てならないにゃー。俺はバカ息子に『怖いなら苛めろよ』と的確なアドバイスをしてあげただけなのだぜ?ま、そこにいるママンの血筋で白龍皇として覚醒して生まれたのだから。ビビりなバカ息子の豆腐メンタルだときっと耐えきれないだろうと思ったからさ」
「テメエは才能を有した子供に愛情持てない親は、自分以上に才能を持つ子供が育つと嫉妬やら脅威するからなのだろ」
俺なら例えどんな子が生まれたとしても俺の子であり奏の子だ。それに俺の子供=神の一員となるであり、創造神黒鐡と悪魔から女神に転生させた奏との間に出来た優斗は良い子に育ってくれたしな。
「結局、ヴァーリきゅんはお父さんの仕打ちに耐え切れずに家出しちゃったけどねん♪グリゴリでアザゼル君に育ててもらい、今では黒鐵のおじちゃんのとこに居る。それとママンがいるから、よかったねー。黒鐵のおじちゃんは面倒見がいいもんねー」
アザゼルと俺は憎々しげにリゼヴィムを睨んだ。そしてヴァーリの代わりに母親であるルシファーが言った。
「それでバカ息子、ヴァーリの父親はどうなったのかしら?」
「ママンが俺にバカ息子は流石に悲しいよぉ、でもママンの質問に答えちゃうぞ♪ヴァーリのパパなら俺が殺しちゃったよ!だってビビりなんだもん。見てて苛ついちゃってさ。つい弾みで殺しちゃったんだ☆・・・・おっと危ない、流石のママンでも魔力を撃つなんて酷いじょ」
「その口を黙りなさい!アンタとはもう縁を切る、私にはここにいる孫だけで十分だわ!」
そう言うとルシファーはさらにヴァーリの手を握るのだった。そんでヴァーリは泣いていたけど涙を拭いてから言った。
「そうだ、俺はもうあの男など忘れている。俺には従姉さんだけで充分だ、それにお前が『明けの明星』と称された従姉さんのルシファーを名乗っていい存在じゃない!」
そう言うがまだ禁手化しないで、神器である白龍皇の光翼だけを出現させて何時でも戦える態勢を取る。そしてCB兼黒神も腕組みながらリゼヴィムを睨んでたからか、それを見たリゼヴィムは嬉しそうに笑っていた。
「・・・・いいじゃん。チョーいい目付きだ。いい育て方してんよ、アザゼルちん。そして途中から育てた黒鐵ちんにママン。でもでも俺はママンが死んだと思ってたから縁はとっくに切れてるんだよねー♪あのメソメソ泣いていた孫が、こんなにいい殺意を向ける青年になった。ビフォーアフターじゃんか」
ルシファーもヴァーリも更に殺意を抱いたが、俺は手で制して改めてリゼヴィムに聞いた。
「テメエ、その聖杯を使い何をするつもりだ?邪龍を復活させて何を企んでる?」
こいつは聖杯を使い何をするのか。邪龍を復活させたのもコイツらが居たから、マリウスを操っていた後ろ盾の輩。新生『禍の団』は一体何をしたいのか?リゼヴィムの野郎が聖杯に視線を向けながら告げていた。
「うひゃひゃひゃっ、聞きたい?いいよ、黒鐵のおじさんがそう言うのなら特別に教えます。今から数ヶ月前の事だ、とある実例が三大勢力の会談により俺達の『世界』に齎せた。『俺達』が知らない『異世界』の存在だ。コイツは以前から可能性を議論されてた訳だが、ついにその存在が確認された。それがここにいるリリスちゃんと黒鐵のおじちゃんって言う訳」
異世界、なるほどな。コイツは異世界の存在を薄々気付いてたと言う訳ね、まあ俺達も異世界から来た存在でここには無い技術を俺らが持っている。ここに居るリリスも別外史から来たと言う事が、実は異世界から来たと言う証明にもなる。
「流石に黒鐵のおじちゃんは気付いたようだね、そう黒鐵のおじちゃんは異世界から来た存在だと言う事を三大勢力会談の時に証明してくれただろ?ほら関羽とか居たあの子達。三国志の武将が女性化しているのは驚いたけど、それが証拠となるのが黒鐵のおじちゃんが持っている技術が証明となったのさ☆」
確かに俺らの技術はここよりもオーバーテクノロジーだし、それに俺である創造神もこの世界の神では無い事も。元々別世界とは別外史と言う事を指していて、外史の創造神としての立ち位置があって各外史での役目はそれぞれ違うようだし。
