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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1711話

 最初からドーバーガンを捨て、そのままビームサーベルを手にしてこちらに向かって突っ込んで来るというゼクスの考えは、この場合決して間違っている訳ではない。
 そもそもの話、ウイングゼロは主武装がコロニーですら破壊可能なツインバスターライフルであったり、両肩に装備されているマシンキャノンはビルゴを破壊可能……つまり、ガンダニュウム合金ですら破壊可能な威力を持っていたりと、射撃を得意としている機体だ。
 そうである以上、ツインバスターライフルのような取り回しの悪い射撃武器を使いにくくするという意味でも、近接戦闘を挑むというのは決して間違ってはいない。
 もっとも、近接戦闘でもマシンキャノンは普通に使えるし、ウイングゼロのフレームとなったゼロフレームというのはビーム兵器の威力を増す。
 そしてビーム兵器というのは、当然のようにビームサーベルも入っているのだ。
 そういう意味では、ウイングゼロはビルゴやトーラスのように決して射撃一辺倒の、近接戦闘が苦手な機体という訳ではない。
 ましてや……

「加速」

 精神コマンドの加速を使い、ウイングバインダーを全開にしながら距離を開ける。
 後退と前進では、スラスターの位置から前進の方が優れているのだが、基本的な能力という点でウイングゼロはトールギスⅡの上を行く。
 ましてや、そこに精神コマンドの加速を使えば、それはもはや言うまでもない程に加速力も機動力もこちらが勝る。
 こちらとの間合いを詰め、近接攻撃でどうにか機体性能の差を覆そうというゼクスの狙いは、綺麗さっぱりと台無しになった。
 ウイングバインダーを全開にして、空中を移動するウイングゼロとトールギスの距離は見る間に開いていく。
 そうして後退しながら、俺はツインバスターライフルの砲口をトールギスに向ける。
 ドーバーガンがあれば、一応こちらとの砲撃戦という選択肢もあったのだが……今のゼクスは、少しでも機体の重量を軽くしてウイングゼロとの間合いを縮めるという目的の為にドーバーガンを捨てていた。
 その為、今の状況でゼクスがウイングゼロを相手にして出来るという手段は、回避という一択しか存在しない。
 普通であれば、トールギスというのはW世界でもトップクラスの機動力と運動性を持っている機体だ。
 例えトーラスカノンのような武器で攻撃されても、回避するのは難しい話ではないだろう。
 だが……その攻撃をするのが俺で、そんな俺が乗っているMSはW世界の中では最高の性能を持つMSのうちの1機、ウイングゼロだ。
 そんな俺からの攻撃に、トールギスで逃れられる筈もない。
 ……ただし、今回の攻撃はツインバスターライフルの威力を極限まで弱めたものにする。
 これは勿論ゼクスのような有能な人材を将来的にシャドウミラーにスカウト出来るかもしれないという思いもあるのだが……それより重要な意味として、エピオンを表に出す事を狙ってのものだ。
 トレーズの性格を考えれば、エピオンを開発していないという事は考えられないだろう。
 だが……今のゼクスはトレーズと袂を分かっている。……うん? 分かっているんだよな? 別にトレーズ派って感じで動いている訳じゃないし。
 エピオンという機体は、俺にとっても重要な機体なのは間違いない。
 いや、重要というか単純に好みだというだけだが。
 だが、W世界においてもエピオンは色々と特殊な機体である以上、確保出来れば技術班には喜ばれるだろう。
 そんな様々な思いを込め、俺はツインバスターライフルのトリガーを引く。
 砲口から放たれたビームは、そのままトールギスが回避に動いた方に向かって放たれる。
 ゼクスも一瞬の判断でそのことに気が付いたのだろう。
 スーパーバーニアを噴射させ、再度急いで回避方向を変える。
 だが……ビームを完全に回避することは出来ず、トールギスはビームサーベルを握っていた右手……いや、右肩を丸々とスーパーバーニアの右側部分がビームによって消滅した。
 急制動を掛けている状態でそんな真似をすれば、当然のように機体が空中でバランスを崩すのは当然であり、そのまま地面に落下する。
 地面を削りながら、その動きを止めたトールギスに向け、改めてツインバスターライフルの砲口を向ける。
 それを見たトーラスの何機か……恐らくノインの機体と思われる緑のトーラスが動こうとしているのを制するように、オープンチャンネルで叫ぶ。

