Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画
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クロエ転生
士郎カレーは衛宮家をすべてアンリマユした後、台車に乗せられてエーデルフェルト家に配達されて犠牲者を増やそうとしていた。
門を超える時、視界が黒くなり、見覚えのある風景になった。
「やあ、家族との団欒は楽しめたかい?」
聖杯の住人に声を掛けられたクロエ、その声は異世界を救う時に聞いた覚えがあった。
「アラ、もうお迎え? 早かったのね、お兄ちゃんと結ばれてからとか、70年後とか、もう少しゆっくりしてくれればいいのに」
「いや、カレーで聖杯が一杯になって願いが叶いそうだからね、今回はお知らせだよ」
冗談だったのか悲しそうに笑い、英霊達の喜びの涙で満たされそうな聖杯が発動しそうになり、今回こそ自分も赦されて消えることもできそうなので、英霊たちと同じ涙を流すアンリマユ。
「そう」
「願い事は変わらないかい?「犯罪者は全員殺して」だっけ?」
「ええ、変わってないわ。お腹が空いてパンを盗むとか、刑務所に入りたい人は別だけど、軽犯罪は苦しめて止めさせるぐらいで、これから犯罪を起こそうとしてるのは死刑、レイプ犯は実行しようと思った所で死刑、武装強盗も死刑、詐欺師も死刑、時代劇でも100両盗んだら高いところで獄門貼り付けって言ってたから100万円盗んだら死刑、復讐は仕方ないけど終わったら死刑、虐めとかパワハラが大好きなサディストも生きてたら困るから死刑、結婚とか家庭の意味が分らない浮気男も女も死刑、自分の名前も分かんないようなお年寄りも、介護しないと生きていけない人も障害者も、家族が苦しんで自分も苦しむだけだからあの世に送ってやって」
イリヤに吸収されて消える前に少し時間が欲しいと思ったクロエは、家族や友人に会って団欒を過ごせるようアンリマユと取引をしていた。
それは次に聖杯が一杯になって願いが叶う時までは生きていたいという、ささやかな願いであったが、英霊によって早めに自分の居場所と交代させられようとしていた。
「軽く言ってくれるねえ、それだと10億人とか20億人は死ぬね。両方の世界だと更に倍だ、君のパパも死ぬよ」
「う~ん、パパみたいな正義の味方は許してよ」
「世界の独裁者も、共産主義の指導者も、多くの国民のために「正義」を行って少数を殺してるよ? ほら、大型の客船が漂流してる所に小型船が来ました、収容しないと小型船は全員死にます、って奴だ」
「前に言った答えじゃダメなの? 大型船で船員に逆らったり暴れるバカを事前に海に投げ込んでおきます、って言ったじゃん」
「判断が難しいねえ、俺が選ぶと君の願いから離れるから、君が選んでよ」
クロエの前には光る二重の輪が現れて回っていた。英霊エミヤの前に現れた、守護者としての契約の輪である。
「ああ、セルフサービスって訳ね、いいじゃない、やってやろうじゃない」
クロエは躊躇わずに輪に触れ、もともと浅黒かった肌はそのまま、綺麗な桃色がかった銀髪は英霊エミヤと同じ白髪に変わった。
「それに躊躇わずに触れた奴は君が初めてだよ、いい度胸してるね」
「ええ、パパやお兄ちゃん、代々の願いだから」
既にクロエの願いは切嗣や士郎の願う平和な世界を大幅に脱線脱落していたが、「人類の大多数の悪人と犯罪者、サディストを殺し、善人だけの世界にする」という究極の世界を、ほんの数世代で実行し、人類の遺伝子から犯罪者や障害者、低能、クズ、犯罪傾向が強すぎる中卒、高卒の軽度知的障害者、ボケ老人すらこの世から消そうとしていた。
夜の街に堕ちた人物、すぐに殴り合いの喧嘩をして盗みもする建設解体作業員、パチンコ屋の店員、詐欺紛いの先物取引やFX業者、客が大損をするのが分かっていて商品を売りつけ「2,3人自殺させたらやっと一人前」と言われる証券マン、銀行員も全員殺すと言う意味でもある。
