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リリカルなのは 金色の男

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第三話 赤の炎


第三話 赤の炎


翔一とはやて、ヴォルケンリッターの奇妙な生活が始まってから数日。翔一とヴィータは夕飯の買い物に来ていた。

「何にしようかな~」

「翔一・・・変な料理だけは止めろよ・・・・」

とヴィータにツッこまれながら到着したのは魚屋さん。

「おう!翔一!今日もいいのは入ってるぞ!」

「は~い」

魚屋さんのススメで魚を選ぶ翔一だが・・・

「て!おい!」

「しぃ~」

ヴィータが見ると事もあろうに翔一は魚の口に小指を突っ込んだ。衛生上こういうことはやってはいけません。

「やめろおお!」

とヴィータにハリセンをお見舞いされるが翔一は新鮮な魚を選んだ。

「あ!ヴィータちゃん。俺この後ちょっと用事があるんだ。はやてちゃんにちょっと遅れるって言っておいてくれないかな」

「ふ~んわかったよ。じゃあ先に帰ってる」

と翔一とヴィータは別れた。

「さてと」

翔一は一旦店の菜園から野菜を収穫するとバイクに積み込み喫茶店翠屋に向かった。

「こんにちは~」

「あ!津上君!」

翠屋の店主高町士郎が翔一を迎え入れた。

「これ頼まれてた野菜です♪」

「いや~いつもすまないな~」

「いえ!好きでやってる事なので♪」

と他愛もない会話が弾むと・・・

「あれ?津上さん?」

と士郎の娘高町なのはが店に訪れた。

「やあなのはちゃん!」

「表のバイク津上さんのか~」

「うんあれ?なのはちゃんバイクに興味あったっけ?」

「え?あ!うんうん!私バイク好きだよ!」

と言ってなのはは大切にしているカメラを手にした。

「全く一文字の影響でな」

「?一文字?」

聞き覚えのある名前を聞いた翔一だが。

(なるほど。この間のテロ事件のときか・・・)

翔一の言うテロ事件とはPS事件時ショッカーライダー軍団の進撃だった。

「それにしても、なのはちゃんカメラなんて持ってたっけ?随分良い奴みたいだし」

「これね・・・大切な預かり物なんだ」

「ふ~ん」

となのははカメラを本当に大切にしているみたいだった。

「ところでお前家政婦始めたんだって?」

「ええ。ちょっと。あ!いけない!遅くなっちゃう!」

と言って翔一は八神邸に急ぐのだった。




「不味い不味い!完全に遅刻だ!」

と必死にバイクを走らせている翔一だがその時・・・

「!!」

翔一が何かを感じ取り気配のする方向へ向かった。

「これは・・・」

翔一が一定の距離を移動すると目の前に結界のようなものが張られていた。

「・・・・」

バイクから降り翔一は手で壁に触れてみるとすり抜けた。

「よし!」

翔一は再びバイクに跨りその壁をすり抜けた。




(・・・ほう・・・結界をすり抜けるとは・・・)

翔一の姿を仮面の男が見ていた。





「ここは一体・・ぐ!」

翔一は凄まじい頭痛に陥った。禍々しい気配に押しつぶされそうになる。そして翔一はビルを見上げた。

「え?」

翔一が見上げるとヴィータが空を飛び目の前の少女に危害を加えていた。

「あれは・・・子供?・・・なのはちゃん!!」

翔一の視線の先には杖のようなものを持ったなのはの姿があった。

「なんでなのはちゃんが・・・!!」

突然なのはの胸から手が生えた。翔一は目の前で苦しむなのはの姿に驚いていた。

「!!」

翔一はヴィータ達を止めるべく力を引き出す動きをとった。するとベルトが現れ未知の力が発動する。

「変身!!」

翔一がベルトの両端を敲き付けると姿とバイクが変わった。

「はあ!!」

翔一はマシントルネイダーを走らせると飛び上がった。

「!!」

するとマシントルネイダーが変形しスライダーモードになり滑空した。

「なに!?」

ヴィータが振り向くとマシントルネイダーに乗った翔一が現れヴィータを突き飛ばした。

「仮面・・ライダー?」

翔一の姿に驚くなのは。

(違う・・・一文字さんじゃない・・・)

一文字ではない仮面ライダーに驚くなのは。

「てめ!きやがったのか!」

ヴィータがグラーフアイゼンで翔一に襲い掛かるが、翔一はその一撃を受け止めた。

「く!あいかわら 「ヴィータちゃん止めろ!」 なに!?」

ヴィータは目の前の戦士、翔一が自分の名前を知っていることに驚いていた。

「てめえ!なんであたしの名前知ってんだ!!」

「く!」

ヴィータの攻撃を避け続ける翔一。

「てめえ!そいつらの仲間か!?」

「やめろヴィータちゃん!!何故なのはちゃんにこんな事するんだ!?」

「「え?」」

ヴィータだけではなく、なのはも驚いた。ヴィータにとっては目の前の戦士が、なのはにとっては見ず知らずの仮面ライダーが・・・なのはの名前を知っているからだ。

「ち!」

「く!!」

翔一はひたすらヴィータの攻撃をかわし続けた。前回とは違い翔一が全く攻撃しない事がヴィータは気に入らない。

「舐めんじゃねえ!!ラテーケン!!」

「ぐはあ!」

ヴィータのラテーケンハンマーをまともに受けてしまう翔一。

「この野郎!!」

ヴィータが再びグラーフアイゼンを振り下ろしたその時マシントルネイダーが割って入った。

「なに!?」

「は!」

翔一はマシントルネイダーに乗るとなのはを連れ離脱しようとしたその時。

「ておおおおおおおおお!!」

「ぐあ!」

背後からザフィーラの攻撃を食らった。なのはを庇う様に翔一は着地する。

「ぐ!ザフィーラさん」

「・・・なに?」

ザフィーラは翔一の言葉に混乱している。

(二人ともどうしたの?)

