とある世界の物質破壊≪ディストラクション≫
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常盤台刈り2
前書き
湊『どうも、最近本編に出てこないでどこかでふらついている御坂湊です。』
美琴『拗ねないでよ……。』
湊『別に拗ねてない。』
美琴『はぁ……もう今回出てくるんだから落ち着きなさいよね。』
湊『………では本編へ!』
美琴『これからもよろしくね。』
今いるのは病院。
佐天さんが近くのベッドで横になり、私と黒子、初春さんの3人で話していた。
「ねぇ、あれって……。」
「あれは常盤台刈り……ですね。」
「常盤台刈り?」
私は初春さんの言葉に分からず、聞き返した。
「最近常盤台生徒を狙った事件"常盤台刈り"がありましたの、そして狙われた生徒は皆、佐天さんのように……。」
私は佐天さんに視線を向けながら黒子と初春さんに質問した。
「犯人の目星はついてるの?」
「…………それが…。」
「一応……。」
「さすが風紀委員ね、それで誰なの?」
2人は私の質問に顔を伏せて黙った。
「2人とも?」
「お兄様……ですわ。」
「え。」
私は黒子の今にも消えそうで、信じられないと言うかのような声に聞き返した。
「は、犯人が湊……?」
「まだ決まった訳じゃないです、ただ……湊さんと連絡がつかなくなった時期と常盤台刈りが始まったのが偶然同じで、湊さんの能力はこの世界にある物質を自由自在に操れる『物質破壊』、その能力を使えば自分の姿を消せると………。」
「襲われた常盤台生徒は皆、犯人の姿を見ていないのですわ……ですから……。」
──物質を操れる湊なら……ってことね。
私は無言で部屋から出ようと出口に向かった。
「お姉様……?」
「その犯人としてあげられてる湊を捕まえて、話を聞けば早いわよね?」
「え……御坂さん?」
「探してくるわ、湊を。」
「それでしたら私も行きますわ。」
黒子は私の隣に来て言った。
「初春、佐天さんをお願いしますわ」
「分かりました!」
私と黒子は、黒子の瞬間移動で部屋を後にした。
「とりあえず、湊の寮に行くわよ。」
「了解ですの。」
そう言って湊の寮へと向かった。
寮に着くと、ある人物が湊の部屋の前にいた。
「一方通行……。」
「お前、超電磁砲か。」
私は一方通行を睨みつけながら、少しずつ近づく。
「湊ならいねぇぞォ。」
「え……?」
「ここ最近、寮にすら帰って来てねェ。」
「…………。」
──さすがに寮には帰ってるかと思ったけど、まさか寮にすら……。
「そう……なら他に行くわ。」
「オイ。」
私が来た道を戻ろうとしたとき、一方通行が後ろから声をかけてきた。
「お前、本当に湊の妹かァ?」
「は?」
私は何を聞かれてるのか分からなかった。
──コイツ、今何て言った?
「お前は湊の本当の妹かって聞いてんだよ。」
一方通行が珍しく普通の口調で話してくる。
「当たり前でしょ、私は湊の妹よ。」
「そうか、なら良い。」
「……アンタ、何を知ってるわけ……?」
一方通行は私を睨みつけて言葉を発した。
「俺からは何も言えねぇけどよォ、お前の中にいる湊は本物か?」
「……本物ってどういう事よ。」
私は動揺を隠しながら冷静を装う。
「湊本人からいつか聞け、でもよ。」
一方通行は睨みつけるのではなく私を見てきた。
「その記憶を疑え。」
「……!?」
「俺は無理だった、でもお前はまだ気付いてすらいねェ。」
「ちょっと待って……いったい。」
「御坂、時間はもうねぇぞ。」
「……!?」
──今、御坂って呼んだ……?