「おめでとう、これで君も殺して殺して殺しまくって、殺した数も記憶できないぐらい、永遠に殺しができるよ」
「ありがとう、あんまり楽しい仕事じゃないわね、私がサディストだったら良かったのに」
これでクロエは、どこかの魔法少女と同じで、円環の理に導く「現象」となって、時間の概念からも外れて、人の理からも外れた。
「じゃあ、まず仕事始めに、悪その物の存在である俺を消してくれるかな?」
アンリマユはこの狂った世界からも、聖杯の中からも消されるのを望んだ。自分を消したかったのと、意味不明の悪にされて聖杯を汚し、クロエの願う平和な世界?が叶わないのを恐れたからでもある。
「ええ、お安い御用よ。サービスにワケワカンナイ宗教で犠牲者出したり、誰かを拷問にかけて「この世の全ての悪」に変えるような奴ら、真っ先に殺しまくってくるわ」
「ありがとうよ、天使様」
クロエは転身してアーチャーの弓でアンリマユを狙い、跡形も残らない程の威力で破壊した。
「次に生まれ変わってくるまでには、もう少し綺麗な世界にしておくわ、お兄ちゃん」
兄とは違った意味での英霊にも、兄としての敬意を払い、何の罪もない青年が宗教団体に嬲り殺しにされるような地獄を消すと誓ったクロエは、取り敢えず現世に戻った。
エーデルフェルトの門を超える時空に戻ったクロエ。もうアーチャーのカードで下生した魔物でも、一旦受肉した人間ですらなかったが、一応人間の振りをして歩いた。
「あれ、クロエ、髪の色そんなに白かったか? もっと銀色でピンク色が少し混じって、肌も……」
まだ普通の人間であるこの世界の士郎にも、クロエの異様な雰囲気は伝わり、外見の特徴では、ついさっきまでとは髪の色まで変わり、肌の色も地黒ではなく何かの契約とか呪いのせいで変わっているのが見て取れた。
「ええ~?いつも通りよ、そんなに妹の髪と肌が気になるの? お兄ちゃんの髪フェチで肌フェチ~」
強がっていると言うより、これから先の運命に立ち向かって行くには強く有らねばならないのを知ってか、力強く立ち、長く存在できない場所を踏みしめて歩くクロエ。
兄の目からも、帰ってからのクロエは別人に見え、今この瞬間には人間にすら見えなかったが、その判断は正しかった。
「お邪魔しま~す」
エーデルフェルトの夕食の場に現れた二人。アンジェリカといちゃついていた異世界のキズあり士郎は、英霊エミヤとも繋がっていたので、クロエの変色の意味にはすぐに気付いて固まった。
「「クロエ……」」
アンジェリカにもクロエが変革してしまったのは理解できたが、その意味までは分からなかった。
家族団欒で泣いたままの凛と、執行者だとか守護者の事情には詳しくなかったルヴィアも、クロエの異常には気づいたが、意味までは分からなかった。
「は~い、お兄ちゃん特製のカレーよ、召し上がれ」
カレー皿に少量のご飯とルーを乗せ、配膳していくクロエと士郎。
「「天使様、なんでや? 一言いうてくれたらワシらが代わりに……」」
エルメロイ二人はクロエの変色や変革に気付いて言葉を失い、アレクサンダーと再会させてくれた恩人が守護者と成り果て、これから無限の殺しをさせられるのに嘆いた。
「いいのよ、あたしは家族に会って楽しくやるまで生かしておいてもらってたのよ。その寿命が終わって死ぬ前に守護者にしてもらったの、人形とはまた違うけど、これでも永遠の命よ、良いでしょ?」
エルメロイやアレクサンダーの前でクルリと回り、新しい体を見せびらかすように回った。
「「それ、永遠の命とちゃうで、永遠の呪いやっ」」
「ええ、衛宮家代々の悲願、「正義の味方」って奴だから気にしないで。またいつか帰ってくるわ。あの宝物庫の守護獣が従ったら、それが私よ」