「動くな」

 俺の口から出たその一言は、ゼクスと共に行動しているトーラス部隊の動きを完全に止めた。
 それを確認してから、再び口を開く。

「ゼクス、残念だがこれが俺とお前の今の実力差だ。……いや、実力差だけじゃないな。お前の機体は俺が使っていたトールギスと比べても、そう大差はない。それどころか、性能的には俺が使っていたトールギスの方が上だろう。そんな機体でこのウイングゼロに勝負を挑むのは、無謀だぞ」
『何が……言いたい』

 映像モニタに、ゼクスの顔が映し出される。
 いつの間に被ったのか、ゼクスがゼクスたる由縁の仮面は現在何ヶ所かヒビが入っている。
 先程トールギスⅡが地上に落下した時の衝撃によるものだろう。

「俺が言いたい事が分からないと? まさか、そんな筈はないだろう? 天下に勇名轟くライトニング・カウントともあろう者が」

 ライトニング・カウントというところで、映像モニタに映し出されていたゼクスの指がピクリと動く。
 ……まぁ、その異名を好まないというのは理解出来る。
 そもそもの話、原作ではオペレーション・デイブレイクで大きな活躍をした事により階級が上がり、ライトニング・バロンからライトニング・カウントになった。
 だが、この世界のオペレーション・デイブレイクは、とてもではないが成功と呼べない結果だった。
 にも関わらず階級が上がったのは、ようはOZが自らの失敗を糊塗する為の英雄が必要だった為だろう。
 それこそ、SEED世界でムウがエンデュミオンの鷹として祭り上げられたように。
 元々ゼクスは異名の類を好まない。
 味方からは過大な戦果を要求され、敵からは集中して狙われる……だったか?
 ともあれ、そんなゼクスだけにライトニング・カウントという異名は決して喜ばしいものではないのだろう。

「トレーズ・クシュリナーダの下へ行け」
『何?』

 最初俺が何を言ったのか理解出来ないといった感じで、ゼクスが呟く。

「OZの元総帥、トレーズ・クシュリナーダの下へ行け、と。そう言ったんだ」
『何故?』
「トレーズは、現在新型MSを開発している筈だ。いや、俺のところに入っている情報が正しければ、もう完成しているかもしれないな。とにかく、その新型MSならこのウイングゼロと互角に戦えるだけの性能を持っている。少なくても、トールギスとは比べものにならないだけの性能をな。ただでさえ俺に操縦技術で負けているんだ。そんなお前が機体性能も低い機体で、俺と渡り合える筈がないだろう。けど、トレーズが開発している機体であれば、俺とお前の間にある差は、ある程度埋まる」
『追いつく、もしくは追い越すとは言わないのだな』
「当然だろう。俺はシャドウミラーを率いる者だ。そうである以上、この世界で最強の称号は当然俺のものとなる」
『……いいだろう。ならば、その傲慢なまでの自信……次に私がアクセルの前に立つ時は、打ち砕いて見せよう!』

 ギシギシ、という音が聞こえてくるような鈍い動きで、右腕とスーパーバーニアの右側を失ったトールギスⅡは立ち上がる。
 そんなトールギスに肩を貸すように、トーラスが……特に緑色の機体色をした機体が近付いていく。

「そうしてくれると、俺としても嬉しいな。……他愛もない敵ばかりだと、戦いも惰性となるからな」

 そう告げ、構えていたツインバスターライフルの砲口を下ろす。
 同時に、トールギスに背を向けもうお前に……少なくても今のお前に興味はないというのを、態度で示す。
 MSのパイロットとして……戦士しての自負があるゼクスにとっては、それこそプライドを傷つけられる、面白くない出来事だろう。
 だが、これでいい。
 今回の件で上手い具合に撒いた種が、このまま芽を出し……いずれ収穫されてくれれば、俺にとっては最良の結果だ。
 そのままゼクス達をその場に残し、戦場に戻る。
 ……だが、当然と言うべきか財団派の軍は既に半壊近い状態になっていた。
 いやまぁ、元々連合軍だけで勝てるだろう戦力を有していたのに、そこに更に被害を減らすという名目でシャドウミラーが参戦したのだ。
 俺がゼクスと戦ったり話したりしている間にも、戦いは進んでこういう結果をもたらしたとしても不思議ではない。

