転生とらぶる
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ガンダムW
1722話
「トレーズ!?」
映像モニタを見て最初に驚愕の声を発したのは、俺にとっても意外な事にデルマイユだった。
そう叫ぶデルマイユの姿は、とてもではないが演技をしているようには見えない。
もしこれが実は演技だったりしたら、デルマイユはそれこそ俳優にでもなれるだろう。
……少なくても、デルマイユの外見は貴族として相応しいものがあるのだから。
その分、性格は色々な意味で小物なのだが。
ともあれ、いきなり映像モニタが起動したのを見て驚いたのは、当然デルマイユ以外にもいる。
というか、俺も完全に意表を突かれた形だ。
椅子に座り、足を組んでいるトレーズの手には紅茶が入っていると思われるカップがある。
どうこからどうみても寛いでいるようにしか見えないトレーズだったが、それだけに不気味さをより一層強調されていた。
この世界のトレーズは、原作と同じようにMDの件でデルマイユに反抗し、OZの総帥の座を辞めさせられていた。
それに反発し、OZはトレーズ派、財団派の2つに別れて内乱状態になったのだ。
だが、トレーズ派の中にトレーズの姿はなく、今までどこにいたのかは全く消息不明だった。
原作ではOZの本拠地となっていたルクセンブルク基地に幽閉されていたのだが、この世界ではルクセンブルク基地はまだ連合軍の支配下にある。
つまり、今トレーズがどこにいるのかというのは、俺には分からないのだ。
……そもそも、トレーズがどこにいるのかが分かっているのなら、最初からゼクスを使わないで直接エピオンを盗み出しにいく。
それが出来ないのは、トレーズが行方不明だったからに他ならない。
勿論、連合軍にもトレーズを探すように要請はしていたし、凛もまたこの世界でシャドウミラーとして活動を始めてから築いた人脈や情報網を使ってその行方を捜していた。
セプテムからは、俺の持っている傭兵としての情報網では見つけられないのかと言われたが、そもそも傭兵としての情報網というのは、あくまでも俺の原作知識を誤魔化す為の代物だ。
そうである以上、原作にはない出来事を知る事が出来る筈もない。
そんな訳で厄介な状況に陥っていたのだが……まさか、ここで出てくるとはな。
だが、何を目的とした行動だ?
今のトレーズには戦力らしい戦力なんて存在しない。
それこそ、トレーズ派くらいじゃないか?
「トレーズ・クシュリナーダ。何が目的でこんな真似をしたんだ? まるでデルマイユを助ける為に登場したようにも見えたが?」
驚愕に包まれる中、最初に尋ねたのは俺。
トレーズという人物がどのような能力の持ち主なのかを知っているからこそ、こうして最初に行動に移る事が出来たのだろう。
『ふむ、アクセル・アルマーか。君ならば、私が何故このような真似をしたのか分かるのではないかね?』
「このタイミングでこんな真似をするんだ。まさか、大人しく投降しにきた……なんて事じゃないのは間違いないだろうな」
デルマイユの口から、公式にロームフェラ財団が降伏するという言葉が口に出される前に、こうして姿を現したのだ。
何か独自の考えを持っているのは間違いないだろう。
それが何なのかというのは……それこそ、現在の地球の情勢や、トレーズの性格を考えれば分からない筈がない。
「オペレーション・デイブレイクは失敗したと思うんだがな」
オペレーション・デイブレイク。
その言葉に、会議に参加していた者達のほぼ全てが表情を強張らせる。
それが何を意味しているのかというのは、それこそ誰もが知っていたからだろう。
鉄面皮と呼ぶに相応しいヒイロですら、その名前に表情を変えていた。
そう考えれば、今の俺の一言がどれだけの衝撃を与えたのかは明らかだろう。
……ましてや、原作だとヒイロはオペレーション・デイブレイクでノベンタを含めて連合軍の穏健派を纏めて殺してしまっていたのだから。
『そうだね。君達シャドウミラーという存在を過小評価してしまったのが致命的だった。だが……今は違う。シャドウミラーがどれ程の力を持っているのか分かった、今なら……君達をこちらの考えに巻き込む事は不可能ではない』
オペレーション・デイブレイクが開始された時、俺達シャドウミラーの存在は決して有名な訳ではなかった。
いや、勿論それなり以上に名前を知られてはいたが、それでもまだ全世界に名前が知られているといったところではなかった。
エアリーズ部隊の訓練を始めとして、色々と活動していたのは間違いないのだが。
それでも当時の動きは、OZと完璧に敵対するといったものではなかったし。
それが一変したのが、トレーズが口にしたオペレーション・デイブレイクが起きてから。
連合軍に雇われ、OZの部隊を次々に撃破していった俺達シャドウミラーは、その実力をこれでもかと連合軍に、世間に……そしてOZに見せつける形となった。
ましてや、OZにとっては頭の痛い存在だったガンダムですら部隊に組み込んでいったのだから、シャドウミラーがどれだけ邪魔な存在なのかは考えるまでもないだろう。
それがオペレーション・デイブレイクが始まってからそうなった以上、トレーズが言っている今なら俺達を自分達の行動に巻き込むのは不可能でないというのは……おかしくはない、のか?
