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提督はBarにいる。

作者:ごません
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提督式・ニンジン克服プログラム その4?

 さぁて、お次は雷ご所望のミートソースを使ったご飯物。野菜とミートソース、御飯を合わせたタコライスといこう。

《ミートソース応用:即席タコライス》

・ご飯:お茶碗1杯分

・ミートソース:適量

・レタス、玉ねぎ、アボカド等の野菜:適量

・ピザ用チーズ:お好みで

・目玉焼き:1つ

・マヨネーズ、タバスコ等:お好みで



 さて、作っていこう。そもそもタコライスって日本の沖縄生まれなんだよな……って、白飯使ってんだから当然か。今でこそご飯の上に挽き肉と玉ねぎ、スパイスで炒めたタコミートと野菜、チーズにサルサソースなんかを乗せたスタイルが一般的だが、元祖の店だと基本は飯とタコミートのみ。野菜やチーズは別途トッピング料を取られるらしい。なので決まった形は無いのがタコライスなのだから、今回はタコミートの代わりにミートソースを使ってお手軽調理と行こう。

 まずは野菜。タコライスに合うのはレタスやキュウリ、アボカド、トマトといったタコスの具になるような野菜だ。タコライスはそぼろご飯やドライカレーのように混ぜて食うのが定番なので、混ぜやすいように千切りやみじん切りにカットしておく。

 ミートソースは既に出来てるからな、盛り付けに移るぞ。皿にご飯をよそい、その周りに野菜を盛る。その上からミートソースをかけて、ピザ用チーズを散らす。そこに焼きたての目玉焼きを乗せる。チーズが蕩けるから焼きたての方がいいぞ。仕上げにマヨネーズやタバスコ等をお好みでかけたら完成だ。




 さてと、最後は電が注文したオムレツだったな。具入りのオムレツは具無しのオムレツとはまた焼き方のコツが違うんだよな。


《ミートソース応用:弁当にも使えるミートソースオムレツ》※分量2人前

・卵:2個

・砂糖:小さじ2

・塩:少々

・牛乳:大さじ1

・ピザ用チーズ:大さじ1~2

・ミートソース:50g位



 さて、作っていこう。具入りのオムレツを作る時にまず考えないといけないのは、中の具と卵の塩加減のバランスだ。中に包む具が味の濃い物なのに、卵もしょっぱくしてしまっては美味い料理とは言い難い。なので薄味の具を包むなら卵を濃い目の味付けに、濃い目の味付けの具を包むなら卵を薄味に……とバランスを取る必要がある。今回はミートソースという濃い目の味付けだ、卵はシンプルに甘めに仕上げるぞ。

 ボウルに卵、砂糖、塩、牛乳を入れて溶いておく。

 フライパンに油を引いて熱し、十分に温まったら卵液を全部流し込む。端の方が焼けて固まって来たら、端を中央に持ってくるようにかき混ぜ、生焼けのスクランブルエッグのような状態にする。

 卵の中心から少し手前側にチーズ、ミートソースを乗せ、卵が固まりきる前に半分に折り畳む。後は好みの焼き加減になるまで焼いたら完成だ。




「ほいお待ち、『ラザニア』に『ピロシキ』、それに『タコライス』と『オムレツ』な」

 待ちかねたとばかりに料理に飛び付く暁達。それぞれ美味そうに料理を頬張り、顔を蕩けさせている。さて、手が空いた内に俺も色々と仕込むかな。

「ん、司令官……今何を作ってるの?」

 タコライスをむぐむぐやりながら、雷がカウンター越しにこっちを覗き込んで来た。

「あぁ、これか?ストックが無くなって来たんでお通しを仕込んでおこうと思ってな」

 本当はもっと時間をかけて暁のニンジン嫌いを治す予定だったので、多めにニンジンを仕入れていたんだが……予定が狂って余っちまった。だから丁度良く無くなりかけていたお通しを作っておこうってワケさ。

「ふぅ~ん……ねぇねぇ、どんな物を作るか、眺めててもいいかしら?」

「別に構わんが……面白くも無いだろう?」

「そんな事ないわ!料理のレパートリーが増えるもの!」

 流石はロリおかん。家事の上達に余念がねぇな。まぁ、特に気にせず作業を進めるとしよう。




《ニンジンのみ!キャロットラペ》

・ニンジン:3本

・粒マスタード:大さじ1

・オリーブオイル:大さじ1

・酢(リンゴ酢がオススメ):大さじ1

・ハチミツ:大さじ1

・おろしにんにく:少々

・黒胡椒:少々

・乾燥パセリ:少々



 さて、作っていこう。ラペってのはフランス語ですりおろすとか千切り、細切りを示す言葉らしい。スライサーやピーラー、包丁なんかで細く切ったニンジンをマスタードや胡椒を利かせたドレッシングで合わせるサラダなんだが、しばらく馴染ませる時間が必要な事を考えると、サラダというより浅漬けとか甘酢漬けに近い料理だと俺は思っている。お手軽なフランスの家庭料理なんだが……中々どうして、食べ始めると止まらなくなるんだ。

