リリカルなのは 金色の男
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第四話 緑の野生
アースラにてレイジングハートとバルディッシュが修理を受けていた。
翔一が撤退した後なのは達はヴォルケンリッターに襲われなのはリンカーコアを蒐集されてしまい、レイジングハート、バルデッシュが破壊されてしまった。
「バルディッシュ・・・く」
フェイトは悔しかった。麻生の力を込められたバルディッシュがいとも簡単に破壊されたことに・・・
「お兄さん・・・私はまだお兄さんの力を使いこなせていないんですか・・・」
フェイトは破損したバルディッシュを見つめていた。
一方
なのはは部屋で一文字のカメラを見つめていた。
「一文字さん・・・一文字さんならどうするの?」
物言わないカメラに向かって自問するなのは。
「けど・・・一文字さんなら・・・」
なのはは一文字のカメラを抱きしめた。
海鳴にて・・・
今日ちょっとした事で両親と喧嘩してしまったアリサ。正直どうでもいいことなのだが意地になっている。
「何で喧嘩しちゃったんだろ・・・あほくさ」
足の向くままフラフラ歩いていると何処かの駐輪場にたどり着いた。
「あ・・・」
何気なく見回すとアリサの目に一台のバイクが留まった。バイクで思い出す一文字の姿だが・・・今はもう居ない・・・
すると
「・・・なにしてる?」
「え?」
アリサが振り向くとバイクの持ち主と思われる青年が立っていた。
第四話 緑の野生
「・・・危ないぞ」
青年はぶっきら棒にそう言うとバイクに跨った。アリサもどくが・・・
「・・・・」
バイクがエンコしてしまった・・・
青年がバイクを分解し調べていると原因と思われるパーツを落としてしまった。
「・・・・くそ」
青年の落としたパーツをアリサが拾った。
「・・・これ」
「・・・・ああ」
アリサからパーツを受け取る青年。見ると原因がわかり自分だけでは直せない。
路地
「もういい・・・バイク屋まで結構距離がある」
青年と一緒に壊れたバイクを引いているアリサ。
「・・・ありがとうな」
と言って青年は自販機からお茶を買うとアリサに渡した。青年も自分の分を買おうとするが小銭が無かった。すると・・
「あ?」
アリサが自販機でお茶を買うと青年わたした。
バイク屋の休憩所でお茶を飲んでいる二人。
「何であんなとこに居たんだ?」
「別に良いでしょ・・・」
「家出中って顔だな・・・」
「・・・ムカ」
青年に図星を疲れてしまったアリサ。すると青年はお茶に口をつけた。
「運転手でも探していたか?・・・これ一本じゃ安いな」
「ムウ!」
「そんなむくれるな・・・礼だバイクが直ったら送ってく」
「ちぇ」
ぶっきら棒にアリサは答えるのだった。
同刻八神家
翔一が家で家事労働に励んでいた。
「それにしても。皆そんなに疲れてどうしたの?」
敢えてとぼける事にした翔一。
「ホンマやで」
「面目ないです」
はやてに謝るシャマル。
「それじゃあ俺はそろそろ」
「うんまたな翔一君♪私らお風呂は入ってくるわ」
「翔一覗くんじゃねえぞ」
「ちょっとしないよ!」
と反論する翔一。
「私は今日は遠慮しておこう・・・」
「めずらしいな・・風呂好きが」
「そんな日もある・・・」
と風呂に入るはやて達だが・・・
「翔一?」
突然救急箱持っている翔一はシグナムの袖をまくった。
「貴様!」
「・・・やっぱり」
シグナムの腕に傷がついていた。
「全く。シグナムさんこんな傷じゃ痛いですよ~」
シグナムを治療し始める翔一。
「傷は痛むものだ・・・」
「よしこれで」
包帯を巻き終わると翔一は帰宅するべく玄関に向かうが・・・
「貴様も傷を負っているな・・・」
「な!何言ってるんです?」
「匂いでわかる・・・」
シグナムに図星を付かれる翔一。必死に笑ってごまかすがシグナムが翔一の袖をまくった。
「あ!」
「・・・この傷・・・」
