転生とらぶる
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ガンダムW
1697話
そこにあったのは、俺が予想していた通り……いや、それ以上に強い印象を残すMSだった。
一番目立つのは、当然のように背中の翼……ウイングバインダーだろう。
ウイングゼロの大きな特徴の1つともなっているその翼は、少し離れた場所にあるデスサイズヘルの黒と比べて、純白と呼ぶに相応しい色だ。
そしてウイングゼロ最大の武器、ツインバスターライフル。
一撃でコロニーを破壊するだけの威力を持つこの武器は、ウイングバインダーと並ぶウイングゼロの象徴の1つだろう。
そして次に、シールド。
基本的には劇場版の機体をベースにして作った機体なので、当初はシールドが存在しなかった。
だが、TVの機体と設計を融合させたおかげで、バードモード……いわゆる、MAや戦闘機形態に変形が可能になり、その時の機首として使うパーツでもある。
特徴的なのは、細長いシールドの先端にバルカンが内蔵されている事だろう。
ガンダニュウム合金を使用されている為に非常に頑丈で、実弾もビーム兵器も防ぐ事が出来、更にはその先端部分を使って打突攻撃も可能という優れものだ。
両肩にはマシンキャノンがあるが……こちらは現在は装甲で隠されている。
使用するときに装甲が展開し、銃身が露わになる構造だった。
後はビームサーベルだが、こちらはウイングバインダーの懸架アームに装備されているので、見る事は出来ない。
「どうじゃ?」
ウイングゼロを見ている俺に、ハワードが自慢気に尋ねてくる。
「いいな」
俺の口から出るのは、それだけだ。
実際、外見だけで言えばかなり完成度は高い。
ニーズヘッグがラスボス的な機体なら、こちらはウイングバインダーの件もあって天使的な機体と呼ぶべきか。
ともあれ、そんな俺の言葉に満足したのか、ハワードや他の科学者達も笑みを浮かべる。
「見惚れてくれるのは嬉しいが、まずは最終調整じゃ。コックピットに入ってくれ」
「ああ、そうだったな」
ハワードの言葉に頷き、俺はそのままコックピットに乗り込む。
乗降ワイヤーも、ウイングゼロに使われているものだけあって、恐らく素材から違うのだろう。
そんな事を考えながら、ウイングゼロの動力炉を起動させる。
『……よし、ではこれから最終調整を行う。まずは反応速度からじゃ。連合軍の整備員からも聞いたが、お主の反応速度は色々と特殊らしいからの。こちらから設定しておく必要があるじゃろう』
「了解した」
そう呟くと同時に、外部からシステムを弄ったのだろう。映像モニタに色々と数値が表示される。
『これから映像モニタに敵MSを表示する。それに向かって照準を合わせて攻撃するように。最初は標準じゃから反応が鈍いと思うが、こちらで調整していく』
「了解した」
ハワードの言葉に頷く。
ウイングゼロの操縦については、前もってデータを貰ったので十分に理解している。
また、元々俺はその手の順応性に強いという事もあって、いきなりの操縦であっても問題はない。
準備が出来たところで、映像モニタに敵の姿が映し出される。
瞬間、照準を合わせ、撃破。
うん……確かに照準の動く速度や、トリガーを引いてから実際に攻撃されるまでにタイムラグを感じる。
まぁ、後者は反応速度は関係ないが。
ただ、トリガーの感度をもっと細かくすれば……幾らかは改善すると思う。
『ほう!?』
通信を通してハワードの、そして他の科学者達からも驚愕の声が聞こえてくる。
恐らく俺の反応速度に驚いているのだろう。
……一応これでも十分に手加減して5割に届かない……4割強ってところなんだが、もう少し反応速度を落とした方がいいか?
