提督はBarにいる。
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『冷し』で暑さを乗り越えろ!・4
「お茶漬け美味しそうですね……司令、択捉にも何か作って頂けますか?」
「あぁ。何が食べたい?」
「そうですねぇ……あ、冷たいカレーなんて出来ますか?」
「カレーは得意料理だぜ?任せとけ」
以前、『昨日のカレー』と称して温かいカレーを冷して食べる食べ方を紹介したが、今回は『冷やしカレー』……冷たくして食べる事を前提に作るカレーだ。その辺の違いも楽しんで貰おうと思う。
《お弁当にも!クールチキンカレー》※分量2人前
・鶏挽き肉:200g
・生姜:15g
・玉ねぎ:1個
・人参:1/4本
・ピーマン:2個
・水:150cc
・カレールウ:40g
・塩:小さじ1/2
・カレー粉:小さじ1/2
・トマトジュース:200cc
・オリーブオイル:大さじ1
・ご飯:400g位
さて、作っていこう。まずは使う野菜とカレールウを細かく刻んでおく。トマトジュースは冷蔵庫に入れてキンキンに冷やしておく。
今回のカレーに使うのは鶏挽き肉。前に弁当の話をした時にも話したと思うが、牛や豚だと脂が冷えて固まっちまうからな。今回は冷やす前提だから鶏肉を採用した。フライパンにオリーブオイルを引いて馴染ませたら、鶏挽き肉と生姜を入れて炒める。生姜の香りが立ってきたら、玉ねぎ、人参、ピーマンの順に加えて炒め、全体がしんなりしてきたら水を加える。
水を加えてから煮立ってきたらカレールウを加えて、溶かしながら弱火で5分程煮込み、火を止める。
冷やしておいたトマトジュースに塩、カレー粉を加えて溶かし、カレーに混ぜて冷蔵庫で冷やす。しっかりと冷えたら器に盛って、ご飯とは別に盛り付ければ完成だ。まぁ、ご飯でなくてもトーストに乗っけたりとか、スパゲティに絡めるとか、色々な使い方が出来るけどな。
「はいお待たせ、『クールチキンカレー』だ。野菜に付けて食っても美味いから、欲しかったら言ってくれ」
「そうなんですか?じゃあ……キュウリをスティックにしてもらって良いですか?」
「あいよ、ちょっと待ってな」
俺がキュウリを切っている間に、択捉はカレーをスプーンで掬い、ご飯にかけて頬張っている。その顔は何とも幸せそうで、見ているこっちも幸せになりそうだ。
「あいよ、キュウリスティック」
択捉はキュウリを受け取ると、カレーに突っ込んで絡め、パクリ。瑞々しいキュウリにカレーのスパイスが効いて、いい感じのディップソースにもなるんだな、コレが。択捉もその味が気に入ったらしく、キュウリをかじっては傍らのビールをチビチビやっている。
「ねぇ提督、冷たい肉料理って出来るのよね?」
「あぁ、出来るぞ?」
「じゃあねぇ……冷たくて、ビールが進む肉料理なんて出来るかしら?」
五十鈴の奴め、俺に難問吹っ掛けようとはいい度胸じゃねぇか。
「いいぜ、チャチャッと作っちまうから待ってな」
「は~い♪楽しみにしてるわ」
さて、作る料理は……豚キムチだ。
《炒めずに和える!冷たい豚キムチ》※分量2人前
・豚ロース肉(しゃぶしゃぶ用):200g
・玉ねぎ:1/4個
・キュウリ:1本
・ニラ:1/4束
・白菜キムチ:150g
・豆もやし(普通のもやしでもOK):1/2袋(100g)
・えごまの葉(無ければ大葉):6枚
・ごま油:大さじ1
・醤油:大さじ1
・酢:大さじ1
・白ごま:大さじ1
・塩:少々
普通豚キムチと言えば豚肉とキムチ、それにニラやもやしなんかを一緒に炒めて作る料理だが、実はこれも調理方法を変えれば冷製に仕立てる事が出来る。まずは野菜類の下拵えから。
玉ねぎは薄切りにして10分位水に晒して辛味を抜き、ザルにあけて水気を切る。キュウリも縦半分に割ってから斜め薄切りに。ニラは5cm程度に切り揃え、キムチは汁気を絞ってから食べやすい大きさに刻む。……あぁ、キムチの絞り汁は味付けに使うから、大さじ1位取っておいてくれな。下拵えをした野菜は、ニラ以外冷蔵庫に入れて冷やしておく。
