世界をめぐる、銀白の翼
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第四章 RE:BIRTH
海だー!!
「はーい!今日これから海行くけど行ける人、挙~手♪」
「「「「「はぁ?」」」」」
「EARTH」内食堂「AGITΩ」
そこでは今、数名の人間が昼食を取っている。
そこでいきなり蒔風がこう言い出したのだ。
その場でその言葉を聞いたのは五人。
理樹が書類仕事で、それを手伝いに来た棗恭介
何となく暇だから遊びに来た涼宮ハルヒ
この食堂でバイト中の泉こなた
何やら書類関係でこっちに来ていたはやての付添、ヴィータとザフィーラ
この五人が、スプーンを掲げる蒔風に向かってそんな気の抜けた声を発していた。
「いやぁね?これで俺っち書類仕事終わったのよ♪だからさ~これから遊ばないか?」
その反応に、蒔風がそう答えた。
今まで書類仕事ですし詰め状態だったから、こうして外に遊びに行きたい気持ちはわからないでもない。
だが、あらかじめこういうことは通知しておくべきではないのか?
そうヴィータが言うと、蒔風曰く「こういうのはサプライズだからいい」だそうだ。
「サプライズはいいけどよー、今からじゃ何の準備もしてないぜ?」
「うむ・・・・海を楽しむには少し時間がないのでは?」
確かに、今はちょうど昼・・・よりも少し早い時間だ。
今から準備、出発、到着では、遊ぶ時間はあまりないだろう。
だが、この男はそれを可能にする。
「大丈夫!全員分の水着などはこちらに用意しております!!」
「「「「「なんで!?」」」」」
「・・・・なんでだろ?」
疑問に感じる五人、そして蒔風本人。
お前が分からないというのはおかしいだろう。
「・・・・なんであるんだろ?」
疑問で疑問を返すなと習わなかったらしいこの主人公は、胸に「泉」と書かれたスクール水着をひらひらさせていたがために貧乳ステータスの少女に見事な合気をくらって投げ飛ばされた。
「ななな、なに持ってんのーーーー!!?」
「見事だぜ・・・お前が貧乳じゃなかったらきっとおれは胸に邪魔されて投げられてはいなかった「うっさい!!」ぐぇぶ!」
自分の水着を抱えるこなたと、投げ飛ばされてさかさまに転がる蒔風。
自分からネタにするのはいいが、ネタにされると人はキレる。そういうものだ。
しかし、投げられた直後に踏まれながら、この男はなかなかにタフネスだった。
「と、言うわけでこれから海行くぞ!!一緒に行きたい子ら連れて、十分後に集合!!」
そう勝手に決めて、食器をカウンターに返す蒔風。
「事件は唐突に」というが、こういう唐突は本当に厄介である。
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では、ダイジェストでお送りしよう!!