翔一の傷は剣の傷だった。それも相当な使い手の物翔一がこんな傷を負っていること事態が異常だった。
「貴様どこでこの傷を負った」
「え?えと・・・そのバイクで事故っちゃって!あはははは!」
と言って翔一はシグナムから逃げ出した。
「・・・まさかな・・・あいつがそんなわけはない・・・」
シグナムある一つの可能性を思ったが否定することにした。
「危なかった~シグナムさん鋭い・・・」
翔一の受けた傷はシグナムの紫電一閃の傷だった。今バレてしまってはシグナムたちの本当の声が聞けないそう思っていた。
青年のバイクの後部座席に乗っているアリサ。一文字とは違う運転テクにちょっと不安を覚える。
「?」
青年がミラーを確認すると黒いリムジンが青年のバイクの後ろにぴったりくっ付いた。
「なんだ?」
「逃げて!!」
「あ?」
「良いから逃げて!!」
アリサの言葉にバイクを飛ばす青年。リムジンも青年のバイクを追う。
「もっと速く!お願い!!」
「・・・・」
チェイスが繰り広げられると涼がブレーキをかけながら走り出した。
「え!!」
アリサが振り向くと自分の座っている後輪部分から煙が噴出していた。煙幕となりリムジンを襲うとアリサたちはリムジンを巻いた。
公園の出店で焼きとうもろこしを食べるアリサと青年。
「バイク・・・運転上手いね・・・」
「普通だ」
「は~バイクのりって皆体育会系なのかな」
「??」
アリサの知っているバイク乗りとは一文字くらいだ。
「さっきの車ね・・・ウチの車なんだ・・・」
「・・・・」
青年は何も言わずとうもろこしに噛り付いていた。
「驚かないの?」
「なんとなくそんな気がした」
「なんで家出したとか聞かないの?」
「・・・・・・・・・」
興味の無さそうな青年。
「無反応だね・・・けどそれも良いかも・・・どうしてこんな意地っ張りなんだろ」
アリサの思いを聞いた青年はメットを投げ渡した。
「え?」
「・・・帰るぞ・・・とっとと乗れ」
「む~」
なんか面白くないアリサだが・・・青年はアリサの面倒を見ている。なんとなく懐いているアリサ。帰路に着く青年とアリサ。
「あんた・・・意地になったことある?」
「・・・ああ」
「・・・やっぱりそんな感じ」
「・・・放っとけ」
「ぷ!意地になってやんの!」
「黙らないと振り落とすぞ」
「はは!ごめんごめん」
等とバイクを走らせているその時だった。
「!!」
魔力の閃光が走り青年がバイクを停めた。
「なに!?」
アリサが目を丸くしていると青年は走り出した。
「ちょっと!どこ行くのよ!?危ないわよ!!」
青年が光の方角へ向かうとヴィータが立っていた。ヴィータは蒐集をしているところだった。
「なんだ?」
ヴィータが振り向くと青年と対峙してしまった。姿を見られたことに驚くヴィータ。
「・・・ガキ?」
青年の第一声に激怒するヴィータ。
「ガキ扱いすんじゃねえ!!まあいい!見られたからには痛い目見てもらうぞ!!」
ヴィータが青年に襲い掛かった。
「ち!」
青年は必死に避ける。ヴィータは青年の身のこなしに驚いていた。その身のこなしは正しく戦いをしてきた野生の動きだった。
「何なんだお前!?おりゃあああああああああああ!!」
魔力弾が青年に向かって放たれた。
「!!」
青年は必死に避けるとアリサが駆けつけてしまった。
「なにやってんのよ!!」
「ち!」
ヴィータの魔力弾は青年諸共アリサに向かって飛んだ。
「うああああああああああ!!」
「く!!」
青年はアリサを抱き上げると回避した・・・このままではアリサが危ない・・・青年は逃げようとするがアリサが居るこの状況を打破するにはヴィータを倒すしかない・・・青年は意を決意した。青年はヴィータに向かって走った。そして力を引き出した。
「変身!!」
青年の叫びと共にもう1人の・・・緑の身体・・・獣のような姿の戦士が青年と共に走る。二人は徐々に重なり・・・青年・葦原涼の姿が変わった。