そうだな、なら丁度4割程度で。
次々に姿を現す敵機に向け、照準を合わせて撃破していく。
そうすると、やがてハワードが言っていたように照準の動きが若干ながらスムーズになってきた。
勿論その動きはあくまでも今の俺……4割程度まで力をセーブしている状態でのものなのだが、それでも十分な程だろう。
そのまま5分程が経ち……やがて反応速度に関してはこれで十分と判断したのだろう。
再びハワードから通信が送られてくる。
『ふぅーむ……アクセル、取りあえずこの辺でいい』
「何だ? 歯切れが悪いけど、本当にもういいのか? ウイングゼロの性能を十分に発揮させる為なら、俺はまだ大丈夫だぞ?」
『おぬしの気持ちも分かるが、これ以上は無意味じゃろう。現状でウイングゼロの計測可能数値は理論上の最大値を示しておる。……まさか、今の技術で開発されたウイングゼロがこうなるとは、正直ショックなのじゃが……』
あ-……どうやら4割の力でも少しやり過ぎだったらしい。
ハワードの声が落ち込んでいるのは、理論上の最大値……つまり、機体性能の限界までを俺が既に使いこなしているという事からだろう。
その後も反応速度以外の様々な調整を行っていくが、その度に映像モニタに映し出されるハワードを含めて4人の科学者は色々と引き攣った表情を見せる。
ただ、それでも途中で投げ出すような真似をしなかったのは、さすがと言うべきか。
自分達の技術を最大限に発揮して完成したウイングゼロに、それだけ愛着を持っているのだろう。
そうして機体の最終調整をすること、数時間……
『ふむ、これで細かいところは別として、大体は終わりじゃ』
ハワードの言葉に、安堵の息を吐く。
いや、安堵の息を吐いているのは、俺だけではない。
映像モニタに映し出されているハワード達もそれは同様だった。
寧ろ普段は精力的に動いているだけに、そこに強い疲労の色があるのは、それだけ向こうにとっても最終調整をする際に感じた精神的な負荷が強かったのだろう。
……まぁ、色々と予想外の数値を叩きだしたのだから、それも当然なのだろうが。
ともあれ、こちらとしては機体に合わせるように能力をセーブしたんだが……
ちなみに、原作だとデスサイズヘルとアルトロンガンダムの最終調整にかなりの時間が掛かっていたが……それを数時間程度で終わらせた辺り、デュオや五飛のようなパイロットと、ハワード達科学者の技量の違いを意味しているのだろう。
それに原作だとデュオや五飛はOZから逃げ出しながらの最終調整であった以上、色々と条件が厳しかっただろうし。
『では……最後じゃ。ウイングゼロ最大の特徴、ゼロシステムの調整を行う。暴走を始めたと思ったらすぐに止めるから、安心しろ』
その言葉は、俺がゼロシステムによって暴走すると、半ば確信しているかのようなものだった。
その証拠に、何かあったら外部から強制的にシステムを停止させられるようにしてあるのだから、ハワード達がどれだけゼロシステムを危険視しているかを示しているだろう。
実際、必要とあれば味方さえ撃破するという選択を強いるシステムだ。
普通であれば、その凶悪さがどれだけのものかは考えるまでもないだろう。
ガンダムのパイロットでさえ、全員が最初は暴走した代物だ。
それこそ、最初からゼロシステムを使いこなしたドロシーのような例外を除けば、このシステムがどれだけ危険なのかを示しているだろう。
正直なところ、俺も自分の能力には自信があるが、それでも本当に大丈夫なのかというのは、実際にゼロシステムを起動してみるまでは分からない。
珍しく緊張したまま、ハワードに対して頷きを返す。
「分かった、やってくれ」
『では……行くぞ』
その言葉と共に、ゼロシステムが起動……うん?
