イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜
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⚡︎10話 VS帝国学園 炎のストライカーの登場
〜雷門中・グラウンド〜
廣川駿吾が倒れ、ベンチにいた目金は逃げてしまった……雷門は10人で戦わないといけないことなる。
「廣川さん!!」
「廣川ぁぁぁぁぁ!! 大丈夫か!?」
「染岡……あ、脚が……」
染岡は廣川に身体を揺さぶられ、廣川は染岡に弱々しい声で掛けた。意識はあるが試合にはでれないことは明白である。廣川の状態を見た鬼道はそう言いながら歩み寄ってくる。
「ふっ、そいつはもう戦えんな。デスゾーンを打ち返す力……凄まじかったが、その身体ではもう戦えんないようだな。そいつ……廣川が試合続行不可能な今、貴様らは勝機を完全に失った」
「くっ……」
鬼道に染岡は反論したかったが出来なかった。そう事実だからだ……今、帝国から得点を奪えるのは廣川のみ。同じFWのポジションである自分が得点をとれないことに染岡は苦しめる。ギャラリーにも諦めのムードが漂っている。
「無理だよな。廣川無しであいつらどうやって勝つんだよ。まともに相手できるの円堂だけだぞ」
「結局廣川頼りのダメチームか……サッカー部は廃部。帝国に勝つとか無理だっての」
ギャラリーはそんなことを言っていた。その時!
「まだだ!!」
円堂が大きな声で叫んだ。その叫びでその場の全員を支配した。そして円堂は続けて言う。
「まだだ・・・・・・まだ、終わってねえぞぉぉぉ!! いいか皆、廣川がせっかくここまでチャンスを作ってくれたんだ!! 俺達は廣川がいなかったら1点もとることなって出来なかった!! あと1点とれば追いつける!! あと2点とれば逆転できる!! 廣川の想いに答えるためにも、俺達で力を合わせればきっと出来る。諦めちゃダメなんだ!!!」
「円堂……」
円堂の言葉に廣川はその名を呼んでいた。それを聞いた風丸は口を開ける。
「そうだ……まだ、2-1なんだ。チャンスはある!」
「ああ。廣川のお陰で、俺達は帝国相手にここまでやれてるんだ!」
「廣川さんの感謝の為にも、これからもサッカーする為にも皆であと2点獲るでやんす!!」
風丸と染岡、栗松もその勢いに乗って立ち上がった。そして半田、松野、宍戸、壁山、影野、少林寺も立ち上がる。例え、メンバーが1人怪我で離脱、1人が逃げようが円堂達は帝国と戦うと決めた。そして円堂は右手を握り、空に向けて叫ぶ。
「廣川のためにも……俺達は絶対勝つぞぉ!!!!」
『おおお─────!!』
円堂の言葉に染岡達は同意し叫んだ。そして廣川は染岡に手を貸してもらい、ベンチで脚を休める。そんな中、木陰に隠れて円堂達を見守る1人の男──豪炎寺修也は
「(何故諦めない? 結局、廣川が動けないなら円堂以外碌に戦えないんだぞ? 勝ち目なんて……)」
円堂守を見てそう思った。そんなことを考えていると、豪炎寺は先程の言葉を思い出した。
『まだだ・・・・・・まだ、終わってねえぞぉぉぉ!!!』
「………………」
円堂のその言葉を聞いた豪炎寺は、自身の胸な高鳴ったのを感じた。あのサッカーへの情熱を醒させるあの言葉に。目の前には無残捨てられていた“10番”のユニフォーム……脳裏を過るのは事故に遭った妹の姿。豪炎寺は呟く。
「夕香……今回だけ、お兄ちゃんを……許してくれないか」
豪炎寺はエースのユニフォームを掴み取り、歩き始めた。
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試合再開前、廣川は最後の作戦を伝えるため円堂達を集めてその内容を話す。
「次にボールを取れたら、後先考えず全員ゴールに向かって走るんだ。勿論、円堂以外な」
「全員でですか!?」
「ああ。もう一度ボールを取られたら後が無いが、これしか相手の意表を突くのは難しい。だから絶対に同点に追いついてくれ」
廣川は頭を掻きながらそう言った。その時、円堂達に一筋の光が訪れた。スローイングを待とうと確自持ち場に着こうとしている最中、颯爽と歩いてくる男が現れた。その男を見たギャラリーは騒ぎ出す。
「誰だあいつ?」
「あんな奴、ウチのチームにいたか?」
「……………」
白く逆立つ髪を靡かせ、“10番”のユニフォームを背負うに相応しい男──豪炎寺修也が現れた。それを見た実況の角馬は驚く。
『おや?彼はもしや……昨年のフットボールフロンティアで、一年生ながらその強烈なシュートで一躍ヒーローとなった……豪炎寺修也!! その豪炎寺君が、なんと雷門のユニフォームを着て、我々の前に登場!!』
「……きたか」
豪炎寺が現れたことに鬼道は不敵な笑みを浮かべる。それを見た審判と冬海先生は止めにかかる。
「待ちなさい!君はウチのサッカー部では……」
「良いですよ。俺たちは……」
「……そ、それでは……帝国学園が承認したため、選手交代を認める!」
鬼道の言葉で審判は承認し、豪炎寺の参加が認められた。それを聞いた円堂と、痛む足を引きずりながら歩く廣川は豪炎寺に駆け寄る。
「豪炎寺!やっぱり来てくれたか!……遅過ぎるぜ、お前」
「豪炎寺……本当にありがとう」
「………フッ」
豪炎寺は感謝する円堂と廣川に優しく笑った。ここからが帝国学園へ反撃だ……
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