とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫
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常盤台刈り3
前書き
美琴『アンタ、機械とか得意だった?』
湊『まぁ多少はね。』
美琴『(いや、多少ってあんなすぐに犯人見つからないわよ)』
湊『?』
美琴『何でもないわ、今回は女子生徒の方よね?』
湊『そう、そして俺は出てくるの少ないですね』
美琴『あー、もう。最初は湊視点、途中で私よ、それじゃあ本編へ!』
湊『俺も戦ってるからな…!(涙)』
『次の道を右に曲がって真ん中に立っててください!』
「りょーかい。」
俺は飾利の指示通りに動く。
今回の敵、犯人の能力は視覚阻害と呼ばれる能力だった。
人の視界からは何も無いように見えて、カメラにはばっちりと写っている所を見つけて特定出来たのだ。
だから、俺達は捕まえるために学園都市の防犯カメラをハッキングした初春に指示を出してもらっていた。
「ん……?」
『どうかしましたか?湊さん。』
「飾利、近くに視覚阻害以外にも人がいない?」
『待ってくださいね、調べて……』
ドカン
「っ!?」
反射的に避けたが頬を炎の弾丸が掠めた。
「御坂湊……level5第4位でありながら第1位にも匹敵する強さを持つ『物質破壊』。」
「まさか、共犯がいるとは思わなかったな。」
「ここでお前を殺す。」
『湊…さ…ん…!?何が…あり…』
さっきの炎の弾丸が頬を掠めた時に通信機までやられたようで、飾利の声がノイズ混じりにしか聞こえなかった。
「飾利、俺は今から共犯者と戦う。女子生徒は任せたよ。」
『わかり…まし…た、気を…つけて…下さい…!』
「殺せるものなら殺してみなよ、共犯者さん。いや、裏level5の第5位、火竜。」
「さすが……学園都市の闇を知ってるだけあるな。」
その瞬間、戦闘が始まった。
level5を殺そうと企む『裏level5第5位・火竜』VS『level5第4位・物質破壊』。
『御坂さん!』
「初春さん、ポイントについたわ!」
『湊さんが!』
私は初春さんの言葉に驚き、少し大きな声を出した。
「湊がどうしたの!?」
『共犯者がいたみたいで、今…!』
──共犯者なんて聞いてないわよ!?
まさか、湊にも予想外な事が……。
「湊は何て言って……」
『女子生徒は任せたよ。と言ってました。』
「初春さん、私達は早く女子生徒を捕まえて湊のもとに行くわよ!」
『はい!』
私は目を瞑って真っ直ぐに立った。
「悪いわね、私は早く行かなきゃ行けない所があるの。だから、手加減しないわよ。」
そう言った瞬間、私は横に動き正面から何かがぶつかる。
「!?」
「捕まえたわよ、常盤台刈りの犯人さん。」
「ま、まだ…!」
その言葉が聞こえなかったとき、バチッと音がした。
少し驚いてしまい、手から犯人が離れてしまった。
「っ……あ、逃がした。」
──普通なら動けないんだろうけど、私にスタンガンは効かないわよ。
『御坂さん、公園に来てください!』
「了解。」
公園に着くと、佐天さんと黒子が取り押さえていた。
「観念しなさいな。」
「離しなさいよ!私は復讐するんだから!」
「はぁ……うるさいわよ。」
私は少し強めに電流を犯人に向けて流した。
「お姉様……。」
「ま・ゆ・げ・の恨みだぁー!!」
そう言って佐天さんは油性の黒ペンを取り出し、前髪をあげた瞬間目を疑った。
「え……。」
「いやー!」
気絶させたはずの犯人が起き上がり、前髪を抑えた。
「わ、笑えばいいじゃない!変な眉毛って!」
──あー、この子……。
黒子も呆れてしまい何も言わず、ただ1人佐天さんはどうにかしようと口を開いた。
「えっと……そんな変じゃないと思うよ…?」
「え。」
「その、ほら!可愛いと思う、うん…!」
佐天さんの言葉を聞いた瞬間、犯人は顔を赤らめて手紙を書いていいかと聞いていた。
「罪深い女ですの。」
「あはは……。」
私は苦笑しながら、あることを思いだした。
「あ、そうよ!」
「どうしたんですの?お姉様。」
「ねぇ、貴方の共犯者はいったい誰なの?」