「集合したな!!」
「おおー!」
「出発!!」
「おォオオオオオ!!!」
「到着!!」
「ウォォオオオオオオ!!海だァァァアアアアア!!!!」
『『『だからなんで!!??』』』
いま、彼らは海岸にいる。
来たメンバーはあの場にいたのと+αだ。
まずは理樹、恭介、真人、鈴、小毬、来ケ谷
SOS団の五人は全員で、こなたはかがみとつかさ、あとは従妹のゆたか、その友達のみなみと来ている。
それに八神家の全員に、騒ぎを聞いて「行こう行こう」と騒ぎ出した城戸真司と剣崎一真、名護慶介に引きずられて渡も来ている。753は315です。
「ダイジェスト・・・・書物などの内容を、わかりやすく要約すr・・・」
「そういうこと言ってんじゃない。なんでこうもとんとん拍子!?」
「何を言ってるんだ?普通にバスのって普通に来たじゃんか」
「う・・・」
明らかに間が省かれすぎな現状に、キョンがメタな感じに突っ込んでいた。
他のメンバーは何となく叫んだ後、海に向かって走って行ってしまっている。
そこ、準備体操しなさい。筋肉さんがこむらがえっても知らないぞ。
「まあいーじゃんか!さ、行くぞーーー!!!(ダダダダダダダダダダッ!!)」
「くォら!!お前ら準備体操しろぉーーー!!!!」
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「でっかい砂山作るわよ!有希、キョン、小泉君!!手伝いなさい!!」
「あ、あのぅ、わたしは~・・・?」
「みくるちゃんは一番下で埋まってもらうわ!!」
「ふぇえ~!?」
「あ、あのはじめまして!おねーちゃ、じゃなくで泉こなたさんの従妹の小早川ゆたかです!」
「ゆたかの友達の岩崎みなみです」
「ん!どうもはじめまして蒔風舜だよ!話に聞いてるよ。ちっちゃくてかわいいね~、大丈夫?」
「えっと・・・?」
「ほら、ちっちゃい女の子がいると・・・・」
「合法ロリだから大丈夫ですもん!!」
「ちょ、どこでそんな言葉!?みなみさんめっちゃ睨むのやめてくれません!?周りの視線もいたいからやめて!!弁明のチャンスを!!」
じ~~~~~
「っしゃぁ!!と、蓮のやつ「お前だけで行け」とか強情言っちゃってこないんだもんなー」
「気にすんなよ。始だってそんなもんだったさ。ビーチバレーやろーぜ!!あっちでもうやってるし!!」
「ほら!!そこでレシーブ!!アタック!!今だ!変身しなさい!!ラ・イ・ジ・ン・グ!!」
「ライジングはできませんよ!?」
「なぁ・・・」
「なーに?」
「あれすげーよなぁ・・・」
シグナム(ボイーン)
来ケ谷(ボイーン)
リィンフォース(ボイーン)
みくる(ボイーン)
「あっちもすごいですぅ・・・」
はやて(ポイン)
シャマル(ポイン)
ハルヒ(ポイン)
「なんてことはないよ、ヴィータちゃん!リィンちゃん!!」
「え?」
「貧乳はステータスだ!希少価値だ!!ってね!!」
「・・・おぉ!!」
「それにほら、好きな人ができても、その人が巨乳好きだったら私たちはどうにかできるけど、あっちはもうどうにもできないし」
「す、好きな人ですか!?」
「でもなんかその見返し方はしたくねぇ・・・・」
「ってか姐御たちは何胸見て涙ぐんでんだ?」
「アギトは貧乳でいいのですか!?」
「いや、だってあたし融合機だからあんまそんな・・・」
「女じゃねぇ・・・」
「その言い方傷つく!!」
「小毬ちゃん!!あっちいこう!!」
「おっけ~・・・ふわぁ!!」
「(コソコソ)鈴の成長日記!!(パシャ!)」
「何してんのさ」
「(びくっ)・・・・理樹、この写真は違うんだ。兄が妹をめでるのは当然で――――――」
「こけた小毬さんのお尻撮っといて何言ってんだあんた!?」
「二人ともなに言っとんじゃボケェ!!!」
「「げフゥ!!!」」
みな、それぞれで楽しんでいる。よきかなよきかな
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「でさ・・・なんで俺が埋まってんのか説明を頼む」
「馬鹿ねぇ。みくるちゃんを本当に埋めたら大変でしょ?人柱はあんたがなりなさい」
「ちょ、そう言いながら砂をかけんな!!古泉ィ!!テメェ後で覚えてろよ!?」
「大丈夫。いくらかけても窒息はしないようにしている」
「長門さん!?あんたノリノリですね!?」
「ドラゴンライダースマッシュ!!」
「ウェーイ!!」
ドッ!!バサァっ!!
「渡・真司コンビ、一点!!」
「すんません!!」
「なに、ここからだ・・・名護慶介の本気をここに表さん!!」
753は315です!