実際、こうして俺達シャドウミラーがいるというのを理解した上で行動を起こしているのを見る限り、トレーズの中にはこちらに対する勝算が何かあるのは間違いないだろう。
もっとも、それを受け入れるかどうかというのは別の話だが。
「それで、結局お前は何をやりたいんだ? ……まぁ、こんな行動に出た以上、大体予想は出来るが」
『ふふっ、さすがは私の良き理解者だね。そう。私が望むのは……この歴史のやり直し』
「オペレーション・デイブレイク」
ざわり、と。
俺とトレーズの会話を聞いていた者がざわめきを発する。
そして映像モニタの向こう側では、トレーズが優雅なと評するのに相応しい笑みを浮かべていた。
良き理解者に自分の考えている事を分かって貰えて嬉しいといったところか。
正直なところ、俺がトレーズにとっての良き理解者かと言えば……それは正直どうよ? と思ってしまうんだが。
『ふふっ、やはり君は素晴らしい存在だ。まさに気高い誇りを持った獣……そう、まるでドラゴンの如く』
「っ!?」
そう言われた時、俺の表情に動揺が出なかったのは、自分でも努力した結果だと思う。
ドラゴン……それは、俺の愛機を現していると思ったからだ。
勿論ドラゴンと一言で言っても、 それこそ幾らでも種類はあるだろう。
だが……それでも俺の愛機、もう1つの俺と表現してもいい存在は、嘲笑する虐殺者の名前を持ち、世界樹ユグドラシルの根を喰らい、更には最終戦争と言われているラグナロクすら生き延びるという最強のドラゴンの1つ。
それこそが、幾つもの世界の上に君臨しているシャドウミラーの中でも最強の機体……ニーズヘッグなのだから。
だが、当然トレーズがそれを知っている筈がない。
そもそもの話、この世界で少しでもニーズヘッグの事を知っているのは、それこそ俺と凛、綾子の3人だけだ。
そこから情報が漏れるという事は、まず考えなくてもいい。
だとすれば、偶然か?
「ドラゴン、ね。随分と高評価をしてくれてるみたいだな」
『勿論だとも。君のような存在は、こう言ってはなんだが……今まで見たこともないからね。それこそ、突然この世界に現れたかの如く』
先程のドラゴンの件もあったおかげで、今度は動揺を表情に出さないようにするのは難しくなかった。
それに、トレーズが本気で俺達の事を調べれば、絶対にどこかで引っ掛かるとは思っていたのだ。
一応カモフラージュしているとはいえ、俺達がこのW世界に突然姿を現したというのは隠しようがない事実だ。
詳細に調べれば、必ずどこかで足がつく。
「さて、俺がどんな存在かはともかく……この状況からオペレーション・デイブレイクを行うと言っても、どうするつもりだ? それこそここにいる者達の戦力があれば、トレーズ派がどう動いたところで対処するのは難しくないぞ?」
『ああ、そうそう』
俺の言葉に動揺する様子を見せず、トレーズは口を開く。
『今回の件はオペレーション・デイブレイクではない。その作戦は失敗したのだから縁起が悪いだろう? だから、新しい作戦はこう名付けたのさ。……オペレーション・サンライズと』
サンライズ……日の出の意味か。
デイブレイクは夜明けだった事を考えれば、デイブレイクよりも1歩先に進んだ現象とも考えられる。
「なるほど。……けど、それでどうするんだ? 何かあっても、こっちはすぐに行動に出る事が出来るんだぞ」
トレーズにそう言いつつも、俺達の機体が……より正確には、機体が格納されているHLVがある場所はここからかなり離れている。
転移魔法を使えばすぐにでも移動出来るが、走って移動するとなると相応の時間が掛かってしまう。
『分かっている。だから、こうさせて貰おう。トレーズ・クシュリナーダの名に於いて命じる。シャドウミラーが余計な動きをしたら、その場にいる者を全員殺せ』
は? 誰に言っている?