「もちろん黒鐵のおじちゃんもだけど、この『世界』に伝わるあらゆる神話体系と関連を持たない未知世界の、未知の神様だったんだぜ?そこにいる聖書のでもねぇ、北欧神話でもインド神話でも日本神話でもねぇ。全く知らない世界の創造神様が、そこにいる黒鐵のおじちゃんがこの世界に接触した。だからこの世界に居続ける事が出来る。異形世界の研究者の間じゃ革命的な出来事さ」
「確かに俺は異世界から来た神であり、別世界を別外史と呼んでいて外史にはイレギュラーな事が発生しやすくなる世界。未知の外史に未知の神ってのも俺が創ったのではなく、人間界・冥界・天界と各神話の神が居て姿形も他外史では青年や女性と言った感じだがテメエは異世界行って何しに行くんだ?」
「黒鐡のおじちゃん、簡単だよ。何なら攻め込んでみようぜ?ってな!だがそれは叶わないと思ったし、その理由がこちらの『世界』の次元を守護するドラゴン。そうそこに居るグレートレッドを倒して別世界に突貫しに行くつもりです」
「我を倒すだと?それは叶わない夢だな、何故なら例え我を倒したとしても次元の壁を突破できないようにしている。それをしているのはここにいる一真がしている」
攻め込むとの事にCB以外は認識を変えてたが、外史から外史に行き来する次元パトロール隊が所有しているトレミー。例えそう考えて行けたとしても次元の狭間にはアグニが居るし、もし攻め込もうとしても俺らが全力を持って止めるだけだ。次元の狭間には行き来可能だが、それを出来ないよう何千何億と封印処置してるので例え倒されて突貫しても無駄だ。
「そうなんだよねぇ、黒鐵のおじちゃんの所為で次元の狭間には封印処置をしやがったから例え倒したとしても絶対に黒鐵のおじちゃん達が邪魔をする。俺でも倒せねえからな、だったらどうすればいいかと言うと黙示録の一節を再現しようぜってよ?」
「・・・・『666(トライヘキサ)』・・・・ッッ」
CB以外は疑問符だが、俺とアザゼルが同時に言った事によりリゼヴィムの野郎は嬉しそうに俺達の答えを満足にしてた。
「正解だ、CB諸君。座布団欲しいか?それともアメリカ旅行?いいねぇ、回答要員って素晴らしいよね。話し甲斐があるよ、それにそこにいる聖書の神と創造神なら知ってて当然だもんな♪黙示録に記された伝説の生物は、何もそこにいる赤龍神帝グレートレッドだけじゃねぇんだよ・・・・『黙示録の皇獣』666(トライヘキサ)は、聖書の神に存在を示唆されたあの子がいればグレートレッドといい勝負できそうだとは思わないかね?」
シャルロットはその存在を知っていたので何千とした封印処置をしたはずだ。それに俺もこの世界に来た後、666のとこに行き更に何倍も封印処置を施した。666でもトライヘキサでも意味としては同じだが、言いやすいのはトライヘキサかもしれん。
「皆さんも知っていると思いますが、666という数字が不吉で有名なのは存じてますよね。獣の数字、それの大元となった化け物です。黙示録ではアグニであるグレートレッドとセットで語られています。あれの存在については私がまだ神だった頃、私と一真以外が忘れ去られた世界の果てに封印処置を施しました。それについてもですが、リゼヴィムが聖杯を使って生命の理を潜ったら見つけたのでしょう」
「あれの存在は可能性があるだけで、どこに居るのかも各勢力で議論の最中なのにシャルロットと一ちゃんは既に知っていたのかよ!」
「・・・・聖書の神であったシャルロットの正解さぁ、それに黒鐵のおじちゃんも凄いねぇ♪俺らよりも早く見つけてそいつを何千という封印術式で封じちゃってたんだよねぇ。しかも黒鐵のおじちゃんが更に強力な処置を何千倍にも強固した事で、封じた事もだが案外シャルロットが瀕死状態になったのもそれだったりして?術を施した後に三大勢力戦争時、二天龍を封印する為に力を使い過ぎたら普通死んでも可笑しくない状態だったんだよぉ♪それをカバーしたのが黒鐵のおじちゃんで、三大勢力戦争後に凶悪かつ禁止級の封印術式を更に強固したんだから」
