恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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187部分:第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十一
第十六話 孫策、刺客に狙われるのことその十一
「猫にも好かれています」
「いいですよね、猫様って」
周泰の顔は今にも溶けそうにまでなっている。
「こうして一緒にいてもらえるだけでも」
「動物は嘘をつきませんし」
ナコルルは温かい顔になっている。
「本当にいい子達ですね」
「はいっ」
二人は動物達と共に優しい顔になっている。そして香澄と舞は馬岱と共に市場の食べ物を見ている。舞は見事な川魚を見て言うのだった。
「これをあげて。あんをかけてね」
「美味しそうですね、それって」
「こっちの果物も凄いよ」
馬岱は八百屋の前で蜜柑を手にしていた。
「新鮮でしかもみずみずしくて」
「そうね、こっちの人参もね」
「お馬さんも喜びそうですね」
「江南では馬はあまりおらんがな」
黄蓋がこのことを話してきた。
「どうしても河が主になるからのう」
「船だね、じゃあ」
「うむ、北馬南船じゃ」
それだというのである。
「それがこの国の地形なのじゃ」
「そうだったね。やっぱり中国だからね」
黄蓋の言葉に納得した顔で頷くキングだった。
「そうなるね」
「どうもそっちの世界でも我が国は有名なようじゃな」
「ああ、その通りだよ」
キングもそのことを否定しなかった。
「歴史も長いしね」
「今で二千年じゃが」
「私達はその二千年後の世界から来たのよ」
キングはこのことも話した。
「それでもあまり違和感ない感じだけれどね」
「そうじゃな。不思議なまでにのう」
「コーンがあったりステーキが食えたりな」
「そこは有り難いけれどな」
ダックキングとビッグベアも一緒だった。
「タン爺さんの茶卵も美味いしな」
「河賊相手に大暴れもできるしいい世界だぜ」
「実はタン殿が一番激しいしのう」
黄蓋はここでタンを見て述べた。
「旋風剛拳には驚いたぞ」
「あれはここぞという時の技じゃがな」
「しかしそれでも凄い技じゃった」
黄蓋の言葉はしみじみとしたものになっていた。
「ダックの舞踏もビッグベアの炎も驚くものじゃが」
「へっへっへ、俺はダンスと一緒に戦うからなあ」
「昔は毒霧を吹いてたんだがな」
「毒霧!?」
「ああ、ビッグベアは昔はね」
舞は毒と聞いて驚く周泰に説明した。
「ライデンっていう覆面の悪役でね」
「悪い人だったのですか!?ビッグベアさんって」
「あの時の俺はぐれてたからな」
ビッグベアは自分でもそれを否定しなかった。
「それでな。そういうこともしてたんだよ」
「そうだったんですか」
「流石に今は違うぜ」
そしてこうも言った。
「今じゃ正統派に戻ったからな」
「火を吹くのは正統派ですか?」
「立場が正統派だからいいだろ」
香澄の突込みにも言葉を返す。
「別にな」
「そうなるのかしら」
「そう思っておいてくれ。さて、何を食うかだな」
「魚はどうじゃ?」
黄蓋が勧めるのはそれだった。
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