 ニンジンを細く刻んで、軽く塩揉みして15~30分程置いておく。こうすることでニンジンから水分が抜けて漬かりやすくなるぞ。

 その間にドレッシング作り。粒マスタード、オリーブオイル、酢、黒胡椒、ハチミツ、おろしにんにく、乾燥パセリをボウルに入れてかき混ぜておく。


「司令官、そのサラダって具材はニンジンだけなの?」

 俺の作業工程を眺めていた雷が、質問をぶつけてきた。

「まぁ、基本はな。ただ、アレンジとしてレーズンや刻んだミックスナッツを加えたり、オレンジやグレープフルーツなんかの柑橘系と会わせたり……後はアンチョビとか、食べる時に生ハムと合わせても美味いな」

「へぇ……色々出来るのね!」

「まぁ、元がシンプルな料理だからな」

 そうこうしている内にニンジンからいい感じに水分が出てきている。こいつを良く搾って、ドレッシングと混ぜ合わせたら冷蔵庫で1時間程馴染ませれば完成だ。

 あぁ、そうそう。このキャロットラペ、サンドイッチの具にピッタリだぞ?こいつだけで挟んでもいいし、何と言ってもチーズとの相性が抜群だ。暁も花見のニンジンサンドは食わなかったらしいが、今度のキャロットラペで作れば食ってくれるか?

「ん?どうしたの司令官、暁の顔に何か付いてる?」

「……口の周りがミートソースだらけだぞ、暁」

「ええっ!?嘘!」

 まぁ、試さねぇけどな。




 さて、フレンチの洒落たのを作ったお次は和風の落ち着く味を一品。勿論、ニンジンを使った奴な。

《提督流、いかニンジン!》

・スルメ:1枚

・ニンジン:4本

・昆布:スルメの半量

・醤油:100cc

・みりん:50cc

・酒:50cc

・砂糖:大さじ2

・酢:10~25cc

・いりごま(白でも黒でも):大さじ1~2




 いかニンジンってのは福島県の郷土料理でな。その名の通り、細切りにしたニンジンとスルメを醤油ベースのタレで和えた物なんだが、そのシンプルな味がまた後を引く美味さだったりする。


 まずはスルメと昆布だ。香ばしさを出す為と切りやすくする為に、スルメを軽く炙る。冷めると固くなるので熱い内に軍手などを付けてキッチンばさみや包丁を使って細く刻む。昆布もキッチンばさみを使って細く刻んでおこう。一般的ないかニンジンのレシピだと昆布は入らない場合が多いが、入れた方が味が出て美味いんでな、俺は入れるようにしている。

 お次はニンジン。皮を剥いてなるべく薄く切り、そこからなるべく細く千切りにする。
 
 鍋に醤油、みりん、酒、砂糖、酢を入れて沸騰させ、調味液を作る。個人的なポイントは酢だな。昆布と同じく入れる事は少ないらしいが、酢を入れるとサッパリした味わいになるんで、俺は入れている。

 調味液が沸騰したら、火を切って刻んだニンジンにかけて、そのまま室温で冷ます。調味液が熱いままスルメと合わせるとイカの生臭さが立ってきてしまうので、しっかりと冷まそう。

 調味液が冷めたら、丈夫なビニール袋かニンジンを入れているのとは別のボウルにイカと昆布を敷き詰めて、その上から調味液とニンジンを入れる。その上からいりごまを振り、冷蔵庫で馴染ませる。ビニール袋でやる場合には調味液を入れてから袋の空気をしっかりと抜き、それから冷蔵保存しよう。

 漬け込んで一晩経ったら食べ頃だ。冷蔵庫で大体1週間は保つぞ。




「あ~美味しかった!ニンジンなんて楽勝ね!」

「すぐ調子に乗るんだから、暁姉ったら……」

「そのポジティブさが姉さんの良いところであり、悪い所だよ雷」

「諦めるしか無いのです……」

 溜め息を吐く雷の肩に、手を置いて慰める響と電。まぁ、好き嫌いが直ったんなら結果オーライだがな。数日後、暁がニンジン嫌いを克服した事は青葉発行の『鎮守府日報』に掲載され、他の野菜嫌いの駆逐艦を姉妹艦に持つ娘達から直してくれと迫られる事になるのだが……それはまた別の話。 
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