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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1686話

 中東連合と財団派の戦いに介入してから、数時間……俺の姿は、まだ地球にあった。
 折角地球に降下してきたのだから、この機会に少し地球の様子を見ておこうと思ったからだ。
 勿論宇宙にいても、地球の情報は手に入る。
 だが、その情報はあくまでも連合軍を通してのものだ。
 より正確には、連合軍を通して、連合宇宙軍を通して、そこでようやくシャドウミラーに入ってくる。
 であれば、そこでは色々と情報が変化している可能性も高いし、そもそも意図せず俺達に必要な情報をどうにかしてしまう可能性もある。
 そこに悪意があるかないかはともかくとして、出来れば生の情報を入手しておきたいと思うのは決して間違っていないだろう。
 そんな訳で、ミロンガ改を空間倉庫に収納し、被っていたマスクも脱いで15歳状態のままでヨーロッパにある比較的大きな街にやってきていた。
 レストランで適当に料理を食べていると……

『プリンセス・リリーナ……リリーナ・ピースクラフト様がサンクキングダムの復興を宣言してから、数日。既に何人もの各国の要人が、サンクキングダムを訪れています。完全平和主義という、その思想は広く受け入れられ……』

 TVでやっていたそんな放送に、思わず口の中にあった焼きたてのピザを噴き出しそうになったのは、決しておかしくはない筈だ。
 少し咳き込みながら、アイスティーで口の中にあったピザを飲み込む。
 そうして改めて視線をTVに向けると、そこにはリリーナが……リリーナ・ピースクラフトが映し出されていた。
 それだけでも驚きなのに、リリーナの側には養父のドーリアンの姿もある。
 俺が得た情報によると、レディ・アンの行ったテロによって意識不明の重体になっていた筈だが。
 原作のように死ななかったのは、ドーリアンが宇宙に行く前にレディ・アンについて気をつけるように手紙を置いてきたからだろう。
 誰とも分からない相手から、それもいきなり家の中に置かれていた手紙だ。
 あからさまに怪しいと思ったんだろうが……それでも、一応対応はしていたのか、原作通りにテロは起こったものの、死ぬ事はなかった。
 その後は意識不明になっていた筈だったが……映像モニタに映し出されているドーリアンの姿を見る限りでは、とてもではないが意識不明だったようには思えないな。
 という事は、恐らく意識不明になっていたというのはブラフだったのだろう。
 もしくは、一時は意識不明だったのかもしれないが、すぐに意識を取り戻したのか。
 ともあれ、実際には俺が得ていた情報は欺瞞情報だったと考える方がいい。
 そして、その間にドーリアンはサンクキングダム復活の為に動いていた。
 原作ではOZ……というか、ゼクスやノインの力もあってサンクキングダムが復活したんだろうが、この世界のリリーナはゼクスやノインと知り合っていない。
 その二人の代わりに動き回ったのが、養父のドーリアンだったのだろう。
 そして、ドーリアンの姿以上に驚いたのは……

「ヒイロ・ユイ、か」

 小さく呟く。
 ……そう。リリーナの側にドーリアンがいて、更にその近くにはヒイロの姿があったのだ。
 ずっと行方不明だったヒイロだが、予想通りリリーナの側にいたらしい。
 こちらとしては、予想通りの展開ではあったが……それでも、こうして堂々と表に出てくるとは思わなかった。
 ともあれ、カトル、トロワ、ヒイロと、行方不明だった3人のガンダムパイロットの姿を確認出来たのは、大きな収穫といえる。
 ただ……ヒイロとウイングガンダムはかなり強力な戦力だ。
 だとすれば、地上にはまた新たな勢力が生み出された事になる。
 何だか、こうも勢力がポコポコ現れると……うん、まぁ、それがW世界らしいと言えばらしいんだろうが。
 にしても、サンクキングダムか。
 これからの歴史にどう関わってくるのか、少し気になるな。
 原作だと結局ロームフェラ財団に潰されてしまったが、この世界でも同じようになるとは限らない。……いや、原作とは状況が違い過ぎるのを思えば、恐らくそう簡単に原作と同じようにはならないだろう。
 ロームフェラ財団は原作と違って宇宙を掌中に収めてはおらず、MDの生産工場もそう多くはない。トレーズ派と財団派に分裂して内乱しており、原作ではロームフェラ財団の強力な戦力となったビルゴも開発されていない。
 もしこの状況で財団派がサンクキングダムに攻め込むような事になれば、それこそトレーズ派や中東連合辺りに責められる筈だ。
 ……こうして見ると、財団派はもうどうしようもない状況だよな。
 何を考えて中東連合にも攻撃を仕掛けたのか、さっぱり分からん。