黒子も驚きを隠せず、私の後ろでびっくりしている。
「食蜂を探せ、そこに湊がいる。」
「食蜂操祈と……?」
「オレからここまでだ、あとは本人にでも聞け。」
「アンタには聞きたいことが山ほどあるけど、今は湊を探すわ。行くわよ黒子。」
私はそう言って一方通行と分かれた。
湊の部屋の前で未だに立っている一方通行。
「何でオレサマがこんな役しなきゃなんねぇんだよ。」
一方通行は頭をかきながら、ある人物にため息をついていた。
「面倒な事に巻き込まれたなァ。」
一方通行は湊との会話を思い出していた。
──『一方通行、もし美琴が俺の部屋に来たら宜しくな。』
『オメェ何する気だ?』
『なに、軽い調べ物さ。』──
「オレサマも準備を始めるかァ。」
そう言って一方通行は歩き始めた。
今、私と黒子は食蜂操祈を探していた、
「さっきのは……」
「一方通行はおいといて、今は食蜂操祈を探すわよ。」
「はいですの。あ…!」
「食蜂操祈!」
ある廃ビルの屋上に食蜂操祈が立っていた。
「あら、御坂さんと白井さん。」
「食蜂操祈……。」
「湊さんのことなのは分かってるんだぞ☆」
「お兄様はどこにいるんですの!」
「俺はここにいるよ。」
声がした方の柱の影から出てきたのは湊だった。
「湊……アンタ。」
「常盤台刈りは俺は関係無いよ。」
「そう……って。」
私はゆっくりと歩きながら、湊の目の前に立ち言った。
「納得するとでも思ったかしら?」
「………。」
そして胸ぐらを掴んで怒鳴った。
「アンタはいつでもそう、昔から全部1人で終わらせようとして誰も頼らない。私は、お兄ちゃんに頼って欲しかった…!」
「え……。」
湊は驚きを隠せず、私の目を見ていた。
「だから能力開発も頑張った、頼ってほしくてまた傍にいられるように!」
私は手を離して最後に言った。
「でも、アンタは……!もう良いわよ…。」
私の話を聞いて、食蜂に話しかけていた。
「操祈、俺と美琴の二人だけにしてくれる?」
「分かったぞ☆」
「黒子も戻ってていいわよ。」
「……分かりましたわ。」
そうして、私と湊だけになった。
湊は制服のポケットからあるものを取り出し、私に渡してきた。
「これ、美琴に返すよ。」
それは銀色のペンダントで小さな宝石がはめられていた。
「……これは?」
「あの事件の時に美琴が落とした物だよ。」
「あの時に……。」
私はそう言ってペンダントを受け取り、眺めていた。
Mikotoと掘られているそのペンダントを見ていると頭痛がしてきた。
「っ……。」
──何でこんな時に頭痛がするのよ…!
「美琴ごめん、今は全てを教えることは出来ない。」
私は頭痛に耐えながら、反論した。
「アンタねぇ……!」
私は電流をバチバチと散らした。
湊は私の口に人差し指を置いてゆっくりと話し始めた。
「でも、必ず話す。俺が話すまで待っててくれ。」
私は湊の真剣な目に頷くことしか出来ず、それ以上は聞かなかった。
「さて、行こうか皆のところに。」
湊は私の手を掴み、能力を使って飛び始めた。
──ほんと、私って湊に弱いわね……
「お姉様にお兄様!?」
「み、湊さん!?」
「心配かけたね、飾利場所変わってくれる?」
私と湊が着いた頃には、初春さんがパソコンを操作し黒子がフォローに回って佐天さんは意識を取り戻していた。
「佐天さん、大丈夫?」
「はい、大丈夫です!今から眉毛の恨みを晴らします!」
そう、常盤台刈りにあった生徒は皆、眉毛の形が歪になっているらしい。
もちろん、佐天さんも……。
「みーつけた。」
「湊、アンタ何やってるのよ?」
「んーとね、常盤台刈りの犯人さん探し。」
「あれ?今みーつけたって……」
「うん、見つけた。」
そこからは早かった。
私と黒子、湊、佐天さんで犯人をある場所に誘導し捕まえる作戦。
初春さんは司令塔として。
「そもそも、あんな能力あったんですわね…」
「私も知らなかったわ。」
「さて、始めようか鬼ごっこを。」
──何か湊がキレてる……?
そうして始まった常盤台刈りの犯人を捕まえる鬼ごっこが。
後書き
早く仲がいい御坂兄妹を出したい……(涙)
残り2話ほどで常盤台刈り編は終わる予定です!
一方通行が良い人になってたり、美琴が結構簡単に折れてしまうのは気にしないでください…(涙)
そろそろ過去編を出そうかな……うん。
では、次回予告です!
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常盤台刈りの犯人を捕まえるための作戦を始めた。
犯人は女子生徒のみだったはずが、もう一人いた。
「御坂湊……。」
「まさか、共犯がいるとは思わなかったな。」
湊VS共犯者
「眉毛の恨み!」
「私が捕まっても、彼がアイツを消すわ。」
美琴、黒子、佐天VS女子生徒
次回『常盤台刈り3』
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