とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
壊された日常と隠された想い
前書き
湊『前書きは短めで!』
美琴『展開が分かりづらいんじゃないかしら、今回の。』
湊『だね、分かりづらい人は作者に伝えてくださいね。』
美琴『それじゃあ本編へ!』
あの日も今までと変わりない日常を送っていた。
「んー、今日の夕飯はっと……。」
「私ハンバーグ食べたいー。」
「ハンバーグ?母さんに聞いてみよっか。」
「うん!」
俺と美琴は夕飯の食材を買いに来ていた。
今日は珍しく母さんが早く帰ってくるのだ、と言うことで久しぶりに俺達がご飯を作ろう!という流れになり今に至った。
「もしもし……母さん?」
『はぁーい、どしたの?』
「今日の夕飯、ハンバーグでもいい?」
『いいわよ〜。』
と言うことでハンバーグに決定。
玉ねぎと挽肉、あとはソースを作るためにーと各コーナーを歩く。
美琴は俺の隣を歩きながら、食材を選んでいく。
──美琴も流石女の子だな……。
食材の選び方が母さんにそっくりだった。
「これかなー、いやこっち?うーん……。」
一つの食材を籠に入れるのに数分かかる義理妹。
──美琴さん、もう少し早く出来ないですかね…
俺はそんな光景を見ながら苦笑していた。
そうしてやっと籠に食材が全て入った時には、メニューはだいたい決まっていた。
メインは勿論ハンバーグ。
他には、サラダとスープ、美琴の大好きな紅茶とデザートでなった。
「〜♪」
「ご機嫌だね。」
「だって、お兄ちゃんと久しぶりに料理出来るんだよ?」
確かに久しぶりだ。
2人で1食作るのはあまり無かったな……と俺は考えながら「そうだね。」と返しながら歩いていた。
その時だった。
何か、後ろから背中に突き刺さるような冷たい視線が………。
「っ!?」
「お兄……」
俺はすぐ美琴を自分に抱き寄せて、後ろから突き刺さる冷たい視線を外す。
「誰だ!」
俺は美琴を自分の体で隠しながら、後ろに怒鳴った。
「久しぶりだな、湊。」
「な………!?」
俺はいっそう美琴を抱き寄せ、男の視界に入らないように隠す。
美琴は訳が分からないのか俺の顔を見て『?』としていた。
「さぁ、一年前の続きだ。」
「っ!?」
俺は美琴を連れて走り出した。
──なんで、なんでまた…!
俺は能力を使って倒そうと考えたが美琴を連れている今、そんな事をしてしまえば去年と変わらない。
「私が1人で戦いに来ると思うか?」
「まさか……、嘘だろ……?」
父親以外にもいた。
5〜6人が俺達の逃げようとしていた現れた。
「消えろ、化け物。」
──化け物……か。
せめて、美琴だけでも家に返せれば……。
俺は辺りを見回すが人は誰もいない。
「お兄ちゃん、これって……?」
「大丈夫、美琴は俺が守るから離れるなよ?」
「う、うん。」
──しょうがない……よな。
俺は美琴を片手で支えながら、睨みながら放った。
「良いぜ……俺が相手だ!」
バチバチ
電撃を身体から放ちながら、俺はレジ袋を美琴に渡して戦闘を始めた。
電撃を放ち、次々と男どもを気絶させていく。
「………私が殺る、お前達はもういい!」
父さん……城崎聖は部下らしき奴らに怒鳴ってから俺の目の前に立ち、俺を殺すために作られた兵器を俺に向けてくる。
ドリルのような、槍のような物の先端に光が集まる。
「ちっ……!」
「化け物が死ねー!」
「お兄ちゃんは化け物なんかじゃない!」
「え……?」
兵器が謎の光を俺にぶつけようとした瞬間、俺の後ろから人影が現れた。
「駄目だ、美琴……よせ……!」
次の瞬間。
兵器から放たれた砲撃は俺達に向けて進んできた。
──嫌だ……嫌だ……やめろー!
俺は無我夢中で美琴の腕をつかみ、後ろに引っ張り飛ばす。
能力を使って砲撃を消し、周りにいた人間に向けて全力の電撃をぶつけた。
ドカン……!