そんな疑問を抱き……だが、すぐに振り返る。
そして俺の視線が向けられた方にいたのは、ナイフをデルマイユの首に突き付けている人物。
または拳銃をそれぞれの標的――連合軍、中東連合、サンクキングダム含む――に向けている者達の姿。
「き、貴様等! 何のつもりだ!」
そう叫んだのは、デルマイユ。
……当然だろう。何故なら、デルマイユの首にナイフを突き付けているのは護衛として連れてこられた者達だったのだから。
そして拳銃をそれぞれに向けているのもまた、デルマイユの兵士達……だけではない。
それこそデルマイユが連れてきた護衛の兵士達は、全員がトレーズの命令に従って武器を構えているが、連合軍、中東連合、サンクキングダムの兵士達も連れてこられた者の何人かはそれぞれが拳銃やナイフを取り出し、味方の筈の……それこそ本来なら自分達が護衛をしなければならない人物に向けて突き付けていた。
唯一裏切り者がいなかったのは俺達シャドウミラーだけだが、これは単純に人数が少ないからだろう。
そうしてトレーズの命令に従った兵士達の持っている武器を見て、微かに眉を顰める。
本来ならこの会議場に入る前に武器を持っていないかどうかをチェックする筈だった。
にも関わらずこうして持ち込めているという事は……あのチェックをした人物にもトレーズの手の者が潜んでいたという事になる。
ましてや、それぞれが持っている武器はナイフではあっても金属のナイフではなく、竹や木を加工したかのようなナイフだし、拳銃の方も金属製ではない。
金属探知機の類も一応あったのだが、それをすり抜けるのに使ったのがこの竹製のナイフとプラスチックか何かで出来ている拳銃か。
「……随分と手回しのいい事だな」
『言っただろう? 君達のような存在を考えの内に入れると。正直な話、君と正面から戦って勝てる存在というのはそう多くはないだろう。だが……それなら戦闘に参加させなければいい。正直、私としてもこのような手段は趣味ではないのだが……そうも言ってられなくてね』
「随分と、エレガントじゃない手段だな」
俺の言葉に、トレーズはただ笑みを浮かべて受け止める。
まぁ、本当にこの手段がエレガントではないのかと言えば、そうだとは言い切れない。
俺にはその辺りの判断がそこまで完璧に出来る訳ではないのだが、原作でもMDのテストに乱入したトレーズは兵士を使ってツバロフを殺そうとした。
それは、現在のこの状況と似通っていると言ってもいい。
勿論規模という面では大きく違うのだが。
『ふふっ、そうかもしれないね』
そう言いながらも、トレーズは紅茶を一口飲む。
落ち着いている様子は、いっそ憎たらしいと言ってもいい。
……にしても、さて、これからどうしたものか。
敵の数はざっと見たところ30人近い。
それだけなら問題はないのだが、この場合は銃口やら刃先を突き付けているところだ。
誰かが何かを行動しようとすれば、すぐに引き金を引くなり、刃で斬り裂くなりといった真似が出来る。
俺と綾子だけの身体能力で、この状況をどうにかするのは……難しいだろうな。
どうしても順番に片付けていけば後ろに回された兵士程に時間的な余裕が出来る。
かといって、デュオや五飛といった面々では、まだそこまでの身体能力はない。
そしてこの場にいる者達はこれからのW世界を引っ張っていく者達であり、ここで殺される訳にはいかない。
仕方がない……か。
小さく溜息を吐き、俺は覚悟を決め……行動に移す。
「死ね」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1225
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1347
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