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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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261部分:第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその五


第二十二話 ガルフォード、見てはいけないものを見るのことその五

「できればこの世界でも会いたいがな」
「会えるといいな」
「そうだな、是非な」
「サウスタウンか」
 ここでだ。二人のところに夏侯淵が来た。額にうっすらとかいた汗が妙に艶かしい。どうやら彼女も鍛錬をしていたらしい。
「ジョン殿のいた街だったな」
「ああ、夏侯淵さんか」
「そうだ。そのサウスタウンだが」
「そこがどうしたんだい?」
「そこから来た人間に今会った」
 そうだというのだった。
「我が陣営に加わりたいとのことだ」
「へえ、それで誰なんだい?」
「何でもロディ=バーツとレニイ=クレストンというらしい」
「ああ、あの二人か」
 ジョンは名前を聞いてすぐに応えた。
「探偵の二人だな」
「知っているのか」
「よくな」
 こう夏侯淵に答えるのだった。
「拳を交えたことはないんだがな」
「それでもか」
「そうさ。それにしてもあの連中も来たなんてな」
「楽しそうだな」
「知ってる奴が来るのは楽しいさ」
 その通りだと答えるジョンだった。
「やっぱりな」
「そうか」
「ああ、それでだけれどな」
 ジョンはあらためて夏侯淵に対して問うた。
「二人は今何処なんだ?」
「今姉者に連れられて華琳様の面接を受けている」
「そうか」
「我々の陣営に迎え入れられるのは間違いない」
 それはだというのだった。
「また面白い人材が来てくれたな」
「そうだな。俺も寂しくはないしな」
「ふふふ、貴殿がそう言うか」
 夏侯淵はジョンの今の言葉についつい微笑みとなった。
「意外だな」
「意外かい?俺が寂しいって言うのは」
「どうもそういう印象ではなくてな。むしろ一匹狼の感じがする」
「空じゃそうさ。けれど海や陸じゃ違うさ」
「そうなのか」
「そうさ。それにしてもどんどん人が来るな」
 ジョンはこのことを心から喜んでいるようであった。
「賑やかになってくるな」
「そうだな」
 ここでだ。半蔵が来た。しかし三人の誰もそのことに驚きはしなかった。
「わかっていたか」
「特に気配は消してなかったよな」
 ガルフォードはこうその半蔵に対して言葉を返した。
「そうだよな」
「うむ」
 半蔵もガルフォードのその問いに対してこくりと頷いてみせた。
「その通りだ」
「ならわかるさ。確かに気配は感じにくかったけれどな」
「忍だったな」
 夏侯淵はその半蔵にも顔を向けた。そのうえで彼にも声をかけた。
「貴殿もまた」
「その通り」
 半蔵は彼女のその問いにこくりと頷いて答えた。
「伊賀の忍に他ならぬ」
「俺は一応甲賀なんだよ」
 ガルフォードは笑って夏侯淵にこう話した。
「伊賀と甲賀はまあいいライバル関係にあってな」
「ライバル?競争相手のことだな」
 夏侯淵はガルフォードの言葉に一瞬怪訝な顔になったがすぐにこう返した。
「そうだったな、確か」
「まあそういうところだな。俺も半蔵さんを目指して日々精進してるんだよ」
「それはいいことだな。それでガルフォード殿」
「ああ、何だ?」
「貴殿がいつも連れているその犬達だが」
 夏侯淵は今度はパピー達を見ていた。
 
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