エルメロイ達もクロエの決意と寿命を知り、守護者として転生して殺戮を繰り返す意味も知ったので「松竹の泣き笑い」で見送った。
「「ワシ、あんまり子供ができん体質らしいんや、よかったらルヴィアちゃんとリンちゃんも、シローくんとの子こさえて生まれてきてくれたらええから」」
エルメロイ達は、運命の恋人?で主君で、これから小姓を務める相方の手を握って頬を赤らめた。
「アレ? 先生ってソッチの人だったの?」
「「いや、生まれつきやのうて、聖杯戦争の間に仕込まれてん」」
それが原因でも無いが、元から子種が少なく女性的で、女は恋愛の対象から外れたらしいエルメロイ。
王の軍勢に入った後も、ウェイバー君は小姓件魔術師として仕え、異世界エルメロイもカードを使って「あたし達「合体」してるっ、気持ち良いっ」みたいな感じで、1万年と2千年前から愛してるのか、相方との合体には抵抗がなかった。
「そう、男色まで後付で、NTR属性まで完備してるなんて、さすが英国人だわ」
色々と業が深そうな英国人の平均的?男性を見て驚くクロエ。
この後は六尺褌装備の上で「オッスオッス」の連呼で、転向させられた遠坂さんとか、妻への愛を失った切嗣とか、復活した?綺礼もカリヤおじさんもマキリ・ゾルゲンなんかも参加して、嶽間沢のオッサンも参戦、月末土曜は14時発射開始のオールナイト、オ*汁発射し放題のパーリーナイツが開催されそうでドン引きした。
士郎二人とジュリアン一成も、これからギル様とかエルキドゥに「YOU来ちゃいなよ」されて、ガラスの少年達までホ*セックスで砕けて鬱にされたり、若ハゲにされそうで怖かった。
「「何、シローもわしらに任せておけ」」
アレクサンダーに任せると、兄達が「浦賀港壊れちゃうよ」とか言わされそうで、これも怖かった。
「「他にもワシらにできることがあったら何でも言うてや、天使様のお願いやったらなんでも叶えるで」」
エルメロイに問われ、思いついたことを言ってみるクロエ。それならアインツベルンとかの顔も立つ。
「じゃあ、お兄ちゃん達が留学するんじゃなくて、異世界のクレーターに学校作って。ギルガメッシュのおじさんに貰った黄金もあるし、あれで足りるかしら?」
「「足りん勝ったらオッチャンがなんぼでも出したる」」
ギル様も*2だったので、宝物庫も二倍、黄金の含有量?も二倍だった。学校建設にはクロエとアンジェリカに渡した宝物には手を付けず、全額ギル様が出した。
「古代バビロニアの物だから、銀貨でも値打ちがあるわよ、それと石版とか粘土板も価値があるから出してやって」
「「ああ、かまへんで」」
シュメール人の粘土板でも「何年に北から流星が落ちてきて火の玉が流れ、アフリカの都市が幾つか滅びた」と出たのを調べると「オーストリアのアルプス山脈に流星が落ちて、燃えたままの岩石がヨーロッパにも落ちて、地中海を越えてアフリカにまで到達し、ソドムやゴモラの街が滅びた」と判明したので、美術館同士で落札しあい、とんでもない金額で落札された。
歴史書もあったが、大抵の内容は「猫が可愛い」「猫が膝に乗ってゴロゴロ言った」「猫が鳥を捕まえて来てエサとして分けてくれた」と言う下らない?内容だったが、ギル様の猫なのでライオンである。
凛が売りに出している銀貨の値打ちが下がるが、歴史的に価値がある美術品や粘土板まで出品され、オークションサイトがパニックになったりもした。
出品者がギル様本人で、木箱に「ギルガメッシュ」と焼き印がある本物である。説明文は「日本に学校を建設するので出資せよ、雑種共」と命令口調で書いてあった。
ギル様も黄金より価値が高いエルキドゥを呼び出して貰ったので、宝物庫が少し減っても気にはしなかった。
「「お前らが本気出したら怖いわ」」
学校とかも政治案件らしいので、補助金とかも出て、土地代も二割三割当たり前の九割引で買えるそうなので、政治家に話を通して忖度すればオッケーである。
