恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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133部分:第十二話 劉備、先祖伝来の宝剣を手放すのことその六
第十二話 劉備、先祖伝来の宝剣を手放すのことその六
「この剣と」
「あれっ、そういえば」
ユリがその剣を見て言う。
「劉備さんってかなり立派な剣持ってるわよね」
「はい、これですね」
「それ何なの?」
「宝剣かいな」
ロバートはその剣を見てまた言った。
「それは」
「我が家に伝わる剣です」
「伝家の宝剣か」
今度はリョウが言った。
「それがか」
「我が家は。まあ自称ですけれど」
ここで少し苦笑いになる劉備だった。
「王家の末裔でして。皇族になるんです」
「ああ、そういえばあんた」
「そやな」
ここでリョウとロバートが気付いた様な顔になった。
「名前が劉だな」
「ってことはや」
「はい、何でもそうらしいんです」
こう三人で話すのだった。
「それで御先祖様は随分前の時代の王に任じられていた人で」
「その人から伝わる宝剣か」
「そういうことなのね」
「そうなんです。それで」
「それで?」
ユリの言葉に応える劉備だった。
「何ですか?それでって」
「劉備さんって何か雰囲気が違うのよね」
彼女が言うのはこのことだった。
「それってそういうことから来てたのね」
「そうですか?」
「自分では気付いていないのね」
それをまた言うユリだった。
「成程ね」
「それで剣だが」
リョウがその剣に対して問うた。
「悪い奴に狙われたりしないようにな」
「わい等はそれこそ使う必要も持つ必要もないけれどな」
リョウとロバートは劉備に対してこう話した。
「それでもだ」
「悪い奴には気をつけるんや」
「悪い奴、ですか」
「見たところこの国ってあまり治安よくないしね」
ユリは顔を顰めさせて話した。
「どうもね。あまりね」
「あんたに会うまで随分と山賊にも遭った」
「全部のしてやったけれどな」
「山賊には今まで遭ってないですけれど」
「おい、それは運がいいだけだ」
「そうよ、いいだけよ」
リョウとルリが劉備に話す。
「それじゃあ何時どうなるかわからないわよ」
「はあ」
「特にその剣だ」
リョウはその剣を見てまた言った。
「狙われるからな」
「そんなにですか」
「それは気をつけてくれよ」
「まあとにかくわい等は今は街に行くけれどな」
その先に向かう街だ。そしてだ。
そのまま四人でその場に寝た。それから起きてまた街に向かう。そこにだった。
やはり本屋があった。そしてだ。
「よし、地図もあるぞ」
「これ買っておこか」
「そうね、何種類かね」
三人はすぐに地図を買いはじめた。しかしだった。
劉備はふと近寄ってきた胡散臭げな男に声をかけられたのであった。
「もし」
「はい?」
「よければですが」
こう言ってきたのである。
「今お金に困っていまして」
「お金にですか」
「家が破産して何もかもなくなり借金に追われています」
こんなことを言う。今にも泣き崩れそうな様子である。
「本当にどうしたらいいのかどうか」
「そんなに困ってるんですか」
「はい、そうなんです」
実際にその場に崩れてみせていた。
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