「オイそっちの大人組!!バレーの砂全部俺にかかってんぞ!!」
「キョンうっさい!!」
「バッ!?やめろハルヒ!!落ち着くんだそれを置け。ナマコやワカメはともかくとして、フナムシだけはダ、ギャァァアァアアアアアア!!!」
「うへへへへへ、美少女達!」
「こっちもうまく撮れたで・・これは永久保存版や!!」
「主はやて・・・・・!!!」
「落ち着けシグナム!!あのはやてを見たくないのはわかるが、男泣きしながら斬りかかろうとするな!!」
「とりあえずレヴァンティンは置いて!!余計に暑いから!!」
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そうして遊ぶこと、数十分
唐突に蒔風が全員を呼んでいきなり発表してきた。
「はーい注もーく!!これから「チキチキ!水泳勝負」を行いたいと思います!!」
「「「イエーーー!!」」」
海に来たことで全員のテンションも上がっているようでノリがいい。
それに満足しながら、蒔風が沖の方にある岩を指さしてルールを言う。
「二チームに分かれてレースをします!!一人一往復!!負けた方には海の家で飯おごりな!」
昼食を食ってから来たというのにまだ食うのか。
と、言っても結構遊んだから腹は減っているのだが。
片道五十メートルはありそうな場所に、岩がポツンとある。
そこまで泳いでいって戻り交代、それをこなしていって早く終わった方が勝ち、ということらしい。
ちなみに無理だった場合は並走している小舟から変わりが出ることになるが、「必ず全員は泳ぐこと」「変わった人の泳ぐ距離は変わった分プラスになる」ということになるそうだ。
つまり片道だけ行ったところで交代になったら、変わった人間はそのまま一往復半を一気に泳ぐことになるということである。
チームは以下のとおり
第一チーム
・理樹
・キョン
・ザフィーラ
・一真
・名護
・鈴
・長門
・こなた
・かがみ
・つかさ
・ゆたか
・みなみ
・ヴィータ
第二チーム
・恭介
・真人
・古泉
・真司
・渡
・小毬
・来ケ谷
・ハルヒ
・みくる
・はやて
・シグナム
・シャマル
・リィンフォース
である。
「ちなみに順番は出来るだけ男女交互なー?じゃ、オレ審判」
「小舟係はリィンと」「アギトでやってくぜ!!」
と、言うわけで各チーム順番を決めて第一走者がビーチに立つ。
第一走者はヴィータと一真
ちなみに第二が真司、シグナム
第三・こなた、はやて
第四・ザフィーラ、ハルヒ
第五・長門、みくる
第六・キョン、名護
第七・みなみ、真人
第八・ゆたか、小毬
第九・かがみ、シャマル
第十・渡、リィンフォース
第十一・つかさ、古泉
第十二・鈴、恭介
第十三・理樹、来ヶ谷
である。
「位置について!!よーーーい!!!」
ッドン!!!!
蒔風の掛け声の後に、アギトが撃ち上げた火球がこれでもかと爆音を響かせてスタートを合図した。
それに応じて海に飛び込むヴィータと一真。
どちらも最初こそは拮抗するものの、やはりタッパの違いで徐々にヴィータが引き離されていく。
ヴィータが折り返すころにはすでに剣崎は十メートルほど先の地点を泳いでいた。
だから
「アイゼン!!」
《!!》
ヴィータが愛機・グラーフアイゼンを構え水中で一気にロケット噴射、剣崎にすっ飛んで行ったのは間違っていない判断だ。
ルールとしてはおかしい気がするが。
「チョぉォォォおおい!?」
「審判!!あれはいいんですか!?」
「ひきょい!!ひきょいよ!!」
「面白いから採用」
「審判ーーーー!!!!おい誰かあの誇らしげな顔しているバカを審判台から引きずりおろせ!!」
が、残念!!降ろせない!!
「ワシャ辞めん!!ここから降りんぞ!!」
「う~わこいつめんどくせぇ!!」
文句をぶーたれる第二チームだが、審判がこういってはしょうがない。
それに相手がそれなら、剣崎も考えがあった。
「えっと・・・ブレイラウザーだしてっと・・・」
《サンダー》
ピピピピピピ!!
