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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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20部分:第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその七


第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその七

「それじゃあ私の術で呼ぶから」
「それでは」
「その様に」
「ええ、明日ね」
 こうして次の日に二人をボディーガードとしてのテストをすることになった。実際に緑の山の中で虎や熊を呼んだ。するとであった。
「ふん!」
「むん!」
 まさに一撃であった。それでそれぞれ虎に熊を倒した。それで決まりだった。
「わかったわ」
「宜しいですね」
「これで」
「ええ、宜しく」
 張梁は二人に対して微笑んで述べた。
「これからね」
「ではマネージャーとしても」
「その腕をお見せしましょう」
 こうして二人は三人のボディーガード兼任マネージャーとして傍にいることになった。それは都に向かう途中の袁紹の耳にも入っていた。
 派手なブロンドの長い縦ロールの髪に赤い上着と黄色の鎧に白いミニスカート。ブーツはかなり長くそれも白である。気の強そうな顔をしているが整ってはいる。目は奇麗な緑である。
 その彼女がだ。都の中を二人の少女、片方は黒、もう片方は茶色のそれぞれツインテールの髪をした白と黒の服を着た彼女達に対して言ってきた。
「ねえ田豊、沮授」
「はい、袁紹様」
「何でしょうか」
 名前を呼ばれた二人の少女はそれぞれ応えた。
「この三姉妹だけれど」
「ああ、彼女達ですね」
「今話題の張三姉妹」
 丁度壁絵にその三姉妹が描かれている。田豊と沮授はここでまた言ってきた。
「今かなり話題なんですよ」
「大人気ですよ」
「そうですの」
 袁紹は二人の言葉を受けてまた述べた。
「それでしたら一度領地に呼ぶのもいいですわね」
「そうですね、領民も喜びます」
「丁度青州を中心にしていますし」
「青州の統治も本格的に進めなければなりませんわ」
 ここで袁紹は真面目な顔になった。
「三つの州にまずは磐石な統治を」
「わかっています」
「それは」
「相変わらずね、麗羽」
 そんなことを話す三人の前から声がした。
「どうやら相変わらず政治と戦争は上手みたいね」
「あら、引っ掛かる言い方ですわね」
 袁紹はその声の主に対して少し目を怒らせて返してみせた。
「貴女らしいといえばらしいですけれど」
「貴女は相変わらず自分に必要な才だけしか磨こうとしないのね」
「あら、他に何が必要でして」
 袁紹は不敵にその声にまた返した。
「必要なものさえあればいいのでしてね」
「政治と戦争ね」
「そうですわ。美羽と違って」
 その目に嫌悪が宿った。緑の目にだ。
「私は自分に必要な才以外はいりませんわ」
「私としてはアンバランスだと思うけれどね」
「所詮私は妾腹」
 袁紹は不意にこんなことも言った。
「その私が何かになろうとするには余計なことを身に着ける暇はありませんことよ」
「あら、それを言ったら」
 ここでまたその声は言うのであった。
「私だって宦官の家の娘。大した違いはないわ」
「そうですわね。思えば私は名門袁家といえど妾腹の除け者」
「そして私はあの曹家であっても宦官の孫。除け者ね」
「その除け者が何の用でして?」
「貴女が久々にこの許昌に来たと聞いて」
 その声の主は小柄で胸が小さい。金髪を左右で巻いたテールにしている。青い目の光は澄んでいて尚且つ強くそのうえで聡明さを窺わせるはっきりとした美貌を見せている。紫の蝙蝠を思わせる上着に同じく紫のミニスカート、それと白いハイソックスである。その彼女であった。
 
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