マイ「艦これ」「みほ2ん」
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第20話<形勢逆転>
前書き
万事休すかと思われたが戦車は急に火を噴き破壊される。そして深海棲艦は反撃を受けた。
「ちょっと本気を出しました」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
第20話 <形勢逆転>(改2)
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ガガガンという激しい金属音が響き、私は思わず再び目を開けて振り返った。
深海棲艦(大井・仮)も私と同様、慌てて拳銃を構えたまま振り返る。
その戦車らしい兵器は横から攻撃を受けているようだ。慌てて砲塔を旋回しているが狙いを定める間もなく装甲が打ち抜かれたらしい。車体の中に何かが入り込んでゴンゴンという跳ね回るような音がする。
「ナニッ!」
珍しく沈着冷静な深海棲艦が慌てている。横からの攻撃は継続し戦車は応戦する間もなく断続的に攻撃されていた。
「あ、これは逝ったな」
私は呟いた。間もなく戦車のハッチが開いて搭乗員……深海棲艦らしき『娘』たちがが逃げ出した。
その直後だ。戦車の継ぎ目からは何本もの煙が立ち上った。さすがに砲塔が吹き飛ぶほどのダメージは与えられなかったようだが戦車内では何かが爆発する音が響く。やがて車体全体からは煙が噴き出して、メラメラと火を噴き始めた。
「……」
深海棲艦は、よほどその戦車の能力に自信があったのだろう。だが目の前で起きた突然の出来事に半ば放心状態だ。
直ぐに聞き覚えのある車の走行音が響いて、間近で停車音が聞こえた。続けて誰かが駆けてくる足音……。
「そうか、あいつらは生きていたか」
私は安堵した。
深海棲艦は、次々と起こる事態に、このまま私にとどめを刺すか、直ぐに逃げるか……とっさの判断に迷ったらしい。
それが拙かった。
「司令ぇ!」
夕立が路地の向こうから顔を出した。
「危ない!」
思わす私は叫んだ。
深海棲艦は振り向いたまま手にした拳銃を夕立に向けて発砲した。間一髪、夕立は身をかわしたが可哀想に銃弾が腕をかすめた。
「あっ!」
夕立は叫んだ。顔をしかめ片腕を押さえながら膝をつく。そのまま路地の入口でうずくまった。
「夕立ぃ!」
私は叫んだが寛代を抱いていて直ぐに動けない。深海棲艦は躊躇わず二発目を発砲しかけた。
その時、夕立を乗り越えて黒い人影が現れた。
「日向?」
私は思わず叫んだ。彼女は刀を抜いて深海棲艦に切りかかった。
「クッ」
深海棲艦も拳銃で刀を防いだ。一瞬、日向の刀から火花が散る。
深海棲艦の反射神経も大したものだ。お互い刀と拳銃で力が拮抗している。
日向は一瞬、こちらを見て寛代の状況を悟った。彼女は深海棲艦を睨むと突然、片足で思いっ切り蹴りを入れた。
まさかと思うくらいに深海棲艦は十数メートルは飛ばされた。案外軽いのか? いや日向の脚力が強いのだろう。
深海棲艦は後ろ向きのまま路地の木箱やゴミ箱を蹴散らしていく。
ゴン! ……という頭を打ったような鈍い音がした。
「ぎゃあ!」
深海棲艦は叫ぶと同時に拳銃を放り出した。
「これは痛そうだ」
寛代を抱いたまま私は呟く。
日向は、ひるまずに倒れている深海棲艦に駆け寄る。直ぐに上段から刀を振り下ろした。
「日向!」
私が叫んだ次の瞬間に勝負はついた。
刀を振り下ろした姿勢のままで日向は静止している。深海棲艦は、そのままズルズルと地面に横たわった。
「ふうっ」
日向は一息つくと刀で一瞬、空を切った。直ぐに祈るような格好をして刀を鞘に納めた。
彼女は背中を私に向けたまま言った。
「申し訳ございません司令……靖国へ往きそびれました」
そして日向は振り返ると汗をぬぐって微笑んだ。
「ちょっと本気を出しました」
私は何かを言いかけたが彼女は直ぐに付け加えた。
「ご安心下さい。みね打ちです」
私は安堵した。敵とはいえ無益な殺生……特に深海棲艦(大井・仮)には避けて欲しかったのだ。
「相変わらずだな、お前は」
私が声をかけると彼女は恥ずかしそうな表情をした。その反応も昔のままだ。
直ぐに夕立が肩を押さえながら駆け寄ってきた。
「寛代ちゃん!」
「……」
日向も無言で寛代を見詰める。私には何も言えなかった。
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほ2ん」とは
「美保鎮守府:第二部」の略称です。
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