転生とらぶる
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ガンダムW
1731話
「……まぁ、そんな訳だ」
俺がこの世界に来た理由、そして凛や綾子達もそんな俺に引っ張られるようにしてこの世界に現れた理由、シャドウミラーというのが、本来は何を意味するのか。
その辺りの事情を説明し終わると、ブリーフィングルームの中は静まり返っていた。
うん? デュオや五飛を始めとして、一度聞いた事がある者達もいる筈だが……
「分かった。……いや、儂には理解出来ないのが分かったと言うべきか。ともあれ、すぐにアクセルが言ってる内容を全て理解するのはちょっと難しい」
ハワードをしてこうなのだから、特におかしくはないのか?
ともあれ、全員に対して説明が終わり……やがて、意外な人物が手を挙げる。
「アクセル・アルマー、少しいいか?」
「ああ、構わない。答えられない質問もあるが、答えられる内容なら答えよう」
その言葉に、デルマイユは不思議な程に何かを悟ったかのような表情を浮かべて頷く。
……俺が知ってるデルマイユの性格を考えると、そもそも質問をするのに手を挙げるなんて真似はまずしなかった筈なんだがな。
この短時間で、デルマイユの中では色々とあったらしい。
「まず最初に……そうじゃな。これから聞くべきか。貴様が乗っていた、トールギス。あれはもしかして……」
「正解だ」
デルマイユが何を聞きたいのか、全てを聞く事もないままに頷きを返す。
「お前達も経験した、影の転移魔法。これを使ってトールギスを保管していた基地に侵入して、空間倉庫……機体をこことは違う俺だけが持っている空間に入れたりする奴だな。それを使って入手したものだ」
その言葉に、何人かが驚き……同時に、だよなぁといった納得の表情を浮かべる。
デルマイユも、俺がどうやってトールギスを入手したのかというのは、俺が秘密を明かした時点で予想していたのだろう。
髭を撫でながら、納得したように頷く。
……まぁ、俺がトールギスを入手した経緯は、横流しされた機体を購入したという、かなり無茶な代物だったしな。
普通であれば、とてもではないが信じられないだろう。
「では、続けて聞くが……儂の屋敷や別荘が襲撃された時、そこから美術品を始めとして様々な物を盗み出したのも……」
「それも、俺だ」
そう告げると、何人かの視線がジト目というか呆れの色に変わる。
いや、だが敵対している相手から財産を奪うというのは、有効な戦略だろう?
その分、相手に敵視される事になるが。
「警備員達が見張っていても問題なく盗まれたと報告を受けていたが……まさか、このような手段だったとはな。だが、ここまでは前菜のようなものだ。では、次に……バルジをなくしたのは……」
「それも、俺だ」
事ここにいたった以上、その辺りは隠す必要もないだろう。
寧ろ堂々とそれを表に出して、俺に対する畏怖を与えた方がいい。
「馬鹿なっ、バルジまでだと!?」
そう叫んだのは誰だったのか。
……まぁ、何も知らなければMSは自分の目で見てるのでともかく、バルジのような巨大建造物が空間倉庫に収納されるのは普通思わないだろう。
俺だって、何も知らない状況であればそう思う。
だが……空間倉庫は、これまでにもホワイトスターやジェネシスといった巨大建造物を収納してきた戦歴がある。
そう考えれば、バルジの収納も特に驚くべき事じゃないんだよな。
まぁ、それを知らないのであれば無理もないのだが。
ともあれ、それが事実である以上俺から何かを言うような事はない。
ああ、でもいっそバルジを見せてやった方がいいのか?
「待って下さい! では、もしかしてバルジを占拠していたという未知の勢力……そう言えば、あの白い炎の獣は……」
「それも、俺だ」
カトルの言葉にそう告げる。
俺が出した炎獣は見ているのだから、それをバルジを占拠した勢力が使っていた炎獣と認識してもおかしな事は全くない。
にしても、カトルにも当然のようにバルジの情報はいってたんだな。
いやまぁ、あれだけ大掛かりな存在なんだし、情報が入っていない方がおかしいか。
そもそも、ウィナー家は宇宙にも勢力を持っているし。
「では……あの戦闘機になる機体も……」
「それも、俺だ」
どうやらサラマンダーについての情報も持っていたらしい。
サラマンダーについては、ゼクスと戦った事くらいでしか表に出ていない筈なんだが……一体どこから情報を得たんだ?