『OZの財団派と中東連合の間で戦闘が起きた件についての続報が入って来ました』

 丁度考えていた事についての話になったので、改めてTVに視線を向ける。
 いつの間にかサンクキングダムの話は終わり、次のニュースになっていたらしい。

『OZ財団派と中東連合の戦いでしたが、そこに今まで宇宙で活動していた、エンデュミオンの鷹が姿を現したそうです』
『その、エンデュミオンの鷹ですが……つい先日までは宇宙にいましたよね?』
「ぶっ!」

 まさかTVのニュースで自分の事を言われるとは思ってなかった俺は、思わず噴き出す。
 幸いだったのは、口の中に何も入っていなかった事か。
 もし入っていれば、色々な意味で大惨事になっていたのは間違いない。
 ……にしても、何だってニュースでエンデュミオンの鷹が出てくるんだ?
 いや、別に秘密の回線とかを使っていた訳ではなく、オープンチャンネルで自分の事をエンデュミオンの鷹と呼んでいたんだから、マスコミがそれを察知してもおかしな話ではないんだろうが……戦場カメラマンとか、そういうのでもいたのか?
 まぁ、中東連合と財団派の戦いだと考えれば、戦場カメラマンとか、命知らずのマスコミはいそうだよな。
 で、当然そういう奴は情報を集める為の準備は怠らない訳で……
 ああ、でも今の言い方だと以前からエンデュミオンの鷹の事を知っていたような感じだったな。
 その辺はどうなっているのか。
 まぁ、俺も自分の事はともかく、ムウの事を隠そうとは思っていない。
 寧ろ、エンデュミオンの鷹の名前は知られれば知られるだけ、トレーズ派を含めて財団派の敵には勇気を与えるだろう。

「おいおい、エンデュミオンの鷹だって? 聞いた事があるか?」
「いや、初耳だな。OZのライトニング・カウントなら結構聞くけど……」
「だよな? だとすれば、自称エンデュミオンの鷹なのか?」

 少し離れた場所で食事をしながらそんな会話をしている二人組の話が耳に入ってくるが……正解。
 実際、俺がエンデュミオンの鷹と名乗ったのは、あくまでも自称……自分からでしかない。
 こういう異名は、大抵他人に言われて呼ばれるようになるのを考えると、男達の話は間違ってる訳じゃない。
 まぁ、今回の件は少しでも早くムウの名前を知らしめる必要があったからこそ、自称にしたのだが……それを聞いたか知った第3者が色々と思っても不思議ではない。
 面白いかどうかと言えば、当然面白くないんだが。
 そのまま席を立ち、会計を済ませて店を出る……直前、手の中にあった角砂糖を指弾の要領で親指を使って弾く。

「痛っ! 何だ!?」

 額に当たった角砂糖に悲鳴を上げている男の声を聞きながら、俺はそのまま店を出て行く。
 ふん、エンデュミオンの鷹の裁きを受けるがいい。……角砂糖の裁きってどんなんだよって感じだが。
 ともあれ、そうやって店を出た俺は次にどうするべきかを考える。
 元々は折角地上に降りてきたんだし、宇宙にいてはある程度制限される情報を得る為に動くと決めていたのだ。
 そう考えれば、これから俺がやるべき事は、やはり色々な情報を集めるという事だろう。
 だとすれば……そうだな、まずはどこかで雑誌でも買ってみるか。
 マスコミ関係はそれなりに頑張っているのだから、情報はその辺りから入手するのが最善だろう。
 情報屋とかがいれば多少は話が別だったかもしれないが……残念な事に、現在の俺にそんな伝手はない。
 表向きには傭兵独自の情報網があるという事になってはいるが、俺にあるのはあくまでも原作知識だけだ。
 その原作知識も、こうまで原作と違う流れになってしまえば、そうそう役には立たない。
 うーん……やっぱりどこかから信用出来る情報屋を紹介して貰った方がいいんだろうが。
 そんな事を考えながら、道を歩く。
 そうしてやがて到着したのは、図書館。
 ここなら新聞とかが色々と置いてあるだろうし、そこから情報を得るのも難しい話ではない。
 図書館を利用するのに特に金が必要な訳でもないのは、俺にとって幸運以外のなにものでもなかった。
 そうして図書館に入り、新聞を適当に読んでいると……