バチィッ!!!
「このまま一気に行k、アビッ!?」
剣崎がブレイラウザーを(変身もしないでどうしてかは知らないが)取りだし、「サンダー」のカードをラウズしていた。
その瞬間海中を電流が走り、ロケットで爆進するヴィータの四肢がピーン!!と伸びて、ぐったりと海面に浮く。
「「「「「ウをォォォおおい!!??」」」」」
「よくやった剣崎!!」
「ナイスプレーやで!!」
「あんたらヴィータの身内じゃねェの!?」
何はともあれ、ヴィータが回収されている間に剣崎はその差を縮め、追い付くころに真司が代走し始めていた。
並ぶ剣崎と真司。
と、浜辺について剣崎はシグナムと交代、真司はそのままターンして泳ぎ始めていた。
真司とシグナムは実力こそ近いが、もともと真司はただのジャーナリストだった男だ。基本的な身体能力ではシグナムに及ばないところがある。
それでも何とか食いさがり、距離を三メートル以内に抑えつつゴールしてバトンタッチする。
そして次にこなたとはやてだ。
ここで一気にこなたが追い上げを見せ、はやてに追いつき、追い抜いて行った。
「やっぱこなたの方が運動神経いいからなぁ」
「はやてちゃん、体力とかはからきしですからねェ」
「それにほら、あっちのチームは邪魔になるものがない」
「邪魔になるもの?」
「胸」
直後、蒔風がブッ飛ばされた。
そんなこんなでレースは続く。
追い越し追い抜き、結果は同着。
考えるのも面倒なので、すっ飛ばした蒔風の財布から飯代は出て行った。
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「いってて・・・人のことすっ飛ばしといてさらに金まで巻き上げていくなんて・・・・あの子たちひどい」
この男には一度自業自得という言葉を送ってやりたい。
まあそれはひとまずとして、蒔風が首元をさすりながら浜辺を歩いていると
ズボッッ!!!
と、いきなり足もとに穴が開いた。
いきなりの超展開である。置いてけぼりなのは読者だけではあるまい。
「!?!?!?」
そしてそのままドタッ!とそこに落ちる蒔風。
尻から落ちて行ったためにかなり痛い。
少し涙目になりながら蒔風が「なんだよもー!!」と叫ぶと、その穴の上に人影が現れた。
「大丈夫ですか?さあ!これにつかまって!!引っ張り上げてあげますよ!」
その二人が手を差し伸べてくれたので、蒔風がそれを掴んで穴の上に顔を出すと・・・・
「・・・・明久」
「・・・・えっと・・・・舜?」
そこにいたのは吉井明久その人である。
少し離れたところには坂本雄二が転がっている。
背中の跡からして、明久にドロップキックを食らったのだろう。
「・・・・何してんだ?」
「えっと・・・吊り橋効果?」
「落・ち・ろ!!」
「う、うわぁぁぁアアアアアアア!!!」
その後、二人を捜しに秀吉がやってきて、蒔風とあいさつをして事情を聴いた。
どうやら彼らもいつものメンバーでこの海に遊びに来ていたようで、明久と雄二は姫路たちに「ナンパする度胸はない」と言われてしまったらしい。
「なるほど。それで男の意地にかけてナンパしようとして・・・・」
「どうやら女子を危機的状況に追い込んで、助け出してそのまま・・・とでも思ったらしいのぅ」
ちなみにその二人は今、首だけを出した状態で砂浜に埋まっている。縦に。
まだ気絶しているが、今しがた姫路たちに連絡したので引き取ってもらえるだろう。
と、その前に
「(ボソリ)おっぱい」
「「どこにおっぱいが!?」」
蒔風のその一言で、気絶していた二人が目を覚ます。