「シャドウミラー各機、状況を報告してくれ」
『こちら綾子、特に問題はない。MDの多くを撃破したわ』
『死神の方も同様だ』
『ふんっ、所詮人形如き……言うまでもないだろう』
『こちらサリィです。HLVは戦場を離脱、ステルスを展開している為に、敵に見つかってはいません』

 分かってはいたが、どうやら全機無事らしい。
 HLVの方が無事だというのも、助かったと言えるだろう。
 ……何しろ、ステルスと軽いマシンキャノン以外は武装ないしな。
 もしトーラスにでも見つかって……ああ、でもMDなら意外と敵と認識しない可能性もあるのか?
 その辺りがどうなるのかは分からないが、ともあれ有人機に見つかったりすれば間違いなく呆気なく撃破される。
 一応装甲はガンダニュウム合金製なので、多少の攻撃は防げるが、それだって永遠にという訳じゃない。
 特にトーラスの持つトーラスカノンはガンダニュウム合金を破壊出来る威力を持っているので、幾らガンダムの開発者達が協力して設計したHLVであっても、撃破される可能性は非常に高い。
 そういう意味で、HLVの無事が確認出来たのは俺にとっても嬉しい事だった。

「よし、なら……そろそろ財団派の戦力も限界に近い。ここからは一気に押し込むぞ。……ただ、綾子。お前は悪いけど一応HLVの護衛に回ってくれ」
『あたしが? まぁ、それは別にいいけど』

 本来ならデュオか五飛辺りを護衛に回せばいいんだろうが、この2人の場合はOZに対する敵愾心が強い。
 なら、いっその事ここでそれを発散させておいた方がいいだろう。

「HLVの護衛か……MDを使えれば、便利なんだろうけどな」
『MDは所詮人形にすぎん!』

 俺の呟きが聞こえていたのだろう。五飛が鋭く叫ぶのが聞こえてくる。
 この辺り、シャドウミラーと……本物のシャドウミラーとは合いそうにないんだよな。
 ホワイトスターの方のシャドウミラーは、主力としてメギロートやイルメヤ、バッタといった無人機を使っているし、それらを運用する母艦にしてもカトンボやヤンマといった無人艦を使っている。
 もしホワイトスターと連絡を取ることが出来たとしても、五飛がその辺りの事情を知ると恐らく納得出来ないという事になりかねない。
 ……まぁ、その辺の心配はあくまでもホワイトスターと連絡が取れてからの話になるんだが。

「人形でも使い方次第なんだけどな」

 五飛の言葉に、溜息を吐きながら小さく呟く。
 実際、原作でもドロシーがゼロシステムを使ってMDを縦横無尽に動かしていたように、コントロール出来るのなら臨機応変な対応も可能だ。
 ましてや、俺が期待しているのはあくまでもHLVやピースミリオンの護衛としてのMDなのだから、臨機応変な行動すら必要としない。
 それにいざ臨機応変な行動を必要とする場合、すぐ近くにHLVやピースミリオンがあるんだから、そちらでどうとでも指示は出せるだろうし。
 ……この辺りの感性が、W世界の人間とは違うんだろうな。
 どちらかと言えば、ガンダムやその関係者よりもロームフェラ財団の方に近いんだろう。
 まぁ、だからと言ってロームフェラ財団を助けるような真似はするつもりはないが。

『アクセル、お前も戦闘に参加した方がいいんじゃないか? 一応、シャドウミラーの代表なんだし』

 MDについて……より正確にはシャドウミラーの無人機について考えていた俺は、綾子の声で我に返る。
 その声に視線を戦場の方に向ければ、そこではデスサイズヘルがツインビームサイズを使ってMDを次から次にぶった切っており、アルトロンガンダムの方もツインビームグレイブでを使ってMDをゴミの山へと変えている。
 うん、正直なところ俺が手を出す必要があるか? と思ってしまうのだが……まぁ、シャドウミラーとして戦場に出ている以上、こうして黙って見ているだけという訳にもいかないだろう。

「そうだな、もう戦いの流れは決まったようなものだけど……俺ももう少し頑張ってくるか」

 左手にビームサーベルを持ちながら、俺はまだ無傷なMDの部隊を発見すると、そこに突っ込んでいくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1225
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1347 
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