ONEPIECE 空の王者が海を征す
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空の王者、聖地の真実を解く
「よ~し野郎共、行くぞアッパーヤードに!!冒険じゃなくてナミを探しに!!」
「おいルフィ、テメェ本当にナミさんが目的なんだろうな!!?!」
絶対に入ってはいけないと言う禁断の土地、アッパーヤードの話を聞いてしまってルフィはすっかりそこへ行く気満々冒険気分になりキラキラとした笑みを浮かべながらいざ船に乗り込もうとしながら大声を張り上げる。彼の中では禁断の聖地を冒険するのが第一で中々帰ってこないナミを迎えに行く事など何処かに捨てているのだろう。ある意味ルフィらしいのが何とも言えない。
「あのすいません、現在風向きが宜しくありません。このままアッパーヤードに行くのであればかなりの時間が掛かると思われます!!」
「なにぃ?!おっさん、かなりってどの位なんだ!?」
「そ、そこまでは……風に聞いていただかなければ……すいません。この船がダイヤルエネルギーを使用してるのであれば大した時間は掛からずにすむのですが」
勇んで出発しようとしているがそれでも風向きが悪く出発出来ない、ある意味これで良かったのかもしれないとウソップは安心するがルフィはすぐさまレウスに船を引っ張ってくれと要請する。少々渋りながらもナミが心配なのは変わらないのであくまでナミを迎えに行くと言う事を念頭に置くと言う事で了承しロープの準備に取り掛かる。船体に大きめの鉄の輪が付けられたロープを括り付け、後は完全竜化したレウスが引っ張るだけと言う事になると言うところでエンジェルビーチに何やら軍服にも見えるような服装をした集団の男達がやって来た。
「コニス、あれって何だ?」
「ホワイトベレー部隊です、この島で法の番人というべきでしょうか」
「ある種の海軍みたいなもんか」
『へそっ!!』
「「へそっ」」
「やっぱり、あれ挨拶なのか……」
WB部隊という男達は船に乗っている此方に体を向けるともう一度へそっ!と言う、一応挨拶なのか?と思っているレウスとビビ、そしてロビンはへそっと返す。
「これは態々どうも、我々はホワイトベレー部隊。神官直属の部下である法の番人であります、貴方方ですね青海からの入国者と言うのは」
「ああそうだが……」
「失礼ですが入国の証である手帳を願います」
「あっはい!えっと手帳なら私が預かってます!」
ナミが濡らすといけないとウェイバーに乗る前にナミに渡していた手帳をWB部隊の隊長と思わしき人物に渡す、彼は手帳を確認しながら名前を見ながら人数を確認していく。
「確認いたしましたがお一人足りないようですが」
「ああはい、実は最後のお一人であるナミさんは私が貸したウェイバーに乗って遊んでいるのです。しかし帰りが遅いのでこれから探しに行こうと皆さんと」
「成程そうでしたか。しかし申し訳ありませんが此処で待機を願います、全員揃い確認を取らせて頂きたい。これでもスカイピアに住む皆様の安心の為です」
「え~?困るぜそれは、それじゃナミが行っちゃ行けねぇ所から帰ってきちまう!」
そのルフィの言葉に隊長は瞳を光らせた、一体如何言う意図があるのかと。
「行っては行けない所、それはつまりアッパーヤードへ行ったと言う事ですがそのナミと言う方は」
「い、いえまだそれが決まった訳ではありません!しかし帰ってこないのでもしやと思い心配しているのです!!」
「……怪しいですね。もしも貴方方が禁断の聖地への侵入を企てていたのであれば、既に第2級犯罪者という事になりかねんませんが」
「だ、第2級!?ち、違います!私たちは唯ナミさんを探しに行きたかっただけです!その聖地という場所に足を踏み入れるつもりなどはなく、そこに行ったかもしれないと言う危惧があるからその場所とこの場所の間を探そうと言う事でして……!!」
何とかビビがこの場を脱しようと説得を試みる、王女と言う立場から多くの学問を修めておりその中には交渉なども含まれている。必死に自分たちの無実を証明する為の材料を組み立てつつ相手に機嫌を損ねる理性に訴えかけこちらの話を聞いて貰えるようにして行く。WB部隊の隊長はビビの言葉とその熱意、そして冷静な話の組み立て方とコニスやパガヤの証言も合わせていくと信じても良いという結論に至った。
「……良いでしょう。お嬢さん、貴方の言葉は信じても良いという結論に至りました。ですがそのナミという方がいらっしゃりましたら是非ラブリー通りにあるWB部隊への連絡所へ来て頂きたい。それで、宜しいですね」
「はい有難う御座います!」
「では、これにて!!」
『へそっ!!』
再び挨拶をすると今度は匍匐全身で元来た道を戻っていくWB部隊、法の番人と言うにはあまりにも奇抜で変態のような部隊だ。それでもなんとか事情を解ってくれただけでも十二分な収穫なのだが……今回はビビの話術と交渉術が非常に役に立っている。WB部隊が帰っていくのをみてビビは思わず大きな溜息を付きながら汗を拭った。
「流石ビビちゃん、王女様だ。見事な交渉だったぜ」
「は、ははっ……さ、流石に緊張しちゃいました……」
