提督はBarにいる。
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実録!ブルネイ鎮守府24時・その3
12:00 【提督と一緒にお昼です!】
時刻は11:50。大淀さんの話だと提督はいつもこの時間に起きていらっしゃるそうなのですが……。
「うぃ~す、頑張っとるかね諸君」
白い制服に身を包んで、身嗜みを整えた提督がいらっしゃいました。今朝方のTシャツ短パン姿とはまた違って、仕事が出来る男の風格、とでも言うのでしょうか?そんな迫力というか、雰囲気が漂っています。提督本人はどこまでもフレンドリーな感じですけど。
「提督、午前中の業務の報告です」
「ん、サンキュー」
大淀さんが午前中の執務で起きた問題点や報告すべきポイントをまとめたメモを手渡します。それをチェックする提督。
「ま~た卯月がやらかしたのかよ。アイツも懲りないねぇ、ったく……天龍と卯月は15:00頃に呼び出しだな。それと14:00に客が来るから、間宮さんに茶の準備を頼んでおいてくれ」
「了解しました」
「さて、と。お前らこれから昼飯だろ?俺も今から作って食べるから、ついでに食ってけよ」
「え、いいんですか!?」
提督のお料理はとても美味しくて、私も姉さん達と何度か食べに来た事があります。しかし昼間は提督業をしている関係上、お店は夜の間しか開けていないのです。それなのに、私達だけお昼に頂いても良いのでしょうか……?
「秘書艦になった奴の特権て奴さ。俺がいない間、執務を頑張って貰ってたしな……まぁ、無理に食ってくれとは言わねぇがな」
提督はそう言ってニヤリと笑いました。そんな言い方されたら、是が非でも食べたくなるじゃないですかっ!ううぅ、提督さんはズルい人です。
「じゃあ……ご相伴に預かります」
「あ、私も頂きます。メニューはオムライスで!」
大淀さん、メニューの注文までするんですか。
「……へいへい」
提督さんも大人しく従ってるし。もう、どっちの立場が上なのか解らなくなって来ました!
※ここからは一時的に提督視点に戻ります※
さて、大淀からの注文を受けたし、作るとしますかオムライス。ただ、俺の朝飯も兼ねてるからオムライスだと多少思いが……まぁ気にしたら負けか。制服汚すとアレだから、一旦制服とワイシャツは脱いで……と。中に着ていたTシャツ姿になったら、執務室を一旦キッチンモードに切り替えて調理開始だ。
《オムレツが大事!ふわとろオムライス》※分量2人前
(チキンライス)
・鶏モモ肉:1/4枚
・玉ねぎ:1/4個
・ご飯(温かい物):茶碗2杯分
・サラダ油:大さじ1
・バター:10g
・鶏ガラスープの素:小さじ1
・塩、胡椒:適量
・砂糖:小さじ1
(失敗しにくいふわとろオムレツ)
・卵:6個
・塩:少々
・サラダ油:適量
・バター:10g
※その他牛乳等を少々入れると更にクリーミーに!
さて、まずはチキンライスから。鶏肉、玉ねぎは1cm角に刻み、油を引いて熱したフライパンで炒めていく。今回は玉ねぎと鶏肉だけのシンプルなチキンライスだが、マッシュルームやしめじなんかのキノコ、人参なんかを刻んで加えても美味いぞ。その時はご飯の量や調味料の量を調整しよう。
鶏肉の周囲が白くなり、玉ねぎも透き通ってきたら火を弱火にしてケチャップ、鶏ガラスープの素を加えて混ぜ合わせる。
炒めた具材に砂糖、塩、胡椒で味を整えて鶏肉に火が通ったのを確認したら、バターを入れて溶かしつつ、具材にバターを絡める。バターが溶けたらご飯を加え、火を中火にしてご飯を炒めつつ具材と混ぜ合わせる。ご飯にバターが絡んで艶が出てきたらOKだ。
お次はふわとろのオムレツ作り。とはいえ、中々作るのは難しい。なので今回は失敗しにくい作り方を伝授しよう。卵は1人前に3つ使う。卵をケチると半熟でトロトロになる部分が少なくなり、スクランブルエッグのようになってしまう。なので勿体無いとは思わずに3つ使うようにしよう。と言っても卵を溶いて少量の塩で味付けしたら焼く前の支度は終わり。卵に手を加えるというよりも、焼き方がポイントになってくる。
ふわとろオムレツのポイントは『火を通しすぎない』事だ。なのでちょっと特殊な焼き方だが、失敗しにくい焼き方をやってみようと思う。フライパンに少量の油とバター5gを引いて熱し、十分に温まったら溶き卵を流し込む。普通のオムレツの作り方ならここでガシャガシャとかき混ぜるが、8秒間触らない、混ぜない、揺すらない。そして8秒経ったら手早く卵を溶くのに使ったボウルに戻し、グチャグチャにかき混ぜる。こうする事で火の通った部分を細かく砕きながら火が通りすぎるのを防ぎ、液状の卵と半熟の卵が入り混じった卵液が出来上がる。余熱で多少火が入って、見た目は生焼けのスクランブルエッグのようになるが、それでOKだ。
そうなったらフライパンを中火で熱し、油を薄く引いて卵液をフライパンに戻してフライパンの柄を叩いたりしながら、手早くオムレツの形に成形。ここで手間取ると折角の半熟に火が入りすぎて固まってしまうので、ここは要練習。半熟のオムレツが出来上がったら、予め皿に盛り付けたチキンライスの上に乗せ、上の方に優しく包丁で切れ込みを入れる。両側に広げてトロトロ卵がチキンライスを覆ったら、後はお好みのソース(ケチャップなり、ハヤシソースなり、クリームソースでも)をかけて完成だ。
「へいお待ち、『提督特製ふわとろオムライス』だ」
付け合わせのコンソメスープとサラダも出してやる。さて、食べるとしよう。
「んー♪やっぱりオムライスは美味しいです!」
大淀は頬をこれでもかと弛めながら、オムライスを頬張っている。親潮はオムライスには手を付けず、先にスープに口を付けた。
「……あ、美味しい」
「だろ?手間はかかってねぇけど、そのスープも美味いんだよな」
《豆とツナのケチャップスープ》※分量2人前
・ミックスビーンズ:40g
・ツナ缶(80g):1缶
・キャベツ:小さめの1枚
・ミニトマト:8つ
・ケチャップ:小さじ2
・コンソメ:小さじ1
・水:400cc
・塩、胡椒:適量
キャベツは1cm角に刻み、ミニトマトはヘタを取って半分に切る。鍋に全ての材料と水、ケチャップ、コンソメを入れ、火にかけて沸騰したら2~3分煮込む。味見をして塩、胡椒で味を整えたら完成だ。
その後も軽く話をしながらも和やかに昼食は進み、3人とも食べ終わって食後のコーヒーを楽しんでいた。間もなく時刻は13:00。午後の執務開始の時刻だ。
「さて、昼飯も食ったし、仕事に精を出すとしますかね」
そう言ってキッチンモードにした執務室を元に戻す。大淀と親潮もコーヒーを飲み干し、それぞれの作業用の机に着席する。
「さてと、決済が必要な書類をくれ」
「はい提督、こちらです」
さぁて、午後もキリキリ頑張るとしましょうかね。
後書き
次回はまた親潮視点に戻りますm(_ _)m
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