転生とらぶる
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ガンダムW
1689話
流れてくる音楽に合わせ、身体を揺らす。
基本的に激しい音楽ではなく、ゆっくりとした音楽。
ダンスのステップも、W世界特有のものという訳ではない。
その事に微妙に安堵しながらも、俺はドロシーの腰を抱いて引き寄せる。
細い腰にしっかりと手を回し、ドロシーの平均よりは大きな――15歳として考えればかなり大きいと言ってもいい――双丘が、俺の身体に当たってひしゃげる。
だが、ロームフェラ財団を実質的に動かしているデルマイユの孫娘として、当然こういうパーティにはよく顔を出しているのだろう。
ドロシーはそんな体勢になっても、特に恥ずかしがっている様子を見せたりはしない。
この辺り、王侯貴族の出身が多いロームフェラ財団の出身ならではといったところか。
「何よ、ダンスは好きじゃないとかいいながら、しっかりと出来るじゃない」
「そうか? まぁ、こう見えて色々な経験をしてきてるからな」
自慢じゃないが、俺よりも様々な経験をしてきている奴なんてそうそういないと思う。
こうして色々な世界に行ってるのを考えれば、絶対に……確実に、という訳じゃないんだが。
「ふーん。デュオの過去がちょっと知りたくなってきたわ」
そんな事を話しながら踊り続けていたが、やがて曲が終わって俺とドロシーも密着した状態から離れる。
柔らかな双丘が離れていったのを少しだけ残念に思いながら、ダンスが終わったということで俺とドロシーは料理が並べられている方に向かう。
まだ踊っている者もいるし、ドロシーももう少しだけ踊りたそうにしていたが、踊りがそれ程得意じゃない身としては、一曲付き合っただけで十分だろう。
「冷たいジュースか何かを」
「かしこまりました」
俺とドロシーを見て近寄って来たボーイに、そう告げる。
そんな俺の様子を見て、ドロシーは悪戯っぽく笑う。
「あら、こういう時はお酒じゃないの?」
「未成年が何を言ってるのやら。それに、残念ながら俺はアルコールは好きじゃなくてな」
それどころか、俺がここでアルコールを飲んだりしたら、それこそ一体どうなる事やら。
多分……いや、間違いなくドロシーは性的な意味で俺に食われてしまうだろう。
そう思う程度に、俺はドロシーに好意を持っている。
実際に俺からどうこうしようとは思わないが。
「あら、そうなの? ……未成年とか言っても、デュオも私と同じくらいの年齢に見えるんだけど」
「その辺りは人生経験の差って奴だな」
「だから、同じくらいの年齢でしょ?」
「男の過去は詮索するものじゃないぞ」
「……それ、女の台詞だと思うんだけど」
そんなやり取りをしていると、先程のボーイがジュースの入ったコップを持ってこちらに戻ってくる。
それを受け取った俺とドロシーはそっと乾杯をする。
「何に対する乾杯なのかしら?」
「そうだな、ロームフェラ財団の関係者がサンクキングダムにいる事に対する奇妙な偶然に……ってのは、どうだ?」
「ふふっ、それは面白いわね」
ガラスのぶつかる軽い音が周囲に響き、俺とドロシーはそのコップの中身を飲み干す。
中身はオレンジジュースだが、その辺で適当に売っているオレンジジュースではない。
微かな酸味があるのは、恐らくミカン以外に何か他の果実を混ぜているのだろう。
この酸味からすると、レモンか?