「う・そ・・・」
涼の姿が変わったことに驚いているアリサ。ヴィータも同じだった。
「グルアアアアアアアアアア!!」
姿が変わった涼がヴィータに襲い掛かった。
「なに!?」
「グアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
涼の咆哮に少し武者震いをするヴィータ。その野生的な動きに翻弄される。
「なんなんだ!?なんなんだこいつ!?」
「グルオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ヴィータは知らない・・・この目の前の存在を・・・そして涼にアギトの姿を重ねた。
「調子に乗んなあああああああ!!」
ヴィータはグラーフアイゼンをラテーケンフォームで振り下ろす。
「ぐ!ぐううう!!」
ヴィータのパワーに圧される涼。腕からギルスフィーラーを引き抜きグラーフアイゼンを絡め取った。
「な!離せ!」
「ぬうううううううううう!!」
涼はグラーフアイゼンを掴んでいるギルスフィーラーに力を入れる。しかしヴィータの攻撃に翻弄される。このような敵と戦うのは初めてだった。
「なに・・これ・・・」
アリサは涼の戦っている姿に釘付けになった。その姿は何処か悲しみを帯びている。何処か自分と同じ境遇を感じ取った。
「く・・!ぬ!!!グルオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
アリサの目の前で涼が咆哮するとデモンファングクラッシャーが開いた。すると涼のバイクの姿が変わった。ギルスレイダーが涼に向かって走った。
「グルルル!!」
ギルスレイダーに向かって走るとそのまま跨った。
「な!」
ギルスレイダーに跨った涼に殴り飛ばされるヴィータ。
「ぐあああ!!」
バイクの動きでヴィータが再び翻弄された。
「オオオオオオオオオオオオオオ!!」
涼がバイクから降りると咆哮と共にかかとのヒールクロウが突き立ちそのまま飛び上がった。
「オオオオオオオオオオオオオオオ!!」
ギルスヒールクロウがヴィータに向かって放たれた。
「ぐああああああああ!!」
ヴィータはラテーケンハンマーで受け止めるが圧力で押しつぶされる。
「グルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
「うあああああああ!!」
涼の咆哮と共に蹴り飛ばされるヴィータは必死に立ち上がった。
「く!・う・・」
思ったほどダメージが少ないヴィータはすぐにわかった。
「てめえ!手加減しやがったな!!」
「・・・先に襲ってきたのはお前だ」
「この野郎!!」
(やめて!!)
「ん?シャマル?」
ヴィータの頭にシャマルの念話が響いた。
「くそ・・・わかったよ!!」
ヴィータは涼を睨み付けるとそのまま飛び去った。
「なんなんだあいつら?」
「あ・その・・・」
涼の姿を見て驚いているアリサ。当然である目の前の男が変身した。涼は黙って去ろう圧したその時だった。
「ちょっと待ちなさいよ」
「・・・・・・・・・・」
アリサの言葉で止まる涼。
「ここまで来たんなら最後まで送っていきなさいよ!!」
「・・・・・・・・・・」
涼は変身を解くとバイクに跨りアリサにメットを投げ渡した。
奇妙な友情が芽生え始めた二人だった。
バイクに跨っている涼とアリサは無言だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
涼はアリサを家に送り届けた。アリサが執事の元に向かうのを見た涼はそのまま去った。
「・・・名前聞くの忘れちゃった」
「・・・きっとまた逢えますよ」
アリサは奇妙な出会いをした涼との再会を望んだ。
そして涼もこの闇の書を巡る戦いに巻き込まれるのだった。
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