バカしかここにはいなかった。
「嘘だよ。じゃ、せいぜい楽しめ」
「え?あ!舜!!騙すなんてひどいよ!!」
「あの野郎・・・男の深層心理に働かせてきやがったな!!」
蒔風のやり方に無駄な憤りを感じる二人だが、その背後に脅威が迫っていることなど考えてもいなかった。
「ア~キ~?(怒)」
「明久くぅん?(怒)」
「雄二。いま誰のこと考えてた?」
「そ、それはだな(ガシッ!?)返答も聞かずにアイアンクローはないんじゃないか!?」
後ろに振り向くこともできず、二人はしっかりゆっくり処刑されていった。
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「あ!!真司飛ばし過ぎだってのー!」
「ワリワリ!!取ってきてくれ!!」
「もうお前もこい!!」
一真&真司、ボール捜し中・・・・
海岸沿いの岩場
「あ!!見つけたぜ!!」
「マジか!!」
「ああ!この人が持っててくれたよ!!」
「お前か・・・このボールを飛ばして来やがったのは・・・」
「!?」
「俺をイライラさせるとはな・・・」
「浅倉!?」
「ん?知り合い?」
そう言って一真が真司に聞くが、とうの真司は口をパクパクさせてしまっている。
と、そこで浅倉が真司に指を向け、こういった。
「・・・・馬鹿か?」
「みんな馬鹿バカって俺のことォーーー!!!(ブワッ!!)」
「え?真司?真司ーーーーーー!?」
「オイお前・・・悪いと思うなら・・・・俺に喰いもんでも買ってこい」
「え?えっと・・・?」
「あそこの・・・・焼きそばなんかでも何でもいい。早くしろ・・・腹が減ってイライラしてるんだ・・・・」
「わ、わかった!(な、なんだこいつ・・・言いようもない雰囲気を発してるぜ・・・)」
五分後
「はいよ」
「・・・・・・なんだこれは」
「何って・・・・・・焼きサバ」
「鯖じゃねぇ!!」
「えぇ!?」
「俺が頼んだのは焼きそばだ・・・焼いた!そばだ!!鯖じゃぁねぇ!!!お前・・・俺をよっぽどイライラさせたいらしいな・・・」
「ちょ、だってお前が焼きサバって」
「焼きそばだよォ!!!!」
グワシッ
そう言って浅倉が一真の頭部を掴み、ブンッ!!という追いよく、それはもうとてもとても勢いよく投げ放ちました。
きれいな放物線を描いて飛んで行った一真は、頭から砂浜に落下、ビィ~ン、という感じに突き刺さってからグタッ、と倒れた。
「おい!!大丈夫か!?」
「あいつ・・・・誰なん・・・だ(ガクッ)」
「ケンジャキーーーーー―!!!!!」
「真司さんあなた何気に楽しんでますよね?」
そのころ名護は
「くっ・・・そのボタンをよこしなさい・・・!!」
「なんだテメェは・・・・」
「そのボタンは俺のものだーーーーー!!!」
何やら浅倉とボタンの取り合いをしていた。
ここに、因縁の戦いが幕を上げるのである。
つづかない
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そうこうしていると日も落ちてきて、あたりがだんだんと暗くなって一番星が見えた頃。
「キャンプファイヤーやろうぜ!!」
蒔風が腕を高々に掲げてそう提案した。
だがしかし、周辺に薪となるモノはなく、一体何を燃やせばいいのか、とザフィーラが聴いてきた。
ちなみに今はもうみんな着替えており、途中であった明久たちも集まっていた。
「木?まあそこは・・・・ロウソクで?」
「何それしょぼい」
「千本ぐらい集めてきたから・・・・」
ゴォォォオオオオオオオオ!!!