「いやよくやってくれたぜビビ!!これでいきなり犯罪者って事は逃れられた!」
ビビは周囲からよくやってくれたと褒められまくると顔を赤くしながらも嬉しそうに笑いながら酷く照れている、今までは何かとミスをしたりドジをしたりという印象があったがこれでかなりイメージが変わったのではないだろうか。そんな時にウェイバーに搭乗したナミが海岸にフルスピードで突っ込んできた。船体を曲げるようにして無理矢理スピードを殺すと皆に鬼気迫るような表情をしている。
「皆急いで船を出すわよ!!!急いで!!」
「ナミさん一体如何したんだ?遅いから俺たち迎えに行こうにしてたんだぜ?」
「それは悪かったけど、私見たのよ、とんでもないのを!!」
ナミが語ったのは空島にも存在したと言う地面がある島、そこは樹齢1000年以上であるだろう樹木が乱立する森が茂りそこでは神官というとんでもない連中が他の空島から来たと言う航海者を襲っていたという。そしてそこに白海で自分達を襲ったゲリラまで現れたと思いきや、突如空が光だし航海者を一瞬の打ちに島の一部ごと消し去ってしまったというのだ。
「ナミさんアッパーヤードに行ってしまったんですか!?何て事を……」
「行ったと言うか島の周りに居ただけよ!?それでもとんでもないのよ神とか神官とかって!!!しかも今度は私達を標的にするとか何とかかんとかって言ってたのよ?!」
「俺達を!?」
「ええ、なんか罠にはめるとか行ってたから大急ぎで此処を離れないと不味いのよ!!」
ナミの説明を聞きウソップやチョッパーもこの島を離れる事に大賛成したがルフィはその話を聞いてますますアッパーヤードに行きたいと言う欲を掻き立てられていた。ナミは必死にルフィを食い止めようとしている中レウスがパガヤに質問した。
「パガヤさん、アッパーヤードって言うのは島雲なのか?」
「い、いいえ違います。元々はこの空にない物、大地と呼ばれている物です。数百年も前に神によってこの空島へと与えられたとされています、すいません」
「数百年も前に……与えられた……?」
「数百年前と言えば、ちょうどノーランドがジャヤにあったと言う黄金郷を発見した時期と重なるわね」
話を聞いていたロビンも興味をそそられたのか其方へと参加した。何かが引っかかるレウス、この空にない大地のある島。それは数百年前にこの空に現れた、そしてノーランドは再び訪れたジャヤには黄金郷はなかった……様々な情報を繋ぎ合わせていくと突如レウスの脳裏にある考えが浮かんだ。
「まさか!?皆集合だ!!」
突然大声を出して全員を招集をするレウス、一体なんだと言いながらも皆は集まる。
「如何したのよレウス、急がないと不味いわよ!?」
「ああ。だけど凄い事が解ったかもしれない。皆、落ち着いて聞いてくれ、だがこれに確証はないが」
「いいよ信じるから。だって仲間のいう事だし」
「……サンキュルフィ。まず、この島に大地のある島は存在していなかった。そのアッパーヤードという島は数百年も昔に神によってここに来たと今パガヤさんから聞いた」
皆はパガヤの方を向くと肯定しながらもう一度話をする。
「そしてクリケットさんの先祖であるモンブラン・ノーランドは数百年前にジャヤに黄金郷を見つけた」
「時期がピッタリ合うな」
「ああ。そして再び訪れたがそこに黄金郷はなかった……此処までは良いか?」
首を縦に振りながら早く続きを話してくれと急かす。
「次に青海でクリケットさんの家についてだ、あの家は2階建てなのに何故か2階へ行く為の場所が無かった」
「欠陥住宅か?」
「そうじゃない、俺が言いたいのは……黄金郷であるジャヤはこの空島にあるアッパーヤードの事じゃないのかって事だ!!」
『な、なにぃ!!?』
思わず驚愕してしまった、あの猿山連合軍の皆が捜し求めていた黄金郷。それは海底に沈んだのではなくこの空へと上がってきたのではないかと言うのだから。
「じゃ、じゃあどうやって空まで上がってきたって言うんだよ!?島だぞ島!?」
「それは恐らく突き上げる海流だろうな、島さえ吹き飛ばすようなとんでもない爆発が起きたんだ」
「有り得るわね……クリケットさんは爆発位置は毎回違うって言ってたし」
「それじゃあノーランドの日誌にあった髑髏の右目に黄金を見たって言うのは……」
「さあ、やって見ればわかる。ウソップ、スカイピアの地図だ。ナミちゃん、ジャヤの地図を」
二つが出されレウスはそれを何とか合わせてみようと苦心してみる、クリケットが住んでいた家の位置を計算しスカイピアの地図を合わせようとする事約15分、それは実を結んだ。二つの地図、それを合わせてみた結果ジャヤと言う島の本来の姿が現れた。それはまるで巨大な髑髏のような形をしていた。
「髑髏に見えるぞ!!んじゃ黄金は…!!」
「右目、此処だな。さあ如何する皆、黄金は目の前まで来てるみたいだぜ。海賊として、行くか?それとも逃げる?」
「決まってるじゃねえか、海賊が目の前のお宝を逃すかよ」
「よぉ~し野郎共やるぞぉぉぉお、黄金探しぃぃぃぃっっ!!!!!!!」
『おおおおっっ!!!!』
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