オズのアン王女
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十一幕その十二
「この娘は、そして乗馬の時はズボンを穿いているわ」
「スカートですと素足が触れますので」
大佐も乗馬についてお話します。
「擦れてしまうので」
「痛くなるからですね」
「その時はいつもズボンです」
それを穿いているというのです。
「軍服の乗馬ズボンを穿いています」
「軍服の」
「昔の、私がカンサスにいた頃はまだあったの」
ジョージは軍服の乗馬ズボンと聞いて首を傾げさせましたがドロシーがその彼にお話しました。
「軍人さんは馬に乗っていたでしょ」
「はい、昔は」
「だからよ」
「軍人さんもですか」
「乗馬ズボンを穿いて馬に乗っていたのよ」
「そうだったんですね」
「今は皆自動車でしょ」
軍隊でもです、もう馬に乗ることはスポーツか特別な儀礼の時だけです。
「だから軍隊でも乗る人は殆どいなくなったけれど」
「それでも昔は」
「そう、騎兵の人や将校の人は馬に乗っていて」
「乗馬ズボンだったんですね」
「そうよ」
「オズの国では今も乗っています」
大佐がこのことをです、ジョージに言いました。
「ですから乗馬ズボンを穿いています」
「馬に乗られる時は」
「そうなのです」
「乗馬ズボンは」
「ちょっとね」
「僕達はね」
「穿いたことがないわ」
「お馬さんに乗ったこともないわ」
神宝とカルロス、ナターシャと恵梨香もそれぞれ言います。
「まだ小さいからね」
「馬に乗るのも危ないって言われるね」
「足がまだ短いから」
「だからって」
「そういえば大佐の脚は」
ジョージが大佐の脚を見ますと。
「長いですね」
「そうでしょうか」
「乗馬は脚が長いことも大事なんですね」
「短いとどうしても」
「不便ですか」
「そうだと思います」
脚の長さが乗馬に関係しているというのです。
「男の方もそうですし」
「そういえば脚の長い人は乗馬が得意ね」
ドロシーも言います。
「そうね」
「そうですね、私もです」
「脚が長いから」
「幸いにして」
それでというのです。
「乗馬が得意なのだと思います」
「それでなのね」
「はい、ただ結構足元が不安定になる時もあります」
脚が長いとです。
「どうしても」
「そこは長所が短所ね」
「そうなっているかと」
「私なんかは」
恵梨香は自分の脚を見てからです、皆の脚も見て言いました。
ページ上へ戻る