「ロウソクとは思えない火力!!」
千本集めたというロウソクにはすでに火が灯されており、一メートル以上の高さにまで火は高く立ち上っている。
集まると火は大きくなるが、ここまで大きくなるとさすがに怖い。
「ちょっと!?洒落じゃない火力になってるわよ!?」
「木がないんだからしょうがないね。ああそうさ、それならしょうがない」
「蒔風、お前木とか出せるんじゃねェの!?」
「あ、そうだ」
真司に指摘され、そうだったと思い蒔風がそこら辺の土に手を当てて、圧水と雷旺の力を使って木々を急速成長、一気に切り倒して・・・・・
「そぉい!!」
全部一気にくべた。
しかも燃えが悪いとか言ってポリタンクに入った油(10リットル)を一気にぶちまけるという所業。
ほかのメンバーは蒔風がそれを手にした瞬間にその場からダッシュ逃走。
だって目からハイライト消えてるんだもん。そりゃ逃げるわ。
そして
ドォンッッ!!!
「うぎゃぁぁアアアアアアアああアアアアアアア!!!!」
とんでもない爆発音と、蒔風の断末魔の悲鳴が聞こえてきた。
周囲に油が飛び散り、それも燃えているために被害拡大。
各々のメンバーがちまちま消火しているがいかんせん大本の火が大きすぎる。
ノリがわかってるメンバーは無茶しやがって・・・・・と涙し、まだまともな神経を持っていたメンバーは土をかぶせ消火しようと必死だった。
「ちょ、お前ら敬礼してないでこっち消せって!!シャレじゃない火力だぞ!?」
「燃~えろよ燃えろ~よ~」
「やめなさい!!歌うのをやめなさい!!」
そういってギャーギャーと楽しんで(?)いると、炎の中から人影がゆらりと出てきた。
おそらくは蒔風である。
そこで一回ぶん殴ってからこの炎をどうにかしてもらおうと近づき・・・
「ぎゃぁぁアアアアアアア!!」
そのシルエットを見て悲鳴が上がる。
なぜならそのシルエットには、首から上が存在していなかったからだ。
「「「「ま、マミったぁぁあぁぁああああああ!!!!」」」」
実際には顔が焼けるのを防ぐために頭を服の中に入れただけなのだが、まあこの炎の中じゃわかるはずもなかろう。
数分後にアフロ頭で現れた蒔風に一通りのライダーキックをぶちかまし、みんなで消火して程よい火量でキャンプファイヤーをした。
一同は誓う。
この男に、二度と火遊びはさせまい、と
「EARTH」に帰ることには完全に夜となっており、各々「EARTH」の扉(各家につながってます。さすがはアリスさんです)をくぐって帰っていく。
それから蒔風は髪形が直るまでの間「爆熱アフロさん」と呼ばれ続けていたそうな。
「ニューファンションだろ?」
堪えてはいないようだったが
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世界のどこか
《ヴィーーーーーーーーーー!!!》
「検体Y、目標「鉄槌」「インターフェイス」を撃破。所要時間53秒」
「ふむ・・・・・上々だな。調節を済ませ次第に次の相手をぶつけろ。次は?」
「・・・・・検体「漆黒」です」
モニターの向こうで、一人の青年が地面に倒れるクリスタルのようなもので出来た何かを、漠然とした目で見ている。
そのクリスタルからは赤い液体がどろりと流れているが、その場がリセットでもされたかのように、青年に撥ねた返り血(といっていいのか?)、砕けたクリスタル、すべてがスゥッ、と消えていった。
《第2004番実験、開始します。目標レベル、=(イコール)》
その実験場の扉が開き、そこから先ほどと同じようなクリスタルの人影が出てきた。
さっき砕けていたのもこれと同じものだ。
違うのはその人影が、我々の知る「漆黒の翼」のものと同じということ。
ただ、全身がクリスタルでできているだけだ。
そして、その二分後にはそのクリスタルは粉々に砕かれた。
また次の実験が始まる
to be continued
後書き
どうも!!
こんな四コマみたいなノリになってしまうコントwww
最後の話の「クリスタル」って言うのは、イメージとして「ディシディアファイナルファンタジー」のイミテーションみたいな感じですね。
あの実験とはなんなのか・・・・
ではまた次回
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