「じゃあ、人生経験が豊富なデュオに聞きたいんだけど、これからロームフェラ財団はどうなっていくと思う?」
少しだけ視線が鋭くなったドロシーの問いに、どう答えるか迷う。
迷った末に……結局正直に口を開く。
「直接的に言うのと、オブラートに包んで言うの、どっちがいい?」
「直接的な方がいいわ」
「衰退するだろうな」
向こうが希望したという事で、単刀直入に告げる。
その言葉に、ドロシーは驚き……はせず、特に表情を変えてはいない。
「デュオから見ると、やっぱり衰退するように見えるのね?」
「ああ。そもそも、連合軍に反旗を翻した時点で向こうに読まれていたかのように反撃され、OZが予定していたよりも勢力地を増やす事は出来なかった。その上、宇宙におけるOZの本拠地バルジが消滅しただろ? しかもそこからトレーズ派、財団派に別れて抗争中だ。ただでさえそこまで勢力がないのに、内輪揉めをして……その上、財団派は何を考えたのか中東連合にも喧嘩を売っている。しかも今日見せて貰ったのを見る限り、サンクキングダムにもちょっかいをだしてるんだろ? どう考えても、財団派には未来がない。そして財団派が消滅してしまえば、ロームフェラ財団に戦力らしい戦力はなくなる」
勿論完璧に戦力がなくなるという訳ではないだろう。
個人で私兵集団を雇う程度はやっている者はいるだろうし、他にも傭兵を雇うという手段もある。
だが……それでもW世界の勢力という面では明らかに弱小になるのは間違いない。
「そうね。そうなる可能性が高いわね」
そう告げるドロシーは、全く残念そうな様子を見せていない。
何だかんだと頭の回転の早いドロシーの事だ。その程度は容易に予測していたのだろう。
「ドロシーに聞くのもおかしいが、何だって財団派はあんなに馬鹿な真似をしたんだ? トレーズ派と2つに分裂するのは分かるけど、そこからわざわざ中東連合に喧嘩を売っても勝ち目はないだろ? 実際、ニュースだと中東連合に負けてたし」
「そうね。エンデュミオンの鷹も出て来て、大活躍だったみたいだものね」
笑みを浮かべているドロシーの姿からは、何を考えているのかは分からない。
だが、それでも……ドロシーが現状のOZやロームフェラ財団をどう思っているのかは気になった。
そうして何かを言おうとしたドロシーだったが……不意に何かに気が付いたかのように、視線を逸らす。
ドロシーの視線の先には、見覚えのない男の姿。
だが、このパーティに参加している以上、何らかの地位にいる人物なのは間違いないだろう。
「ごめんなさい、デュオ。少し外すわね」
そう告げ、ドロシーはその男の方に向かう。
一瞬、俺も一緒に行った方が良かったのか? とも思ったが、ドロシーがそう口にしない以上、別に俺が行く必要はないのだろう。
そうなると、当然のように俺は1人になる。
このパーティ会場に、俺の知り合いはいない。
いや、ヒイロやリリーナのように俺が一方的に知っている相手はいるのだが。
このまま1人でパーティ会場にいても暇なので、少しテラスにでも行くか。
幸い、窓から自由にテラスに出る事が出来るようになっているので、特に遠慮する必要はない。
そしてテラスに出ると、夜の星々と……真夏から秋に向かいつつある涼しい空気が俺を出迎える。
何だかんだと、もう秋に近いんだよな。
折角凛と綾子の2人と再会出来たんだし、海くらいには行っておきたかった。
もっとも、本気で海に行く気になれば、それこそハワイとかそういう場所でなら1年中泳ぐ事は出来るんだが。
凛と綾子の水着姿を想像しながら、背後の気配に声を掛ける。
「……遅かったな。もう少し早く接触してくると思ってたんだが」
振り向いた先にいたのは、ヒイロ。
ただし銃口をこちらに向けていたが。
「貴様……何者だ?」
「自己紹介はドロシーがしただろう? デュオ。デュオ・マクスウェルだ」
「それが貴様の本名だというのか?」
「少なくてもこの場では俺の名前はデュオ・マクスウェルだ」
「……偽名か。俺の前でその名前を使うという事は……お前は、シャドウミラーの者か?」
まぁ、デュオが……いや、デスサイズがシャドウミラーに所属しているというのは、連合軍が積極的に広報で使っているネタだ。
当然ヒイロもそれを知っているのだろう。
デスサイズというガンダムの名前も知らない者が殆どだろうし、ましてやそのパイロットの名前を知っている者となれば、数は非常に限られる。
「どうだろうな。シャドウミラーの者かもしれないし、違うかもしれない。それよりも、いいのか? 今はこのテラスに俺以外誰もいないが、いつ他のパーティ参加者が顔を出すのか分からないぞ?」
「問題ない」
きっぱりとそう告げる様子を見る限り、恐らく現在はテラスに誰も入らないようにしているのだろう。