「長い説明どうもと言いたいし、あの時は肉体消滅と同時に強固な封印したから復活に百年かかっちまったからな。いくら神殿があってもトライヘキサの封印強化の為だけとは言え、あれだけの力を使う事自体が久々だったのかもしれんし」
以前話した通り、月中基地本部に黒鐡神殿があれば例え肉体が消滅したとしてもすぐに復活出来る事も。で、あの時の状態でトライヘキサの封印を強くして出て来れない状態にした。シャルロットが術式を施した後、三大勢力戦争と二天龍の封印後ならば意識が戻るのに時間掛かった事も納得がいく。
「先程のマリウスが使った術式は、そのトライヘキサの封印術式から再現したのか!」
「おおさ!現在、必死こいて封印を一つずつ解いているんだが流石創造神と聖書の神のダブル封印だからなかなか解けねえのさ。まあそこにある聖槍があればいいんだけど、残念ながら聖槍は黒鐵のおじちゃんのとこに居る。聖槍があれば楽に封印術式をバラバラに出来そうなんだが、今は聖杯と聖十字架の協力があって順調に進行中っスわ」
聖杯と聖十字架で俺らの封印処置破壊してるのか、そう言えば第三の間に居た聖十字架の使い手をゴルフボールに軟禁させて打ち上げたままだ。いくら聖遺物を悪用させようと、現在進行中で乱用だけは避けてるような気がしてならない。
「全くお前の考えは一々ムカつく発言だが、トライヘキサを復活させてアグニを撃破・撃滅・撃退させて復活させた邪龍軍団と一緒に殴り込みとは傍迷惑な。異世界に居る全ての神々・魔物・生物を一切合切蹂躙全滅させてテメエだけのユートピアを作る。何故知ってるんだと言う顔してるがそりゃ当然だ、お前の記憶を見させてもらう前から知ってたからな」
「やはり黒鐡のおじちゃんだけは思考読まれちゃ敵わねえなぁ~。想像するだけでイッちまいそうだし、あちらの神話に刻まれるかもしれないぜ?ま、俺の思考が分かるなら当てられるだろうよ。どうせこっちの世界じゃ俺はただのママンの血を引く者に過ぎねえが、異世界じゃ唯一無二の無敵大魔王様になれっかもしれないじゃん!?」
「『異世界より来たし邪悪なる存在は、強大な獣と邪龍の群れを引き連れて、この世界に災いをもたらした・・・・』と刻まれる予定なのだろう?例え異世界へ行こうとも弊害があるし、監視もあれば異世界の神々は俺の知り合いばかりだ。そんなくだらない為とか、お前はこの世界には居ちゃいけない存在だ」
傍迷惑な話で異世界に行っても歓迎されないような場所であり、アウェーで各外史を監視している者達が居る。異世界からやって来た悪魔を滅する力を持つ俺としては、異世界に殴り込む前に滅ぼすべき存在だと再確認した。
「黒鐵のおじちゃんは理解できねぇかもしれねえが、俺にとっちゃようやく生まれた目標という野望なんだわ。これでも俺は自堕落に生活してきた、でもとあるきっかけで俺のとこにユーグリット君が面白れぇもんを持ってきたのさ。それと別世界から来たリリスちゃんもな、聖杯の情報に異世界の証明、トドメはトライヘキサだ。これでもおじさんだが、めちゃめちゃはしゃいだのさ。どのくらい振りだろうと思うぐらいにな、滅んだ邪龍を復活させて世界に混沌を与えた挙句、異世界まで足を運べるかもしれないという事をなぁー♪」
コイツと来たら傍迷惑な事を考えてるんだな。完全に幼稚化したオッサンの暴走話しか聞こえねえが、コイツは理想じゃなくて野望だ。しかも邪な気持ちで考えているとんでもない野郎だ。
悪魔は邪悪で悪鬼で畜生で悪道で外道で邪道で魔道で鬼畜で悪辣じゃないとダメらしいが、悪魔は英雄の真似事やヒーローではなく『正義』ってのは人間に天使がやる事で『悪』で『魔』の存在なのだと。そんで気に入らない奴らを一切合切ぶっ殺したいんだとよ。
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