OZの人間であっても、中東連合に通じているのはいるって事か。
「バルジの件までアクセルの仕業って……マジかよ」
デュオの唖然とした声が聞こえてくるのを見ながら、次に口を開いたのはヒイロ。
「お前が異世界からやって来たというのであれば、以前サンクキングダムに現れたのはお前の弟ではなく……」
「それも、俺だ」
その言葉と共に指を鳴らすと、俺の姿は一瞬白炎に覆われ、次の瞬間にはそこにあるのは20代の俺の姿ではなく10代半ば……丁度ヒイロ達と同い年くらいの姿の俺に変わっている。
そんな俺の姿に、凛と綾子以外の者達が驚愕の表情を浮かべた。
このW世界の人間にとっては当然か。
いや、W世界に限らず魔法という概念がなければ、子供とは認識出来ないか?
……ああ、マクロス世界でなら、似たようなことがあったか。
ゼントラーディ……正確にはメルトランディの時は見るからに大人の女なのに、マイクローン装置を使うと子供になってしまう俺の元同僚が。
以前何かの拍子でクランと話した時には、ミハエルの眼鏡をパリンと割ってやったとかなんとか聞いた覚えがあったが。
その辺り、今頃どうしてるのやら。
ともあれ、その辺りの心配は俺がホワイトスターに戻ってからだな。
それより、今やるべきなのは……
俺の能力をその目で見た者達……それでも尚完全に信じ切れない者達に向かって、俺の言葉が本当だと教えてやるべき事だろう。
まぁ、こうして10代半ばの姿を見せてるんだから、それを見ても信じないなんて者は……いや、ここは念には念を入れておくべきか。
再び指を鳴らすと、次の瞬間俺の姿は再度白炎に包まれ……やがて10代半ばから、10歳前後の幼児と化していた。
再びの奇跡とも言える光景を見て、周囲の者達の口から上がるのは驚愕の声。
それを見ながら満足し、再び指を鳴らすと三度俺の姿は白炎に包まれ……そしていつもの20代の姿に戻っていた。
『……』
ブリーフィングルームの中に広まるのは、沈黙。
凛と綾子の2人以外の者達は、目まぐるしく姿が変わっている俺を見て、言葉も出ないのだろう。
そんな中、次に口を開いたのは……俺にとっても完全に予想外だったトロワ。
「これまでの話を聞く限り、ここ1年程の間に起きた大きな出来事にはアクセル……いや、アクセル代表が関わっているらしい。では、これも聞かせて貰おう。OZがトレーズ派と財団派に分裂してから内乱になった際、唐突に現れた、ムウ・ラ・フラガ。自称エンデュミオンの鷹と名乗っていたが……」
「それも、俺だ」
ムウ・ラ・フラガとしてはマスクを付けて活動していたが、それでも何度か外に出るような事はあった。
それこそ、宇宙でトレーズ派と財団連合の最後の決戦が行われた時、戦艦に乗り込んだ時とかな。
どうやってかは分からないが、その辺りの情報を中東連合の方で入手したとすれば、10代半ばの俺の姿とムウを結びつけるのは難しくないか?