そう聞かれて驚いたのか、顔を伏せてしまった。
すると佐天さんが聞いてくれた。
「あのね、この人は私の友達なの。それで、この人のお兄さんが……」
「御坂湊……。」
「え…?」
顔を伏せながら、ゆっくりと湊の名前を言った。
そして、ゆっくりと話し始めた。
「共犯者は幼馴染みの龍くん…です、小林龍樹……。」
「その龍樹さんが、どうして共犯なんかを?」
「彼が言い始めたんです、復讐はしようって。私は常盤台生徒に彼は……」
そう言って、私の事を見て言った。
「御坂湊を殺す事を……。」
「は?」
私は信じれなかった、目の前で涙目に話す女子生徒の口から話されたのは幼馴染みが共犯者で、その人は湊を殺そうとしてる。
「そんなの無理ですわ、お兄様はlevel5第4位。その小林さんがどれほどの強さかは知りませんが殺すなど……」
「龍くんもlevel5なんです……火竜と呼ばれてます…」
「え……火竜なんて聞いたこと……」
『裏level5だ……』
「湊!?」
耳につけている通信機から湊の声がした。
「裏level5ってなんですの、お兄様!」
『現在の…level5を納得出来ずに…学園都市の…理事会の半分…がもう一つの…と言って…作ったのが…始まり…だよ…。』
「じゃあ、彼は……」
『彼も…立派な…level…5…さ…。』
『ゴチャゴチャ…話してんじゃ…ねぇぞ…人殺しがぁ…!』
「湊!」
『絶対…に…こっちに…来るな…!俺…は…大丈夫…だから。』
プツン
その言葉が最後に会話は途切れた。
「彼は…湊さんを殺すってずっと言ってました…」
「……どういう事よ…!」
「お姉様!」
私は耐えきれず、胸ぐらを掴もうとするが黒子に阻止された。
「6年前です……彼の両親が…ある事件で亡くなったんです…」
──6年前…?
私たちは無言で話を聞いていた。
「その事件は…彼の両親が働いていた研究所が爆破したんです…その研究所には湊さんのご両親もいたと…龍くんが…」
「ちょっと待って、湊の両親…私の親は生きてるわよ?」
「そうなんです…私も龍くんに言いました…御坂さんのご両親は生きてるから、湊さんがあの時の男の子では無いってでも、彼は絶対にあってるって…」
「どういう事ですの…?」
「彼が言ってたんです…自分の両親が死んだあの爆破事件には湊さんの両親もいて……同じく爆破に巻き込まれてると……。そして、その研究所での研究は…原石を研究して…ある人物を消す事でした…。その消す標的の名前は湊……責任者はその標的のお父さんだったって……」
「湊さんが……その爆破の原因かもしれないからって殺そうとしてる…てこと?」
佐天さんは確認のため聞いたが、女子生徒は頷くだけだった。
「……それに彼が誰かから聞いたって…湊さんは…実の親に化け物扱いされて、大切な人も…お父さんに殺されたから…研究所ごとを壊したと…」
「貴方…なにを言って…!!」
私は予想外すぎて、何も言えなかった。
──湊が…人を…殺した…?
「そうだ、アイツは御坂湊は人殺しだ。」
後ろから聞こえてきたのは、湊では無く……。
「復讐は終わったぜ。」
湊と戦っているはずの火竜・小林龍樹だった。
後書き
湊ぉぉぉぉぉー!
主人公無しで物語が続くのか……(涙)
と、まぁまだまだ終わらないですよ(笑)
次回は火竜から語られる研究所爆破事件!
GWって神だ……( *¯ㅿ¯*)
Twitter始めました!詳しくはつぶやきに!
では、次回予告!
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常盤台刈りが始まった理由は、火竜から語られる6年前まで遡る。
生まれた時から不思議な力を持っていた少年。
その少年は父親から化け物扱いをされ、唯一自分を人として認めてくれた大切な人までも殺されかけた。
そんな彼がたった1度だけ、殺意を剥き出しにし全てを壊した日……研究所爆破事件。
たった1日の出来事で彼は自由になり、そして消せない罪を犯した。
次回『火竜から語られる1日』
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