「失礼、少しよろしいですかな?」
「……うん?」

 不意に話し掛けられ、そちらに視線を向ける。
 そこにいたのは、60代程の男。
 それなりに育ちがいいのだろう。俺の方に若干申し訳なさそうな表情を浮かべながら口を開く。

「そちらの新聞、もう読んでいないようなら私に貸して欲しいのですが」
「あー……うん。それは別にいいけど」

 普通であれば、新聞は1種類につき2、3部ずつくらいはあってもおかしくない。
 だが、残念ながらこの爺さんが読みたいと思っている新聞は、他に読んでいる人がいたのだろう。
 そして俺は纏めて新聞をテーブルの上に置いてあったので、そっちに爺さんの読みたい新聞があった、と。
 完全に俺の不手際である以上、もう読み終わった新聞を爺さんに渡すのは全く問題がない。

「すみませんな。……それにしても、君のような子供が新聞を読むというのは珍しい。何かの宿題でもやってるのですか?」

 子供? と一瞬疑問に思ったが、そう言えば今の俺の姿は10代半ばだったな。
 それこそ中学3年から高校1年といった程度の年齢な訳で、それを考えればこの爺さんにとっては子供としか言えないか。
 取り合えず口調をいつもの俺じゃなくて今の姿に相応しいものに変えるか。
 でないとこの爺さんの印象に強く残って、後で色々と不味い事態になりかねないし。

「違うよ。ちょっと最近地球に来たばかりだから、情報収集をね」
「ほう? 地球に来た? だとすれば、君はコロニーの出身なのか。宇宙は戦争状態になってるという話を聞くが……」
「うーん、どっちかと言うと膠着状態かな?」

 正確には、俺が無理矢理膠着状態にしているというのが正しいんだが……まぁ、その辺りは別に説明する必要はないだろう。

「宇宙はバルジの件があって、OZは勢力が小さくなったからね。しかもOZはトレーズ派と財団派に別れて、更に内輪揉めをしてるし、バートン財団の方は元々勢力がそれ程大きくないから……実際には連合軍の一強状態なんだ。勿論、小競り合いとかは結構起きてるけど」
「ほう、なるほど。ならば宇宙に比べると地球は色々と騒がしいだろう?」
「そうなるね。バルジがなくなった宇宙と違って、地球ではOZがまだ戦力を十分に残してるし。おまけに中東連合とかいう組織はあるし……それに、サンクキングダムがいつの間にか復興してるし」
「おや、それは知らなかったのかな?」
「うん。サンクキングダムは名前くらいしか知らなかったよ。けど、サンクキングダムに参加しているドーリアン外務次官はコロニーにも理解のある人だったから、宇宙では結構有名だよ」
「ほうほう、その年齢の割には随分と状勢に詳しいようだね。……君、確かコロニーから来たばかりだと言ってたが……」

 ふと、何かに気が付いたように尋ねてくる爺さんに、俺は頷きを返す。

「うん。連合軍がコロニーに宥和政策をとって、地球とコロニーの間で結構自由に行き来出来るようになったんだ」

 これは事実だ。
 ノベンタの宥和政策により、コロニーの住人でも自由に地球に降りる事が出来るようになっている。……まぁ、旅費は必要となるが。

「なるほど。なら、是非サンクキングダムを見ていくといい。折角宇宙からやって来たんだ。であれば、地球の戦乱とは関係のない場所も見ていった方がいい」

 笑みを浮かべてそう告げる爺さん。
 ……なるほど。多分だけど、この爺さんはサンクキングダムの関係者か、そこまでいかなくてもサンクキングダムに対して好意を抱いているのだろう。
 正直なところ、戦いの中を生きてきた俺にとって、完全平和主義というのは机上の空論のようにしか思えないが……それでも、このW世界では好意を抱いている者が多いのも事実だ。
 そして最終的には、完全平和主義を政策に掲げた大統領が現れ、地球圏を纏める事になる。
 まぁ、結果としてマリーメイア軍によるクーデターが起きるんだが。
 ただまぁ……そうだな。1回くらい、サンクキングダムを見ておいた方がいいのかもしれないな。

「うん、分かった。ちょっと興味深いし、行ってみるよ」

 情報を教えてくれた爺さんに、そう感謝の言葉を口にするのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1140
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1330 
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