一瞬、間違いなくゼロシステムが起動したが、次の瞬間にはその起動が嘘だったかのように、全く何もない普通の状況になっていた。
「うん? どうした、何かあったのか?」
『っ!? なっ……ちょっ、ちょっと待っておれ。恐らくこちらの操作ミスじゃ』
「そうか」
ああ、なるほど。
まぁ、ゼロシステムは下手をすればウイングゼロを暴走させかねない。
それこそ、ここでツインバスターライフルを撃ってしまう可能性すらあるのだ。
幾らいざという時の安全を確保しているとはいえ、ハワード達がミスを犯してしまっても無理はない。
……らしくないとは思うけどな。
『……よいか? では、もう一度行くぞ』
「ああ」
再度連絡が来たハワードの言葉に頷き……次の瞬間、ゼロシステムが起動……した瞬間、再び何もなかったかのように普通の状態に戻っていた。
「……おい?」
さすがに2回連続で操作ミスというのはおかしい。
そう思って通信を送るが、それに戻ってきたのは珍しく混乱した様子のハワードの声だった。
『どうなっておる!? 何故ゼロシステムが起動せん!? 何か設計やプログラムでミスをしたのか!?』
『そんな訳がないじゃろう! きちんと完成しているのはお主もしっかりと確認しておるし、何よりその辺りにミスがあればそもそも機体そのものが起動せん。ゼロシステムは、ウイングゼロの根幹を成すシステムなのじゃなからな』
『じゃが、実際に起動はしておらん!』
……どうやら操作ミスとかそういうのではなく、元々ゼロシステムの方に不具合があったらしい。
その後も数分程科学者達の言い争いの声が聞こえてきたが、やがて1つの結論に達する。
『アクセル、悪いが一度コックピットから出てくれ。ゼロシステムに何か不具合があったのかもしれん。……プログラムを見る限りでは問題がないんじゃがな』
ハワードからそう言われ、俺は大人しくコックピットから降りる。
そうして俺と入れ替わるように、ハワードの部下の1人がコックピットに乗る為、こちらに近付いてくる。
「大丈夫なのか?」
「任せて下さい。ウイングゼロには、自分も関係しているんです。それが動かないとあれば、直接調べてみる必要がありますから」
その言葉通り、ウイングゼロの建造に関わったという強い自覚があるのだろう。
ハワードの部下はコックピットに乗り込むと色々と作業をしていく。
それを見ながら、俺は微妙に嫌な予感がしていた。
「ハワード、いいですよ!」
「分かった。何かあったらすぐに止めるから安心してくれ! いくぞ!」
その言葉と共にウイングゼロが起動し……
「ゼロシステムの起動を確認! ハワード!」
「分かっておるわい!」
プロフェッサーGの鋭い叫びに、ハワードは急いでコンソールを操作する。
言葉通り、安全装置は何重にも準備してあったのだろう。
すぐにウイングゼロは止まった。
「どうなっておる? 何故今度は普通に起動した?」
「……もしかしたら、たまたまかもしれん。もう1度起動してみよう」
「ふむ、分かった。……聞こえておるか? もう1度じゃ」
『了解。ゼロシステムを起動します』
その言葉と共にゼロシステムが起動し……再びハワードの手により、すぐに止まる。
そしてハワードを含め、科学者達の視線は揃って俺に向けられた。
「いや、そんな風に見られてもな」
「アクセル、もう1度頼めるか?」
「まぁ、俺はいつでもいいけど」
そうして先程のハワードの部下と入れ替わるようにコックピットに入ると、ゼロシステムを起動する。
だが、それこそ先程の巻き返しであるかのように、一瞬起動するもののゼロシステムはすぐに止まる。……いや、どちらかと言えば強制的に落ちると、そう表現した方が正しいのかもしれない。
そうして2度、3度と繰り返しゼロシステムを起動するが、その全てが数秒で落ちてしまう。
ここまで来れば、ただの偶然とは言えないだろう。
ちなみにその後も何人か別の人物を乗せてゼロシステムを起動したが、その全てでゼロシステムは起動した。
……そう、つまりゼロシステムが起動しないのは俺だけという事になる。
「何がどうなってるのか、その理由は分かるか?」
ハワードに尋ねるも、首を横に振るだけだ。
「詳しい情報はゼロシステムのログを調べてみる必要がある。すぐに分かるものではないから、今日のところはこれで終わらせてくれ」
ハワードの言葉に、他の科学者達……プロフェッサーG、老師O、ドクトルSといった面々も難しい表情を浮かべて俺に頷いてきた。
詳しい情報は知りたいものの、今はその情報そのものがないのだろう。
それは、科学者達の姿を見れば、明らかだった。
「分かった。けど、なるべく早く改善を頼む。宇宙は平気だが、地上では色々と今もきな臭い状況が続いているからな」
「分かっておるわい。儂等にとっても、今回の事は完全に予想外じゃった。じゃが、だからこそイレギュラーを潰すという面で役に立ったと言える。……前もってゼロシステムの起動をテストしておいて、本当に良かったのう」
しみじみと呟くハワードに、他の面々は頷きを返す。
実際、それは俺も同様の気持ちだった。
もし戦闘でゼロシステムが突然停止したりすれば、それはちょっと洒落にならない出来事になるのだから。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1155
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1333
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