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とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫

作者:叶愛
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  科学の街で都市伝説

 
前書き
湊『遅くなりました!!!』
美琴『間抜けな作者を焼いてもいいわよね?』
湊『うん、焼いていいよ。』
美琴『よし、さて作者ー?』
──作者は瞬足で瞬間移動しました。
湊『とりあえず本編行こっか。』
美琴『えぇ、それじゃあ本編へ!』 

 
湊の過去を聞いてから数日が経過していた。

私はある人物を探していた。

「………いったいどこにいるのかしら?」

ある人物──それは、幼馴染みの御坂湊。

あれから色々と思い出してはママに聞いて、思い出しては聞いての連鎖を繰り返してやっと真相に辿り着いた。

そして、私は今までの事を謝らなければ……と思い今に至った。

「大丈夫ですよ、気をつけてくださいね?」

「あぁ、ありがとう。」

前の方から聞きなれた声と知らない声が聞こえた。

青い車の前で女性と会話する湊の姿だった。

──こんな所にいたのね……、それにしてもあの人は誰かしら?

私は少しずつ近づいて行き二人の会話が終わるのを待っていた。

「では、私は行くとしよう。」

「はい。」

そう言った女性は青色の車に乗り、走っていった。

「ふぅ……。」

「湊。」

「ん!?」

私は溜め息を付いていた幼馴染みに話しかけた。

湊はびっくりしたようで物凄い勢いで後ろに振り返ってきた。

「あぁ…美琴か。」

「何よ、私と会ったら何か都合でも悪いわけ?」

「いやいや、そんな事ない!」

私が不満な声で話すと、焦ったようで慌てて弁解をしてきた。

「まぁ良いけど、それより今の人は誰?」

「見てたんだ、俺もよく知らないんだけど……」

そう言って湊は事の流れをざっくりと説明してくれた。

──自分が止めた車の場所が分からないってどういう事よ……。

何でも、あのバカ(上条)が車を止めた場所が分からないと困っていた先ほどの女性に救いの手を伸ばしたらしい。

だが、あのバカは女性の車の手がかりが殆ど皆無だった時に偶然会った湊に「買い物があるから頼む!」とだけ言ってその場から逃走し、湊にバトンタッチ。

その後は探してー……で現状に至ったらしい。

「当麻……、次会った時に絞めてやろうかな?」

「アンタが言うと洒落になんないからやめて。」

「そうかな、でもそれは美琴も同じでー……」

そんなたわいもない会話をしながら、寮に向かっていると湊が急に止まった。

「ちょ、急にどうしたのよ?」

「…………さーて。」

顔を伏せていた湊が急に微笑みながら、顔を上げて話し始めた。

「お、湊!さっきはありが……湊…さん……?」

湊が向いた方向の角から────。

「やぁ、さっきぶりだね?」

「え、えっとー……何でそんなに殺意むき出し何でせうか……?」

「何のことだろうね、殺意なんて出してる覚えはないかなぁ?」

──あー、これは……。

湊はゆっくり馬鹿に近寄る、黒い笑みを浮かべながら。

「どうなるか分かってるよな?」

「……………。」

「お相手願おうか、上条。」

「す、すみませんでしたぁぁぁぁ!」

と言うことで河川敷に移動する私達。

正直に言うと、こうなった湊は誰にも止められない。

「あ、あの湊…さん…?」

「あ?」

「あ?はやめろ…!ほんとに怖いか……!?」

「あはは、ちゃんと避けねぇと死ぬぞ?」

「目が笑ってねぇから!!」

──あー、これ死人出そうね……。

「どうせお前には効かないだろうが!」

バチッ!

湊が右手から作り出した電撃を馬鹿に向けた。

だが、その電撃は馬鹿に当たる事も流れるわけでも無く消えた。

「あっぶねぇ…!」

「あー、もう殺るか。」

「漢字!『やる』の変換が違うからな!?」

「あはは、感謝しな。」

「したくねぇよ…!」

湊の全身から電撃が流れ始める。

──ちょっと待って、このままじゃ…!?

「あ。」

「あ?」

馬鹿が「やばい」とでも言いたそうな顔をしながら変な声を上げた。

「警備員が………。」

少し遠くからサイレンの音が聞こえる。

「あ。」

「アンタ、少しは遠慮しなさいよ!!」

「と、とりあえず解散だぁぁぁ!!」

私と湊、馬鹿は二手に分かれた。

ひたすら走り、サイレンの音が完全に聞こえない所まで走ると気がつけば寮前にいた。

「はぁはぁ……とんでもない事に巻き込まれたわ……。」

「不幸の塊の恐怖が改めて感じた……。」

湊は私の横で溜め息混じりに呟いた。

「それじゃあ、俺もそろそろ帰るよ。」

「えぇ、あ。」

私は本来の目的を忘れていた。

──まだ謝ってないじゃない……!

「ん?どした?」

「あ、あの……。」

「ん?」

──いざ言うとなると緊張するわね……。

私はスカートの裾をぎゅっと掴みながら、無意識に上目遣いで湊の顔を見た。

「ど、どした?」

──もう言うわよ、私…!

「その……今まで冷たく当たっててごめん……なさい。」

「え?」

本日2度目の驚きなのか、湊は目をパチくりしていた。

「湊の……考えや事情を知らずに私の一方的な勘違いで傷つけたから……。」

湊は、私の話を聞いて納得したのか微笑んで私の頭にポンと手を置いて撫でながら話した。

「そんなこと気にしなくていい、間違いは誰にでもある。それに俺だって美琴の記憶を改竄してる、お互い様さ。な?」

私は顔を伏せながら返事をした。

「………うん。」

「あー、そんな顔するなって。」

湊は笑顔で私の顔をのぞき込んで「大丈夫。」と何度も言った。

「………ねぇ。」

「ん?」

──この際、ハッキリさせてしまおう。

私はこの流れのまま、ある事を聞きたかった。

自分が、どこか心配だった事。

「私と湊の関係って……何?」

「………そうだな。」

湊は少し考えてからゆっくりと答えた。

「美琴が俺を『兄』と判断したら『兄』、美琴が『幼馴染み』と判断すれば『幼馴染み』かな。」

「そ、そう……。」

「でも。」

湊は真剣な顔になって呟いた。

「俺にとって美琴は『妹』であり、『1人の女の子』でもある大切な人だ。」

「っ!?」

──ほんと、さらっと恥ずかしいことを……。

美琴は目の前の少年から出た言葉に赤面し、顔を逸らした。

「ば、馬鹿じゃないの!」

「痛っ!?叩くなって!」

それから数日後、佐天さんに呼ばれた私達は都市伝説を聞かされた。

『脱ぎ女』という犯罪ギリギリの女性。

そして、その話の人物が─────。

「そう言えばこの前の車の人、いきなり服脱いでたな……。」

『え。』

湊の一言に、その場にいた私達4人は間抜けな声を上げた。 
 

 
後書き
大変遅くなりました……!
中間が終わって書き始め、部活やら何やらが続き……。
本当にすみません……。
そろそろ『ソードアート・オンライン ~黒の流星~』も進めなければ。
こちらが主ですが(笑)

では、これからもよろしくお願いします!
と言うことで予告!
─────────────────────

湊の言葉に驚く4人の少女。

そして、再び再開した脱ぎ女らしき女性。

ゆっくりと忍び寄る影。

「何だ……嫌な予感がする……。」

次回 『倉庫(バンク)と現実の誤差』 
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