逆らうようなヤツがいたり、一口噛もうとして「わしはそんなの聞いていない」とか言う政治家がいたらエヌマエリシュする。
「「時計塔で日本語?できるのもワシらだけやから、校長と先生しに来るわ」」
冬木市は地域的に関西なので、公用語も関西弁である。日本語としては正しくないが、授業は英語でアジア地域からも比較的近く、アジア人差別も少ないので通える。
「まあ、先生まで来てくれるの、サービスがいいわね」
エルメロイ家としては困るが、次期当主がホモーで種無しらしいので、七英雄のルヴィアを家に迎え、同じく七英雄の士郎の種が入るのでウェイバー君の日本転出も容認。
「カナダのお父ちゃんとお母ちゃんもこれで安心や」
日本に移住してカナダ人夫妻と同居するつもりのエルメロイ。家政婦か執事も連れてくれば安心であった。
「これでみんな家から魔法学校に通えるわね」
異世界に渡るので、キズあり士郎と美遊、アンジェリカとジュリアン以外は実家からは難しいが、週末だけ帰るようにすれば、イリヤも通えて異世界士郎と同居のベタベタ、エルメロイもカナダ人夫妻の面倒を見られて、凛とルヴィアは異世界に移住する。
衛宮家周辺で蠢いている、アインツベルン、ヨーロッパ大陸系魔術師、時計塔以外のアイルランドやスコットランド系、魔女狩りがなかったロシア系、アマゾン奥地の南米系、アフリカ系、中国系、インド系、インドネシアとマレー系、中東系、様々な魔術師の系統も、学校敷地を分け与えられて教育して、イリヤや士郎も通うことになって和解した?
「クロエ、私とオーギュストはこの屋敷を引き払うわ、だからここは貴方にあげる。アンジェリカと貴方の金や宝物には手出しできないし、宝物庫に使って。先生とカナダのご両親にも使っていただいて、シェロや衛宮家の客間にでもして」
ルヴィアは異世界のエルメロイ家に嫁ぐのか、不要になった屋敷をクロエに託した。話の内容からはクロエが消えるのは規定事項のようだったが、帰るべき場所を提供して、クロエに与えられた財産と守護獣の居場所とした。
「ありがとう、帰るのはもう少し先になると思うわ」
それはルヴィアと士郎の子になるのか、イリヤと異世界の士郎の子になるのか分からなかったが、長い苦行を終えれば帰ってこれるらしい。
後書き
このまま雑な感じで何話か続けて終わらせますが、春になって発作を起こしてパソコン自作、それもジャンク品病、オークション病を発症して、お笑い回路が閉じているので終わります。
現在ジャンク品のマザーボードやビデオカードを水洗いしてドライヤーで乾かし、ハンダとペーストの匂いをクンカクンカしている変態なので修正不能です。
それで直らなかったら、オーブントースター200度設定で5分ほどビデオカードを焼いて、ハンダ割れを修復して直す、という変態行為を楽しませていただいています。
夏になったらオートバイ病を発症して、グランプリの鷹の主人公みたいにオイルを顔に塗って「俺はこの匂いが好きだ!」とか叫んでいると思いますので、ムーミン谷がトーミンに入るまでお待ち下さい。
一成とジュリアンの士郎を巡っての恋の鞘当て、公式と同じで綺糺が切嗣のネクタイを掴んで顎を持ち上げ…… という展開も書けなかったのが残念です。
遠坂さんと衛宮君(両方父親)の恋愛も書けませんでしたし、カリヤおじさんと遠坂さんの禁断の恋愛、マキリゾォルゲンとカリヤおじさん、アレクサンダーとエルメロイ、ご主人様を士郎にネトラレするエルメロイも書けず、全員でハッテン場の銭湯で六尺褌装備、オッスオッスの連呼もさせられず終わるの心苦しいですが、18菌設定をしていなかったので出来ません。
あしからずご了承ください。
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