突然姿を現した、腕利きのMSパイロット――正確にはMSじゃないんだが――のムウと、俺の間には共通点が多いしな。
そう考えれば、トロワが今回の件を見抜いたのもおかしな話ではない……と思う。うん、多分。
ともあれ、トロワの言葉に再びブリーフィングルームの中は驚愕に包まれた。
「アクセル……お前は一体、どれだけ暗躍をしてきてるんだ……」
呟くセプテムの言葉に、小さく肩を竦めるのを返事とする。
そもそもの話、俺だって当初はここまで暗躍する気はなかったのだ。
だが、これ以上ない程に原作へ介入した結果、このW世界の歴史は全く俺が知ってるものとは全く違うものに変わってしまった。
その整合性を取る……って訳でもないが、とにかくその時に最善の行動を――俺にとっての利益もあるが――とっていたつもりが、気が付けばW世界で起きた多くの出来事に俺達が関わっていたのだ。
「で、では……もしかして、私がコロニーに向かう前、部屋にOZに気をつけろという手紙を置いていたのも……」
「それも、俺だ」
ドーリアンの言葉にそう返す。
まぁ、あの手紙のおかげでこうしてドーリアンは無事で、サンクキングダムの実質的な文官のトップという地位にいるんだから、ドーリアンにとって俺は感謝すべき存在なのだろう。
もっとも、ドーリアン本人には地位とかは特に興味ないんだろうが。
娘……いや、かつて娘であったリリーナの力になれればといったところか。
サンクキングダムの完全平和主義にどっぷりと使っていて、武力を否定しがちだが、ドーリアンはかなり有能な政治家と言ってもいい。
シャドウミラーにスカウトしたいとは思わないが。
そもそも、シャドウミラーの場合はその戦力を使った砲艦外交の一面が強い。
ドーリアンと……そして完全平和主義のサンクキングダムとは、間違いなく噛み合わない存在だろう。
「そうですか。……アクセル代表が何を思ってあのような真似をしたのかは分かりませんが、そのおかげで私はあのテロからも生き延びる事が出来ました。……ありがとうございます」
深々と頭を下げるドーリアン。
サンクキングダムの中でも文官のトップにいる人物が、こうも簡単に頭を下げてもいいのかと思わないでもないんだが……まぁ、向こうにとってそれで気が済むのであれば、それでいいだろう。
「……そう言えば、連合軍に対してOZに対抗出来るように戦力を整えさせる原因になったのもアクセルからの言葉が原因だったな」
「それも、俺だ」
「いや、それは分かっている。そもそも、あの時のお前はわざわざ名前を隠したりとかしないで、今のお前の姿のまま言ってきただろう」
「そう言えばそうだったな」
何だか『それも、俺だ』しか言ってなかったせいか、何となくそう返してしまったが。
セプテムと俺の言葉を聞いていたデルマイユが、再び俺に向かって視線を向けてくる。
「シャドウミラーが連合軍に所属したのは、オペレーション・デイブレイクが始まるよりも少し前だった筈。なのに、それを見越していた……?」
口の中だけで……正確には髭の中だけで呟いたつもりだったのかもしれないが、ともあれデルマイユの唖然とした声が聞こえてくる。
向こうも、まさか俺がこの世界の原作を知っているからそんな行動を出来たとは知るよしもないだろう。
取りあえずデルマイユにはこっちを脅威に思わせておけば馬鹿な真似はしないだろうから、特に何かを言うような真似はしないが。
「つくづく……本当に、お前が何を考えてこんな真似をしてきたのか、分からないな」
「そうか? 俺の狙いは単純明快だけどな」
セプテムの言葉にそう返すと、ブリーフィングルームにいる者達の視線が俺に向けられる。
「狙いが何なのか教えて貰えるのか?」
「ああ。別に隠してる訳じゃないしな。もう何度か言ってると思うが、俺達シャドウミラー……この世界のシャドウミラーじゃなくて、本来の意味でのシャドウミラーの目的は、未知の技術の収集だ」
「ガンダニュウム合金!?」
真っ先にその答えに行き着いたのは、ノベンタ。
まぁ、連合軍から散々ガンダニュウム合金を毟り取っているのを考えれば、それも当然か。
「そうだな、この世界のガンダニュウム合金というのは、非常に珍しい合金だ。それは、デュオや五飛達の乗るMSの重量が10tもないというのを考えれば、明らかだ。俺が知ってる限り、ガンダムと同じような大きさの機体だと100t……とまではいかないが、それに近い重量の機体も多い。それでいながら非常に強力な防御力を持ち、更には使用するビーム兵器の威力を上げて水中でも普通に使う事が出来るというおまけ付きだ。とてもではないが、こんなに将来性のある技術を見逃す理由はないだろうな」
そう呟く俺の言葉に、ハワードを始めとしたガンダムの開発者達が微妙な表情を浮かべる。
まぁ、向こうにとってはガンダニュウム合金にシャドウミラーという組織が目を付けたという事に、思うところもあるんだろうが。
だが、実際この世界でもっとも魅力のある技術といえば、ガンダニュウム合金なのは間違いない。
ゼロシステムは暴走の可能性を考えれば今一だし、MDは無人機という意味ではシャドウミラーの方が遙か先をいってるし。
他には……ああ、エピオンのヒートロッド系はちょっと興味深いな。
そんな風に考えつつ、周囲の様子を一瞥するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1330
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1368
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