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レーヴァティン

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第九話 別れその四

「中には悪人、いや屑もだ」
「いるかも知れないか」
「そうかも知れない」
「そうだよな、世の中善人も悪人もいてな」
「屑もいる」
 英雄はそうした輩については吐き捨てる様にして言った。
「人間ですらない餓鬼道に堕ちた奴がな」
「生きていたら駄目なレベルの奴だな」
「俺が前に話した連中もそうだった」
「暴力教師や出席簿改竄していた奴か」
「どちらも人間ですらなかった」
「餓鬼か」
「その域にまで堕した奴がな」
 人は心で人間となる、それが堕して餓鬼になれば餓鬼になる。人間の姿形のままであろうともそれでもだ。
「いる」
「そうだよな、俺もな」
「そうした奴を見て来たか」
「その時はすげえ嫌な思いしたさ」
 そうした餓鬼にまで堕した輩をというのだ。
「本当にな」
「御前もそうだったか」
「ああ、平気で嘘を吐いて人を騙し続けて弱い者いじめと罵倒が得意でな」
「心底見下げ果てた奴か」
「そうだったな」
 久志から見てもだ。
「性根が腐りきっていたな、中学校の時に一緒だったが一年目で学園全員から嫌われたな」
「当然だな」
「それでも何も知らない奴を騙そうとばかりしていたな」
「正体を知っている者が多くてもな」
「それでも嘘吐いてな」
「人を騙し続けていたか」
「何も知らないな、被害者意識も強かったしな」 
 加害者であるがというのだ。
「その場で指摘された嘘をそのまま言ったり汚い罵倒喚いたりな」
「ほぼ病気だな」
「人格障害者だな」
「違うか」
「そうかもな、異様に下品で嘘吐きでな」
 久志は英雄の指摘を否定せずに述べた。
「自分以外の他人を徹底的にコケにしていて被害者意識はそうでな」
「強くてか」
「異常にな、だから余計に嫌われてな」
「誰からも相手にされなくなったか」
「一年が終わる頃にはな」
 完全にそうなったというのだ。
「学年全員が正体を知ったからな」
「そうした奴に会ったか」
「ああ、今はどうしてるかな」
「碌な奴になっていないな」
「最底辺の高校に行ったけれどな」
 成績がというのだ。
「まあそこでも何も知らない奴騙してるだろうな」
「そして騙していることがばれているか」
「絶対にそうなってるさ」
 それこそとだ、久志は吐き捨てる様にして言った。
「信頼を失っても悪事がばれても全然平気な奴だったしな」
「心底の屑だな」
「病人レベルのだな」
「俺が会って来た連中と同じレベルか」
「もっと下かもな」
「否定しない、餓鬼の中でもな」
「最低ランクだな」
「全くだ」
 最早そのレベルだというのだ。 
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