まぁ、それはそれでこっちにとっても便利なのだが。
そう考えながら、改めて視線をヒイロから外し、テラスの向こう側に向ける。
このパーティ会場は2階にある為、少し離れた場所にある景色まで見える。
それなりに明かりが灯っているし、元々混沌精霊の俺にとってはこの程度の明かりで十分だった。
「ま、それならそれでいいさ。……それで、俺を隔離してどうしたいんだ? 一応俺はドロシーの……ドロシー・カタロニアのパートナーとしてこのパーティに参加したんだがな。そんな俺に手を出すような真似をした場合。財団派は敵になるぞ」
最も、今でも財団派がサンクキングダムを敵対視しているというのは、日中にドロシーが見せたMSを見れば明らかだが。
それでも今は、明確に敵対はしていない。
だが、財団派にとっては何か切っ掛けでもあればすぐにでもサンクキングダムを攻撃するだろう。
……ヒイロがガンダムのパイロットだと知っていればそんな真似はしないだろうが、それを知らない以上、サンクキングダムは完全平和主義という理想論からいい獲物にしか見えないだろう。
ドロシーがヒイロについてロームフェラ財団に知らせるとは思えないし。
ああ、なる程。だから財団派はサンクキングダムを攻撃しようと……具体的には、自分達の勢力範囲を広めようとしているのか。
連合軍、中東連合、トレーズ派。
ただでさえ3つも同時に敵対しているのを考えると、多少の無茶は平気でやる訳だ。
それだけ財団派も追い詰められているって事なんだろうな。
まぁ、その気持ちも分からないではない。
中東連合にカトルとトロワがいたという情報を財団派が知っていたのかどうかは分からないが、今日の戦いでその実力をまざまざと見せつけられたのだ。
しかも財団派が動くと、そこにエンデュミオンの鷹までもが姿を現すのだから、財団派にとっては堪ったものではないだろう。
それでも完全平和主義のサンクキングダムにとって、財団派と戦争になるような真似は出来るだけ避けたい筈だった。
だが……そんな俺の予想とは裏腹に、ヒイロは銃口を下ろす事がない。
「元々この国と財団派が戦争になるのは決まっている。それが早いか遅いかの差でしかない。なら、ここでお前から情報を聞き出すのを優先するべきだろう」
「……なるほど」
そう来たか。
原作では少しでもロームフェラ財団と敵対するのを先延ばしにしたサンクキングダムだったが、ヒイロがこうして最初からいる影響か、それともドーリアンがいるからか。
原作ほどに頭がお花畑の国という訳ではないらしい。
となると、実際には防衛戦力もある程度整っていると見るべきか?
……まぁ、原作でも最終的にはトレーズ派や連合軍の生き残りといった者達を受け入れて、軍を結成したのだ。
それを考えれば、今のサンクキングダムが最初からある程度の戦力を用意していてもおかしくはないか。
ヒイロに銃口を向けられたまま、俺はゆっくりと移動する。
これが、ヒイロに近付いていったのであれば、向こうも警戒しただろう。
だが、俺はヒイロから距離をとるように離れていき……テラスの手すりの部分に腰を掛けるようにし、改めてヒイロと向かい合う。
「俺を怪しいと思う、お前の態度は正しい。ただでさえ、このサンクキングダムはお花畑の思想を持ってるんだしな」
お花畑という言葉に、ヒイロの持つ銃に若干力が入る。
それを見ながら、笑みを浮かべて言葉を続ける。
「そこで怒る必要はないだろ。実際、完全平和主義なんてお花畑の考えなんだから。……ただまぁ、そのお花畑の考えが支持を集めているのも事実だけどな」
特に現在のように幾つもの勢力が争う戦国時代とも呼ぶべき状態では、戦争に疲れた者達が完全平和主義に傾倒してもおかしくはない。
「ま、それがどこまでやり通せるのか……出来るところまでやってみたらいい。ああ、そうだな。どうしようもなくなったらシャドウミラーに連絡をしてくれれば、雇われてやってもいいぞ」
「やはり……」
俺が口にしたシャドウミラーという言葉に、ヒイロの視線が厳しくなる。
そんなヒイロの様子に笑みを浮かべつつ、言葉を続ける。
「ドロシーに伝えてくれ。俺は先に帰るって……な」
その言葉と共に、俺は意図的に体重を崩して寄り掛かっていた場所から身を乗り出し、地面に落下していく。
まさかこの体勢のまま落下していくとは思わなかったのか、珍しく驚いた表情を浮かべているヒイロの顔が、強く印象に残っていた。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1140
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1330
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