鍋に湯を沸かし、塩を少々入れたら豆もやしを入れて6~7分茹でる。茹で上がったらザル等にあけて冷まし、水気を思慕ったら冷蔵庫に。
同じ鍋でニラをサッと茹で、水気を切ったらこれも冷蔵庫へ。最後に肉を茹でてしっかりと湯切りをしたら、肉も冷蔵庫で冷やす。
具材がしっかりと冷えたら、ボウルにごま油、醤油、酢、白ごまを混ぜてタレを作る。野菜と肉を加えて和えたら、盛り付けの際にえごまの葉を刻んで散らしたら完成。
「さぁ出来たぞ、『冷やし豚キムチ』だ」
「ま、まぁ?大事なのは味よね、味……」
まさか出てくるとは思っていなかったのか、五十鈴は頬をヒクつかせながら豚キムチをつまみ上げて頬張る。シャクシャクと野菜を咀嚼する音が響く。俺は助手である早霜に目配せをすると、早霜はジョッキにビールを注ぐ。
「ほれ、ビール」
無言で受け取った五十鈴はグビリ、グビリ、ゴクゴクと喉を鳴らしてジョッキの半分程を一気に飲み干した。
「……で、感想は?」
「完敗ね。とても美味しかったわ」
一言そう言った五十鈴は、豚キムチをもう一度頬張った。その美味そうな顔だけでも、答えは解ってたんだけどな。
「う~……そろそろお腹一杯っすぅ…」
占守は多少膨れた腹をさすりながら、ケプッと小さくゲップをしている。
「何だよ、残念だな。こっから冷やし麺のオンパレードだったのに」
「えっ!?」
「そりゃそうだろ?冷たい料理と来たら、麺料理は外せねぇよ」
蕎麦、うどん、冷や麦、素麺、中華麺、パスタ……身近にある麺だけでも、全てに冷製の料理がある。
「う~……わかったっしゅ!こうなったら限界まで食ってやるっす!」
「おいおい、無理はすんなよ?」
さて、まずは和の麺にも合う『冷やし担々麺』のレシピから。
《豆乳で簡単!ヘルシー!冷やし担々麺》※分量1人前
・お好みの麺(素麺か細めのうどんオススメ):1束
・肉味噌:大さじ2
・豆乳:300cc
・味噌:大さじ1~1.5
・鶏ガラスープの素:少々
・すりごま:大さじ1
・ラー油:小さじ1~
※その他、刻みネギやらトッピングはお好みで。
さて、作っていこう。肉味噌のレシピに関しては前にも作ったりしてっから、そっちを参考にしてくれ。麺は茹で時間の目安通りに茹でておき、ザル等にあけて流水で〆ておく。
器に味噌、鶏ガラスープの素、すりごまを入れて練ったら、豆乳を少しずつ入れて延ばしていく。味噌がちゃんと溶けたら、茹でておいた麺をしっかりと水を切ってから器に入れ、肉味噌、ラー油やネギ等のトッピングを乗せたら完成だ。
「さぁ出来たぞ、『豆乳冷やし担々麺』だ。麺は素麺で細いから、ツルッとイケるぜ」
肉味噌とラー油、麺をよく混ぜて絡め、ズルズルと啜る。担々麺というから辛いのかと思えばそんな事は無く、むしろ豆乳のお陰でマイルドになっている上に味噌が和風に近付けているので日本人好みの味になっている。
「美味いっす!お腹一杯だと思ったけど、すんなり入っちゃったっす!」
気に入って貰えたようで何よりだな。じゃあついでに豆乳を使ったうどんを一品ご紹介。
《豆乳でマイルド!冷やし明太クリームうどん》分量2人前
・豆乳:200cc
・生クリーム:30cc
・めんつゆ50cc
・だし汁:適量
・明太子:2本
・うどん:2玉
・刻みネギ:適量
・大葉:適量
・白いりごま:適量
さて、作ろうか。鍋に豆乳、生クリーム、めんつゆを入れ、温めながら少しずつ出汁を加えて延ばしていく。クリーミーな汁がいいなら出汁は少な目、アッサリがいいなら出汁は多目に。そこは個人の好みで調整してくれ。汁の濃さが決まったら火を止めて、明太子をほぐして汁に溶いて冷蔵庫で冷やす。
うどんを茹でて水で〆たら、冷えた明太スープをかけてネギ、大葉、白いりごま等を散らせば出来上がり。
「どうだ?国後」
「うん、まぁ美味しいんじゃない?」
口振りは素直じゃねぇが、かなりの勢いで食べてるから美味いんだろうな。さぁて、まだまだ冷やし麺のレシピはあるからな。
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