イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜
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⚡︎9話 VS帝国学園 雷門の試練
〜雷門中・グラウンド〜
廣川と円堂以外のメンバーはぐったりしており、誰一人喋る気力も無かった。風丸は驚愕な表情を浮かべながら口にする。
「どうなってんだあいつら、誰1人息が乱れてないぜ……!?」
「そりゃそうさ。あいつら、廣川に攻撃する時しか走ってないからね」
「あいつら、よくも廣川を……!!」
風丸に続き、松野は皮肉気に答え、染岡は怒りの表情で帝国学園を睨んだ。少林寺は溜め息ながら言う。
「僕ら、キャプテンと廣川さん以外ずっと遊ばれている感じですよ……」
「くっそ! このまま終わってたまるか! まだ1-1なんだ、この点数ならきっとまだチャンスはある!! 後半は奴らを走らせて消耗させるんだ!!」
「消耗って、無理でやんすよ。もうヘロヘロでやんすから」
「うん、俺ももう走れない。そんなことが出来るのは廣川さんだけですよ。その廣川さんだって完全にマークされて潰しにかかられていますよ……」
円堂の言葉に栗松と宍戸は呆れながら言った。その発言で更に染岡達の士気が下がる。その染岡達に円堂は言う。
「何言ってる! まだやるぞ! 勝利の女神がどっちに微笑むかなんて最後までやってみなきゃ分からないじゃないか!! そうだろ? なあ、みんな!」
「……後半はなるべく俺にパスを繋げてくれ。俺なら帝国から得点がとれる。後半で何とか得点をとるんだ」
円堂の言葉の後廣川は険しい表情をしながら言った。そして、後半が始まる。
⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎
後半が始まると地獄だった……帝国は雷門サッカー部を完全に潰しに来ていた。帝国の猛攻は止むことは無く、寧ろ強くなっていく一方であった。
「ぐああああ!!」
「うわあああ!!」
「ぐええぇぇ!!」
帝国にサッカーボールで攻撃され、染岡達は悲鳴に近い呻き声や悲鳴そのものを響かせた。それにより、フィールド上でまともに立っていられるのは廣川と染岡のみで、他のメンバーは疲労と痛みでほぼ立てない状態にいた。そしてボールを持っていた染岡に廣川は声を掛ける。
「染岡、こっちだ」
「おし、廣川頼むぜ……っく、ぐああ!!」
染岡は廣川にパスを出そうとしたが、帝国のDF──五条勝と万丈一道に吹き飛ばされてボールを奪われてしまった。
「なっ、ぐっ!!」
廣川はボールを奪いに行こうとしたが、鬼道に道を塞がれてしまう。
「悪いがお前はこの中でも厄介だから、自由にはさせんぞ」
「鬼道……!」
廣川は道を塞ぐ鬼道を抜こうとフェイントをかけた。しかし完全に見切られているためボールを奪いに行けなかった。そうしている内に、佐久間と寺門、洞面が円堂にデスゾーンを蹴り込む。
「「「デスゾーン!!!」」」
「今度こそ絶対に止める!! 熱血パンチ!!」
円堂はデスゾーンに立ち向かい、熱血パンチを放ったが
「ぐ、どわああああぁぁぁぁ!?」
先程と同じ、デスゾーンの邪悪なパワーに押し負けてゴールネットへぶつけられた。
『ゴォール!! 帝国、再びデスゾーンで円堂の必殺技を破った!!』
これで1-2となった。だが、帝国の猛攻は続く。廣川はゴールを決めようとDFを突破しようとしたが、五条に吹き飛ばされ、それを奪いに行こうとする廣川に再び鬼道にマークされる。
「言ったはずだ。貴様に自由は与えない」
「くっ!」
再び廣川は鬼道に道を塞がれてしまった。そして再び佐久間にボールが渡り、円堂にデスゾーンを蹴り込む。
「「「デスゾーン!!!」」」
「……させるか! バイシクルボルトッ!!」
強引に鬼道のマークから抜け出した廣川がデスゾーンをバイシクルボルトで打ち返そうとしていた。その行動に円堂は驚く。
「廣川!」
「うおおおおおおお!!」
廣川はデスゾーンを何とかバイシクルボルトで打ち返したが、
「……がぁっ!」
身体がゴールの柱にぶつかり倒れ込んだ。それを見た円堂は駆け寄る。
「廣川……廣川!!」
「え……ん……どう……すまない……脚が……」
駆け寄って来た円堂に廣川は脚を抑えながら言った。よく見ると酷い内出血を起こしているというのが分かる……デスゾーンを打ち返そうとした時にやってしまったようだ。これ以上、試合に出ていると怪我が悪化すると思い円堂は審判に声を掛ける。
「審判! 選手交代だ!! 廣川に代わって目金を!!」
円堂が審判にそう言った。するとベンチにいた目金は血相変えて外に飛び出す。
「いやだ!! こんなの出たくなんかない!!もうこんなの嫌だぁ─────!!」
と泣いて10番のユニフォームを捨てて走り去って行った。廣川駿吾が倒れる……その真実に雷門サッカー部の心がへし折ることとなる………
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