(ああ!あいつがきやがった!!)

シャマルの念話にヴィータが答えると・・・

(そうか・・・奴が来たか)

(シグナム?)

(奴と決着をつける)

(あ!シグナムちっくしょう!勝手にしやがれ!)

と念話が途絶えるとヴィータとザフィーラは倒れている翔一となのはに向かって構えた。

「悪く思うなよ・・・お前の魔力を頂く」

そう言って歩み寄った。その時ヴィータに閃光が放たれた。

「な、何だ!?」

閃光が晴れると、黒いバリアジャケットを身に纏った少女が立っていた。

『ふぇ・・・フェイトちゃん!」

「・・・なのは」

フェイトはなのはにそう言って微笑むとヴィータに向かってデバイスを構えた。

「お前・・・そいつの仲間か?」

「・・・友達だよ」

ヴィータの問いにフェイトが答えるとなのはの前に倒れている翔一の姿を見て驚いた。

「仮面・・・ライダー・・・」

フェイトも翔一の姿に驚いていた。

(違う・・・お兄さんじゃない・・・)

フェイトも目の前の仮面ライダーが麻生ではない事に驚いていた。

「なのは!大丈夫?」

なのはが振り返るとその人物に安心した。

「ユーノ君!」

そしてフェイトがヴィータを見た。

「貴方は一体何者なんですか?」

「何で赤の他人に教えなくちゃならねぇんだよ!あたしは只お前等の魔力を頂ければそれで良いんだしよ」

「そんな事は・・・!!」

その時なのは達は物凄い気配を感じ取った。

「誰?」

その気配に向かって翔一が駆け出した。

「あ!待って!」

なのは達の言葉を聞かず翔一は屋上に向かって走るとある人物と対峙した。

「・・・やはり来たか」

「・・・シグナムさん」

「貴様何故私の名前を・・・・まあいい・・・今度は逃がさん」

シグナムは翔一にレヴァンテインを突きつけた。傷付いたなのは達も居るこの状況では対決は避けられない・・・翔一も構えた。

「烈火の将・・・シグナム・・・貴様の名は?」

「・・・仮面ライダー・・・アギト・・・」

翔一は過去の世界で出会った戦士たちの名前の名乗った。

「アギトか・・・いい名だ・・・てあああああああああああ!!」

シグナムの一閃を避ける翔一はベルトの右側を敲き付けた。すると翔一の身体が光り輝いた。

「く!青い姿か・・・」

シグナムはストームフォームだと思い構えるが翔一の姿は違った。

「なに?」

翔一がなった姿は赤く右腕が力強い姿フレイムフォームだった。まだ姿があったことに驚くシグナム。

「は!!」

翔一はベルトからフレイムセイバーを引き抜きシグナムに向かって構えた。

「剣だと・・・面白い・・・剣で私と勝負とはな」

レヴァンテインとフレイムセイバーが交差する。シグナムの騎士の太刀筋と翔一の侍のような太刀筋が交差する。

「く!はあ!!」

「は!は!」

五分の斬り合い。シグナム久しぶりに心躍っていた。

「中々やるな・・・アギト!」

シグナムはこの強い男を倒すべく必殺技の体制に入った。

(来るか!)

翔一も迎え撃つべく構えた。

「レヴァンテイン!!」

「!!」

シグナムと翔一は技の体制に入るとレヴァンテインからカートリッジがロードされフレイムセイバーは展開した。シグナムは懐に飛び込むべく急接近し翔一は迎え撃つべく居合いの構えを取った。

「紫電一閃!!」

「はああ!!」

シグナムの紫電一閃と翔一のセイバースラッシュがぶつかった。

「く!」

「ぐ!」

轟音と共にお互いの一撃必殺がぶつかるが反動で吹き飛んでしまった。

「くっ・・・やるな・・・」

「はぁ・・はぁ・・・」

お互いに膝を突いていた。もうシグナムは戦えないそう思った翔一は・・・

「く!」

翔一はマシントルネイダーを呼ぶとそのまま飛び去った。

「逃げるのか!」

逃げる・・・その通りだが今の状態では翔一は離脱するので精一杯だった。







「はぁ・・・はぁ・・・」

しばらくバイクで走ると翔一は変身を解いた。

「く!なんでシグナムさん達が・・・」

とても優しい心を持ったヴォルケンリッター。翔一は何故皆があのような行動をとるか分からなかった。

正直、敵も味方も分からない。

だがヴォルケンリッターたちの行動にはわけがあるはず。

「痛たた。とにかくはやてちゃんのところに行かないと」

翔一は真実を知るため今の状態を保つ事にした。


 
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