バリバリ、バチバチと音がなる。
「はぁ……はぁ……。」
「お兄……ちゃん……?」
「美琴……大丈夫……え。」
俺は美琴に手を伸ばすが、美琴にその手は届かなかった。
何故なら美琴は俺から離れたのだ。
「あ……ぁ。」
「え……美琴……?」
「ひ、人を……。」
そこからは美琴は口を手で覆い、驚いた表情で黙っていた。
俺は訳が分からず辺りを見た。
「あ……。」
そう、美琴が絶句した理由。
それは、目の前で俺が能力を使い人を殺したからだった。
父親の姿はなかったが、他の奴らは俺の能力によって死んでいた。
──あ、あぁ……。
「………。」
その後、通報して駆けつけた警備員が来るまで俺と美琴は一言も話さず距離を置いた。
警備員に保護され、父さんと母さんが迎えに来たが俺達2人の空気感が全く違っていた事に気付いたらしく、俺には父さんが美琴には母さんが付き帰宅した。
「父さん……俺……。」
「大丈夫だ、美琴も驚いているだけだ。」
俺は今考えている事を父さんに言った。
「俺、御坂家から離れてもいいかな……?」
「……!?」
いったん歩くのをやめて、俺は父さんに向き直った。
「こんな俺を匿ってくれた事は感謝してます、でもこのまま俺がここにいたらまた今日みたいな事が起きる。だから、いったん俺は御坂家から離れます……そうすれば美琴もこれ以上危ない目にも合わないはずです……。」
「湊くん……。だがそれは……!」
「分かってます。だから美琴には黙っておいてください、俺が御坂家から離れる事を。俺は強くなって戻ってきます、必ず。」
「………待ちなさい、少し母さんとも話そう。」
それから美琴が落ち着き眠りについた夜、俺達は三人で話し合った。
「みなくん……それは……!」
「分かってます、でもこれ以上は俺も嫌なんです……。」
「………湊くん。」
父さんは俺に向き直って真剣な顔で話してきた。
「私と美鈴が決めた高校に入り、寮ぐらしをしなさい。」
「ちょっと、パパ!?」
「中学の間は御坂家から離れても良い、だが高校1年生の時に一度戻ってきなさい。守れるかい?」
──3年間は俺との縁を切るってことか……。
「分かりました」
「3年経てば美琴も全てを知っても問題ないはずだからね。でもいつ帰ってきてもいいんだからな、ここは君の"家"なのだから。美鈴もいいかい?」
「………分かったわ、美琴ちゃんには黙っておくわ……。」
「母さん……。」
母さんは俺の横に来て、そっと抱きしめてきた。
「貴方は私の"息子"よ……あの子が必死に私の娘を守ってくれたんだから私だって貴方を守るわ。」
「……母さん……。」
「美琴ちゃんは任せなさい、ただ。」
母さんは俺の顔をみて笑顔で……。
「いつでも帰ってきなさい、だから"いってらっしゃい"。」
「………いってきます、父さん、母さん。」
俺はその日の夜に出る準備を済ませた。
家については父さんが早急にアパートを借りてくれた。
──ありがとう、約2年間。
俺は、自身の部屋にそう挨拶してから美琴が起きないように階段を降りて玄関に向かう。
「みなくん。」
リビングには両親がいた。
「父さん、母さん。」
母さんは俺にある物を渡してきた。
「これは?」
「お守りよ、向こうについたら開けてちょうだい。」
俺は頷いてから靴を履き始めた。
「生活に必要な物は私達が用意しておくから心配しなくていいからね。」
「すみません……何がなにまで……。」
すると母さんは首を振った。
「これは、夢唯が貴方に残していったものよ。」
──母さんが……?
あまりの事実に驚きつつ、俺は微笑んだ。
「ありがとう……本当の母さん。」
そして、玄関の扉に手を伸ばして開けてから……。
「短い間でしたがお世話になりました」
俺は1つ間を置いてからゆっくりと笑顔で。
「いってきます。」
「「いってらっしゃい、湊(みな)くん。」」
そして、俺が美琴に御坂家に次に会うのは3年後の高校1年生だった。
「美鈴。」
「なぁに?」
湊が家を出てから、旅掛は美鈴に話しかけた。
「あの子はいつから"僕"から"俺"に変わっていたんだろうな……。」
「……多分、一年前の事件よ……。」
2人は、先ほどまでいた息子の場所を見ながら話した。
「美琴ちゃんを説得させる理由を決めないといけないわね……」
旅掛はポケットから1枚の紙を取り出し、美鈴に渡した。
「湊くんからだ。」
「え……これって!?」
「彼は私達を守るために、自分を汚したよ……。」
その紙にはこう書いてあった。
─父さん、母さんへ。
美琴には俺が無断で家を出たということにしておいて下さい。
もし、居場所などを聞かれても分からないと伝えてください。
兄は妹の美琴から離れたと。
湊─
「そんな……みなくんばかり辛い想いを……。」
旅掛と美鈴は階段を見ながら。
「「息子を否定しないであげて(くれ)、美琴。」」
娘には聞こえない声を2人は呟いた。
「お兄ちゃん……?」
朝起きた美琴は、隣の部屋に兄がいなくなっている事に気付き両親に聞いた。
だが両親も分からないと言った。
その日、兄が……湊が自分の隣から消えた。
「…………… 。」
美琴は一つの決意をした。
兄を探す。
そして兄の傍にいられるように強くなる、level5になってみせると。
あれから2年後、努力し続けた美琴は中学生になる前にlevel5へとなった。
level5第3位『超電磁砲』常盤台学園が誇るエース、電撃姫の御坂美琴と呼ばれていた。
「level5第8位、物質破壊……。」
鉄橋で常盤台の制服を着る一人の少女がそう呟いた。
後書き
今回は書き方がとても酷い……すみません……m(_ _)m
次回は、美琴と湊の再会?を書こうと思います。
次回で過去編はいったん終了です!
短かったですね……、もっと長くするつもりだったんだけどなぁ……。
では、次回予告!
──────────────────────
兄が消えてから約2年がたった。
美琴は中1になり、常盤台学園エースと呼ばれるlevel5に。
「え……?」
その時だった、ある公園で長点上機学園の制服を着た歳上の少年がいた。
身長は美琴より大きく、茶髪の髪の毛に優しそうな顔で細身だから筋肉がしっかりと付いていそうな少年。
美琴は見覚えがあった、そう彼は─────。
「お兄ちゃん……?」
「え?」
次回『昔の兄と今の兄』
ページ上へ戻る